焚き火に使える枝もなくなったが、火はまだ燃えている。だが、何れ消えてしまうだろう。
そんな中、俺は一つ思い出したことがあった。
「そういえば妖精、建造ってできないのか?出来れば艤装は欲しいんだが」
そう、前に艤装のみを作っていたことを思い出した。俺の体は白露と形は同じなので艤装を付けることができた。ならば、もう一度同じように作れば艤装ができ、そして、俺の行動範囲が増えることになる。
『建造はできない。建造ドッグがない』
「でも、前は作ってたよな。同じようにすればいいんじゃないか?」
建造ドッグはおそらくあの夢で見た大きな建物を指すのだろう。しかし、あれが無くても作れるため、あれは絶対に必要なわけではないだろう。
『いや、前回のものは特殊でね』
「と、いうと?」
川内は興味津々といった様子で青妖精に説明を促す。正直、俺も少し興味がある。実際、俺にも関わることなので、興味無くても聞きたい。
『初期艦は知っているね。あ、そうそう、書記のことじゃなくて、初めの艦という意味』
えっそうなん?知らんかったわ。ありがとーな。やべえ、驚きすぎて京都弁を喋ってしまった。声には出てない。
つまり、書記官ではなく初期艦ということか。理解。いやぁ、間違えて使う前に知っといて良かった。どうやら、青妖精には知られたみたいだが。
『そう、それで、新米の提督には初期艦という艦娘が渡されることになっている。正確には、現れる、だけどね』
初期艦って艦娘の名前なのかよ。何か、一番初めである、と分かりやすい名前だ。というか、昔はその艦を使って戦ってたんだよな。そうすると名前から察するに、初期艦って練習とかに使われてそうなイメージだ。
『ちなみに今は、吹雪、叢雲、漣、電、五月雨、で統一されている。この内の一人を選んで自分の初期艦とする』
その5人の名前はどっかで…α中尉か!でも、一人を選ぶらしい。…どういうことだ。
『でも、一年前まではその制度もなく、誰が初期艦となるかは選べなかった。基本的には階級に応じて、それなりの艦娘が現れた。まあ、そのせいで道具だとか言う風潮になったのは、置いておこう。…で、つまり、提督一人につき、一人の艦娘が現れるんだよ』
なるほど。よく分からん。まあでも、一人増えることは分かった。ということは、俺にとっての初期艦は白露になるのか…?いや、でも、あれはθ中将のものだったし。となると、川内か。
『そして、これが、今の話に結びつく。結論から言ってしまえば、一人の艦娘は提督になる』
は?え、は?
いや、確かに体はそうだが、艦娘ではない。現にα中尉も憑依だと言っていたはずだ。信憑性で言えば俄然青妖精なのだが、α中尉があっているというのは希望的観測だろうか。
『分かりやすく言うと、艤装ってのが初期艦。ええと、私達妖精がまだ決まっていない初期艦を作り出した。つまり、建造ドッグも資材も必要としない初期艦を逆手に取って、建造ドッグも資材も必要としないで艤装を作り出した。で伝わるかな』
「ん?ま、まあ、うん。つまるところ、出来ないってことか?」
『そうだよ』