補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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みんなで哨戒

叢雲が指示を出しそれに従う。きっとああいう姿が提督なるものなのだろう。旗艦は白露になったらしい。ちなみに、旗艦というのはその艦隊の司令が乗るものらしい。叢雲がそう言っていた。提督と司令は違うのだろうか。

 

他にも、武器の持たない俺を見て、なんか色々と言ってきた。それはもう、色々と。ほうらいげきせん…?いきゅう…?よく分からない。

 

あと練度なるものも聞かれたが、俺はそういったものは持ち合わせていないため、無いと答えた。なぜか叢雲の魚雷で殴られかけたが、白露が止めてくれた。ちなみに白露は15だそう。

 

「ばっちり艤装つけてるじゃない。何が、艦娘じゃない、よ」

 

いや、まあ、そうなんですけどね。

 

艦隊は白露を先頭に叢雲、俺、と縦一列に並んでいる。叢雲の後ろについていくだけなので、だいぶ簡単に進める。すると、叢雲が少しづつ近づいていた。白露との距離は変わっていないため、叢雲が速度を下げたようだ。

 

「白露2号。アンタ、1号のことを嫌っているわよね?少なくともここにいる仲間なんだから、仲はいいほうが良いわよ。ま、好きにしてくれていいけど」

 

うーん。いや、そもそもここにい続けるつもりないし。それに嫌いなわけじゃない、ただ怖いだけである。まあ、怖いものを除こうとする行動を嫌いととればそうなのだが。

 

なんというか、口調といい考え方といい中学生の女子感がパない。背伸びしてる感が、田舎の中学校から都会の高校に私行くから、っていうのを彷彿とさせる。

 

思い出すといえば、叢雲の練度ってどのくらいなのだろうか。白露は高いはずと言っていたのでネ級とか倒せるのだろうか。えっこわ。

 

「練度って今どれくらいなんだ?」

 

「今の話でどうしてそっちに行くのよ、まったく。今は22ぐらいだわ。悪かったわね、期待に答えられなくてっ」

 

吐き捨てるようにそう言う。白露と7しか差がないらしい。弱い――無論、俺より強いが――確かに期待していたほどではなかった。

 

叢雲は怒ったようして速度を上げて前に行く。直後、白露が大声で叫ぶ。

 

「一番先に、敵艦発見!」

 

そこからは叢雲と白露で駆逐ロ級を各個撃破し、ほぼ無傷である。戦闘に参加できない俺はただ見ていただけである。なかなか、試合とか見ている感じで楽しかった。

 

白露は基本的に砲撃と雷撃を混同して使っているのに対し、叢雲は雷撃だけである。RPGでパーティーを組んだ際には何でも使えるタイプのやつと、魔法とか弓が得意なやつといった感じだ。その場合、俺は周りのモブといったところか。


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