―――ババババババッ―――
そんな感じの音だった。この鎮守府の航空戦力は海軍内でも群を抜いている。
空母らの艦載機が群がり、グループに分かれて攻撃している。空を埋め尽くさんばかりの数で、向こうの空は青いのか分からない。とても迫力がある。
「今は二航戦の方々とIntrepidさんが五航戦の方々と演習していますね。どうやら、η提督がIntrepidさんの戦力化を図りたいみたいなんです」
直に見るのは初めてな光景を目に焼き付けようと、瞬きも忘れる。
見た目ではやはり、3隻いるほうが押しているように見える。ただ、練度差でIntrepidの艦載機は続々と落とされている。それを二航戦がカバーしているようだ。
一通り終わり艦娘が港に上がってくる。空母といえばそれはもう、高嶺の花といった感じで、戦艦と同じくあまり見たことがないし、間近で見るのに関しては初めてである。
「大淀、ちょっとこっち来て」
瑞鶴が大淀を呼ぶ。大淀はこちらをちらっと見てから、瑞鶴らの方に行く。
そしたらなぜか、大淀の周りに円になるように彼女らは集まり、ちょこちょことこちらを見る。
これについてはおそらく昔の風習のせいだろう。
昔と言ってもつい最近なのだが、特例提督が始まる前、艦娘は基本的に彼女の提督となる存在としか話さなかった。
提督は基本的に将官以上で、たまに七光的に大佐の駆逐艦隊があった。本当に極一部だが、中佐でも提督になっておる例があるのだとか。
つまり、そういうことで、艦娘は将官としか話したことが無いため、少尉がいることは歪なのである。
そして、もう一つ重要なのが、量産が可能という事実だ。
艦娘はその特性により価値が下がり続けることがあった。その結果、生まれたのが妖精の事件だったり、艦娘の兵器化だったりする。後者は未だに回復していないが、度重なる不当な扱いにより始まったのが、艦娘の独占である。
艦娘にとっては独占は少なからずいい方に動いた。
まず、将官に限定することにより、それ未満の奴が関われなくなり、艦娘もそいつらを無視することが許された。
また、艦娘の不当な扱いも相対的に減り、例え提督の頼みであっても断りやすくなる。
小さな艦娘社会が作られることにより、提督一人に集中しやすい、などの利点があった。
ただ、艦娘の役割とも言える戦闘がしづらくなったのが難点であった。
提督一人に負担が行くため、秘書艦やケッコンカッコカリなどができるようになったが、あまり改善されたとは言えない。
一人でも多くの艦娘を戦わせないといけないこの時代。そこで現れるのが特例提督である。
そして話は戻る。
彼女らは最近追加された制度を知らず、そのため僕がここにいることや大淀が近くにいることが不思議でならなかったのだろう。
「ええと、紹介します。こちらが、一ヶ月ここでテイトクカッコカリとなるα少尉です。…α少尉さん、右から順に瑞鶴、翔鶴、蒼龍、飛龍、Intrepid、です」
呼ばれた順にそれぞれ挨拶をしていく。
瑞鶴は首を下げる。翔鶴は丁寧に腰から折れる。蒼飛龍は手を振る。Intrepidは蒼飛龍に習い手を振っている。
うむうむ、なんかアイドルにでもなった気分だ。すごい珍しいみたいな目線を感じる。