補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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視点は白露になります。


どす黒い大海

提督は逃げてくれたようです。普通なら、提督たるもの逃げるなどもってのほか、となるのですが、艤装を提督が使っている自体が異常なのでその論は通用しません。

 

そもそも、お国を護るのがあたしたちの任務です。大変な数の艦娘を所有していれば話は別ですが、護ることを重要視するあたしたちにとっては少数――たった2隻であれば士気に関わることはほとんどありません。

 

「なんで逃げんのよ!だらしないわ!」

 

まあ、叢雲ちゃんは少し怒っていますが、戦闘に支障はないです。それにどちらかというと、旗艦であるあたしに合わせて行動しています。

 

しかし、全く演習も練習もしたことのない艦娘と連携をとるなんてできるはずがないので、練度差であたしが駆逐イ級2隻で、叢雲ちゃんが敵旗艦の軽巡ホ級を相手してくれます。

 

駆逐イ級が2隻。あたしにとっては倒すのが難しい敵です。1隻であれば難なく撃沈できるのですが、2隻ともなってくると正直もう1隻の艦娘が欲しいところです。

 

「ってー!」

 

無い物ねだりをしても仕方ないので、砲雷撃戦を開始します。まず、敵艦のうち1隻を攻撃しづらい状況にし、その間にもう1隻を相手します。

 

けれども、思ったようには敵艦隊の陣形は解かれず、効果は少しちょっかいを出した程度です。こちらは連携できなくても、相手もそうだとは限らないです。

 

「…作戦Bにするわよ」

 

仕方ないので事前に用意してあった次善策―――作戦Bに移行します。この言い方は叢雲ちゃんが慣れているのだとか。

 

次善策と言っても、基礎中の基礎である艦隊の行動です。2隻では陣形という陣形は組めないですけど、簡単な形で一緒に行動します。

 

これだけだと先に述べたように欠点だらけです。しかし、旗艦だけを沈める場合には集中攻撃ができるので一番いいんです。

 

深海棲艦は人型に近づくにつれて知性を手に入れます。逆に言えば、こういう駆逐イ級では知性が乏しく、旗艦がいなくなればとても大人しくなります。

 

そうと決まれば魚雷を放ち、主砲を鳴らしホ級にダメージを与えます。今は反航戦です。敵艦3隻も砲撃しました。進む方向を変え、砲撃を躱します。

 

「っ…」

 

だけれども、叢雲ちゃんに砲撃があたってしまいました。心配して振り返ると、後ろを見るなと手を払ってきます。見たところ小破ぐらいなので大丈夫かな?

 

よく見ると駆逐イ級があたしの雷撃を浴びて大破になっています。同航戦の状態になり、次発装填済みの主砲を撃ちます。敵艦も駆逐イ級のうちダメージを受けてない方が同じタイミングで撃っています。

 

あたしたちは難なく避け、攻撃は上手くいき、ホ級には大してダメージが見られないけどイ級は中破になり良好です。

 

「寒いし、痛いし、恥ずかしいし…んもぉー、今に見てなさいよぉーっ!」

 

でも、油断大敵。ホ級の弾丸があたしに当たってしまいました。左足の太ももが抉られ、左側のお腹も爆発で火傷とクレーターのような穴ができます。中破といったところです。

 

「一旦離脱するわよッ…!」

 

そういって右腕を引っ張り魚雷を撒きながら離脱を図ります。敵艦からの追撃はなく、あっさりと逃れました。日も傾き、そろそろ夜戦が始まります。




書き忘れてましたがグロ注意です。
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