この白露は俺が死んだとき助けてくれた「軍事機密」であるため、死んでいるが助けようと思ってくれたことには感謝している。
ではなぜ、「化け物」と呼ぶかというと、もちろん怪物的なパワーを持っていた怖かったり、海の上を走ることができたりなどもあるが、それ以上に見た目が同じだからである。
見た目が同じというと語弊があるかもしれない。つまり複製体なのである。しかし、俺は艦娘でもなければ妖精が見えるわけでもなく、総じて言えば劣化品である。
そもそも艦娘というよくわからない存在を誰が好きになれようか。もしいるのなら、そいつは人間の世界では変人でまともな人間関係を築けていないだろう。
『あっ、火が消えてきたよー』
「ああ、ホントだな」
日も落ちてきてだんだんと空が赤くなっていく。小腹が空かないわけではないが、食料は限りがあるし一日2食食べれば良いだろう。
「えっ妖精さんの声、聞こえてるの?」
「結構たくさんいるよな」
そう言いつつ立ち上がり、予備用の枝を火の中に投入する。石が周りにおいてあるため、高さを積めば干物もできる完璧な焚き火である。
「さて、また料理を頼もうかな。材料調達はやっとく」
そう言って倉庫を作っている場所へ向かう。
「あっ、あたしの分は必要ないからね」
白露がそういうのであればそうしよう。打算的であるが食べる量が減るのはウェルカムである。
――――――――――――
―――――――――
――――――
白露が食べなかったため、少し気まずげな夕餉が終わり就寝の時間となる。今までそれなりに街灯がある場所で暮らしていたため気付かなかったが、夕暮れをすぎるとすぐに暗くなる。
それこそ、人の手足がわからない程暗くなるため、月の出ていない今日はより暗いのかもしれない。そんな中妖精たちは活発で、
『さいごのおおしごと』『あさまでにおわらせる』『おれのなをいってみろ』
こんな暗闇でも見えているのか。
白露は提督と同じところで寝れない、などと言っていたため、わざわざ縦におろしたブルーシートで寝床を区切る必要があった。
死んでから今日まで何日船に乗っていたかは分からないが、三食食べた回数だと大体4日から5日ぐらいかけて乗っていたはず。そう考えると長くて10日間ほど我慢すれば船が来るはずである。
そう考え、寝づらいブルーシートの上で無理矢理目を瞑った。
―――――――――
朝になり、白露より先に目が覚めた俺はいつもの手ではなく、女子の手をしていることに違和感を覚えたが、脳に血が行くにつれて納得する。
「そっかぁ、これが普通になんのか」
1日で完成した少し小さめの建物を片目に嘆息する。