補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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過激な消去派

 何だあの態度は!と思ったが、実際に助けるのは川内なので俺には関係のないことだった。

 川内はニコニコして対応している。作り笑い怖い。

 

 そして、俺はあの男性に、艦娘が御国から賜った服を身に纏うとは何事だ!と言われ、よく分からないうちに黒シャツ一枚になってしまった。もちろん、パンツは履いている。

 

 結果的に、川内はあの太った男性を乗せ、俺は元々あの男の乗っていた艦娘に乗ることになった。

 

「ごめんなさい白露さん、血だらけで…」

 

「いや、別に…」

 

 どちらかというと、この怪我の多さなのに背負わせてしまって申し訳ない。それに、このシャツは黒なので、まあ、大丈夫だろう。

 

 そして、恒例の白露呼びだが、どうせこの後も間違えられるので、一度で伝わるときに話そう。

 

「白露さんは見たところ艤装を付けてないけど機関部が故障したの?」

 

「いや、今は貸しているから、手持ちになくてな」

 

「ふぅん。…え?」

 

 ん?なにか変だっただろうか。もしかすると男口調なことに引っかかったのかもしれない。

 

「おい、お前ら、口より足を動かせ。さあ、艦娘。お前の提督のもとに連れていけ」

 

 川内が俺の方を見る。川内の言いたいことは分かる。確かに、川内の提督は目の前にいる。

 

 とはいえ、ここにいますよ、とも言えない雰囲気なので島に連れて行ったほうが良いだろう。

 

 俺が首を横に振ると、川内はおそらく小島の方へと動き出した。それに続くように他の艦娘らも動き出し、きっと周りからはノロノロと夕焼けの中で蠢く何かに見えると思う。

 

 あの男が号令をかけた時から他の艦娘らが全く喋らなくなったので、俺は魚が腐らないかを心配していた。次からは水槽でも持ってこよう。

 

「すみません提督。提督のお名前と階級、そして何処でこのようになったのか、ご説明をお願いします」

 

 川内が俺のことを読んだのかと思ったが、そうではなく、あの男性に言っているようだ。

 

「何故、艦娘のお前に言わなければならん」

 

「いえ、私共の提督にご報告し、身元確認と早急に安全な場所への護送、及び深海棲艦への対策を立てなければなりません故」

 

 川内がどこか忍者っぽく感じる。特に〜〜故。で区切るところとか、時代劇のようだ。

 

「……その通りだな。うちの艦娘もこのくらい気がきけばいいのだがなぁ」

 

 そう言ってこちらの方を嘗めるようにして見てくる。そうすると川内以外の艦娘が一様にビクッとなる。

 

 まあ、男の俺でもだいぶキモイ視線だと思ったので、女性なら尚更だろう。

 

「私はβ大佐である。元々北の方が任地だったのだが、今度の戦いでこちらに一時的に駆り出されたのだ」

 

 β大佐か…大佐というと相当高い階級だったはずだ。随分と大物が来たなぁ。

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