……ん?あれ?何か予想していたものと違う。本業…?
俺は頭にハテナマークを浮かべているが、叢雲は何が分からないのか分からない様子。
「えっと、また大破してここに来たんじゃないのか?」
「んな、大破するわけないじゃない!馬鹿じゃないの?!」
ええー…。艦娘って戦闘ごとに大破しているから、そういうものだと思っていた。
「もう少し詳しく言うわね。まず、川内さんにも説明したけど、ここから少し離れたところで大規模な攻略が開始されているわ。アナタも知ってるβ大佐もその攻略の一部隊なの。そんで、要は戦力が足りないから、猫の手も借りたいってこと。だから、私のα提督がアナタも参戦して欲しいそうよ。分かった?」
ほうほう。寝起きの頭って本当に回らないよね。つまり、ちょっとよく分からないです。
うーんと、俺の要望は聞かないけど、手前の要望は聞け、と言うことだろうか。自己中かよ。正直なところ関わりたくない。
「いくら足りなくても、俺のところはおかしいだろ。今は川内しかいないぞ。練度だって1のはずだし、戦力としては無いと言っても過言ではないと思うのだが」
「そこらへんはよく分からないわ。私のα提督は、基本的に何考えてるか分かったものじゃないし」
マジか。子どものおつかいでも金は支払うぞ。この場合、子どもは叢雲、買い物が俺、金は対価に値する。
まあ、分からないとなると俺にとっては、行く必要はなくなったも同然。あとは川内が――
「ええー、行こうよー。夜戦したーい」
――戦いたいと言わな…え?マジで言ってんの?
行きたいと言うなら行かせたいと思うが、どうしたものか。俺は川内に轟沈されると、青妖精に何されるかわからないためあまり大きな賭けはしたくない。せめて、大規模がどのくらいかを分かれば、止めやすい。
『少なくとも、ネ級を超える深海棲艦がワンサカいる』
おいおい。無理じゃん。そんなん勝てるわけがない。これは止めたほうが良いだろう。死んでしまえば元も子もないからな。
「あっそうそう、深海棲艦の進行方向はこっちだから、負けたらどうなるかしら、ね」
「よし、行ってこい。今すぐ行ってこい」
単騎で挑むよりかは、その一騎を軍隊に加えたほうが余程いいだろう。それにここだけに要請が来ているとは考えにくい。
「じゃあ、この通信機で指示出し、主に進軍と撤退を指示してね。夜戦の時とか夜戦しか考えてないからさぁ」
川内がニマニマした顔をしている。どれだけ楽しみにしているのだろうか。
さて、まあおそらく、青妖精からのツッコミが来てないのを慮るに、艦娘の扱いとしてはこれが正しいのだろう。
こちらには青妖精もいるし、川内が沈むことはないだろう。それに、川内の主張する夜戦の良さにも目を向けたい。