えっ怖。「あたしの提督」って、完全に所持物と化している。つまり殺るときは殺るということだろうか。やはり「化け物」だったのか。
流石に昼飯を手伝おうとしたり、敬称で呼んでいたりするから、怪物的なパワーは持ち合わせても、性格は優しかったりするかもしれない。と思っていたが、ついに本性をあらわしやがった。
「じゃ、じゃあ提督ってのは艦娘にとってどういう存在なんだ?」
「えっとね、う〜んお父さんだったりぃ、あと恋人ってヒトもいた。後は上司だったり、友達だったり。まあ色々あるけど、やっぱり提督は提督だよ」
そう言いつつ白露は立ち上がる。
「妖精さんが集めてきてくれたから、妖精さんと昼餉を作ってくるよ。ゆっくりしててっ」
ブルーシートの下から小走りで焚き火の方に向かう。その先ではノロノロと準備が始められており、白露に気づいたのか宙に浮いていた葉や石が白露の周りに集まる。
そうして、白露は指示を出し始め、手を合わせると一斉に動き出した。なんとも珍妙な光景だが疲れているわけでなく、妖精ってのが本当にたくさんいる。
「あれじゃあ、手伝うこともできないか」
言いつつ下に敷いてあるブルーシートに寝転ぶ。簡素だが上と下にブルーシートがあるため、砂の上よりかは寝やすい。
なんともなく上を見つめていると、むき出しになっている足首に何かが登ってきた。蟻や蜘蛛より重いので、少し恐恐としながら見てみると、何も無かった。
ほっとし、足に手を伸ばすと、その手に何かが乗ってきた。
「ああ、妖精か」
そう言うと妖精は手の上で何かをする。少しくすぐったいが、2本の足で立っているイメージから3本になった。
「妖精の声が聞こえたらなぁ」
手の上で何かをやっているが、だんだん何かを反復しているのが分かった。
「妖精、最初からやってくれ」
そう言うと全く動かない2本と動き回る1本があることが分かった。止まったところでもう1度お願いする。
「…日に正しい?どうゆうことだ?」
日に正しい。文章にしてみてもよくわからない。日正って一体何だ。日、正…
「是か!えっと書き始めたのはあんときだから…」
俺が前に言ったセリフを思い出していると、妖精か、と言っていたことを思い出した。
「はは、かわいいやつだな」
とても癒やされる。とはいえコミュニケーションがこれだけ伝わり難かったら、話もまともに通じないので、頭に妖精を寝かせ適当なサイズの枝を探す。
「これでいいか」
見つけた枝を妖精に渡して、砂の上に置く。すると砂の上に枝が走り、ありがとうの文字が浮かぶ。