補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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ようせいさん

「ご飯だよー」

 

妖精と話ができるようになって、砂に妖精の等身大の絵を描いてもらっていると、白露の声が聞こえた。見てみると山の幸というより海の幸が多いことに気づく。

 

「森に行ったんじゃないのか?」

 

妖精に質問すると、枝で字を書き始める。え〜と崖、貝に多。なるほどあそこに貝がたくさんあったのか。納得して熱々の貝を頬張る。

 

「あっていとくぅ〜ダメだよぅ、ちゃんといただきますしないと。ねっ妖精さん。いただきまぁす」

 

口の中で火傷しそうになっている俺を片目に、妖精達といただきますをしている。途端、食事が次々と消えていく光景に驚く。なるほど、妙に多いと思ったら妖精も食べるのか。

 

「そうだ、提督。これ終わったら、長距離練習航海行ってくるから、遠征許可ちょうだい」

 

ちょうき…なんだって?遠征ってどっか行くのか?

 

「そのちょうき…「長距離練習航海」…そうそれってなんだ?」

 

「えっとね、この島の周辺をちょっと見てくるのと、弾薬と鋼材を妖精さんと取ってくるんだよ」

 

すごい、1個分からないものがあったら2個に増えた。というか弾薬って、さっきの寝床作っている時に出てきた変な銃に使うのか?

 

逃げられないようにしてから殺るということか。や、やめろぉこっちには妖精がいるんだぞっ。

 

「提督も一緒に行く?」

 

えっどゆこと。なんで俺も行くことになった?そういえば周りを見るって言ってたけど、砂浜走ってもらったよな。

 

「さっき走ってたと思うんだが?」

 

「あー、違う違う。海を征くんだよ。艤装をつけてね」

 

「艤装ってのは?」

 

「これのこと」

 

そう言って先程背負っていたものを出す。見た目的には不相応の重厚感。異様な感覚を持っている。

 

ごちそうさまと言って、海の方に歩き出し不思議なくらい安定して浮いている。海の上って浮くこと、できたっけ?

 

白露がいなくなると急に疲れが襲ってくる。どうやら無意識に緊張していたらしい。お腹も満足とはいかないが無人島にしては豪華な料理を食べたため、眠気がひどく瞼が閉じる。

 

(あいつ、許可せずに行きやがったな…)

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――――――

 

『あといっぷん』『あともうすこし』『ちきゅうのはめつ』

 

騒々しい声が聞こえる。水中から浮き上がる様にして、眠りから覚める感覚になる。目を開けると真上を少し通り過ぎている太陽がある。

 

白露とは明らかに違う声で、もしかして通りかかった船かも、と思い起き上がる。

 

『ガバってなった』『バシュッだよ』『ヒャッハー』

 

しかし周りには誰も見当たらず、声だけが聞こえる。

 

「誰だ、喋ってんのは誰だ」

 

そう言うと十数人も喋っていたような声は、全て止まり静寂が流れる。何が起きているのか把握できないでいると、砂の上の手に登るいつもの感覚があった。

 

「あ、妖精。なんか声が聞こえなかったか?」

 

そう言うと宙に浮いていた枝は落下する。大丈夫か、と声をかけようとしたが、妖精のいる感覚だけが残っていることに気づく。

 

『もしかして聞こえてるの?』

 

 

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