補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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食事処で色々

 加賀の説明も終わり、美味しい煎茶も飲み、ゆったりとした時間が流れる。

 新しい畳の匂いと共に、用意されていた醤油煎餅を頬張る。僕はザラメ煎餅が好きだ。しかし、文句は言えないので醤油煎餅を食べます。

 

 加賀が出ていって数分経つと廊下が騒がしくなっていることに気づいた。

 昼食が終わったのか。そう思うと、僕が昼飯を食べてないことを思い出した。

 そして、気づけば来る空腹感。食堂「間宮」はまだ営業しているだろうか。

 

 そう思って残りのひと切れの煎餅を放り込み、食堂「間宮」に向かう。が、その行く手は阻まれてしまった。

 ドアの前に艦娘がたくさん構えていたのだ。主に駆逐艦が多い。

 

 と、思っていたら、わっと逃げ出してしまった。まっくろくろすけかな?目ん玉はほじくらないから怖くないはずなのに…。

 

「どうしたんだい?」

 

 しゃがんで目線を低くして、笑いながら話しかける。最前列にいたのは睦月と如月で、少し怯えていたのが、分かりやすく顔が晴れていく。

 

「あ、あなたが噂のテイトクカッコカリさん、なの?」

 

 やはり少し固い感じがする。

 出来るだけ爽やかに人当たりよく、害意がないことを伝える。

 

「そうだよ。α少尉って呼んでね」

 

 子どもに話しかけるように優しく言う。年代で言えば駆逐艦の中で二番目に旧い型なのではあるが、見た目も中身も子どものようである。

 そして、その純粋さ故に一人でも優しくすれば、広がるように僕への不安は取り払われる。

 ううむ、こう考えると悪いことをしている気がする。とりあえず、第一印象が良いものになったと喜んでおく。

 

 そして、一気に僕への興味が爆発する。

 何故いるのか、何をしに来たのか、今は何をしようとしているのか、かわいいね、てやんでぇ、などなど。

 その騒ぎの中、後ろにいた鳳翔が話しかけてきた。

 

「α少尉さん、鳳翔と申します。お昼がまだなのですよね?でしたら、居酒屋「鳳翔」にお越しになりませんか?」

 

 これはお言葉に甘えるとしよう。流石にこの駆逐艦の数は対応できない。

 逃げるように鳳翔の営む居酒屋に行き、準備中の看板がかけてあるドアを開き、中に入る。準備中のため、誰も中にはいない。

 

 未成年なので飲酒はできず、何でもできる鳳翔にメニューにない食事を作ってもらった。

 財布を出そうとしたが、そもそも経費は軍費から出ているので、必要なかった。

 

「…先の加賀ちゃんの件、改めて謝らせていただけないでしょうか」

 

「いえいえ、そんな、どちらも美味しかったですし、加賀の人となりも分かりましたし、大丈夫ですよ」

 

「そう言ってもらえると助かります。ただ、加賀ちゃんは勘違いされやすいので、どうも心配なんです」

 

 鳳翔はとても加賀のことを気にしているということが伝わってくる。

 そして、鳳翔はそれだけを言って料理の準備に取り掛かる。僕もせっかく出された料理を冷ましてしまうわけにはいかないので、冷めないうちに食べることにする。

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