「んで、川内はいつ帰ってくるんだ?」
『おそらく、低練度の軽巡ということを考えると、遅くても明日中には帰ってくるよ」
なるほど、そうでなければ沈んだということか。一つの指標ができたのはいいことだ。
俺は艦隊運用どころか艦娘一人一人の運用すら知らないため、運用側が何を求めどう使うのかは全く持って分からない。そのため、有識者の情報はありがたい限りだ。
「じゃあ、その間暇だな。白露も明日ぐらいに帰ってくるらしいし」
『まあ、私達は言うほど暇じゃないけどね…』
「ん?何かしてるのか?」
『いや、別に大したことないよ。…そ、そう、かくれんぼをしているだけさ』
ふうん?そうなのか。まぁ、妖精達は基本的に自由であるし、この島にも着て長いらしいので、心配する必要もないのだろう。とはいえ、俺が現状手持無沙汰なことに変わりはないので、何かやることがないのか青妖精に聞いてみることにする。
「なぁ、俺が何かできることはないのか?」
『特にないかな。休んでていいよ』
俺は川内がいなければ家の建築すらままならないし、白露がいなければ日本に帰ることもできない。だから俺は誰かに頼らなければ自分のやりたいことすらできない。
俺としてはこういう状況は避けたかった。この状況だと、俺は完全に足手まといで、お荷物で、邪魔な存在である。この自然環境下で、生きるためにいらないもの、役に立たない弱者は生きるためという名分で殺されても文句は言えない。
ただ、俺もうすうす勘づいたことがある。もしかすると、艦娘というものは提督というものを殺せない――もっと言えば守らなければならないのではないかということ。
これは仮説にもなりえないほど理由のないものである。だが、あれだけの怪我をしてまで、主観的だが、白露は俺をホ級から守っている。川内もいやいやながら魚を釣ることを手伝っている。これはもはや、父親だとか兄だとかいう曖昧なものではなく、生まれてきた使命のようなものではないか、と俺は思う。
しかし、こんな確実性のないものに頼るほどまだ切羽詰待っていない。この殺される殺されないという課題の解決方法はいくらでもある。そのなかで、一番効果的なものをやっていこう。
その考えのもと言ったのが先の言葉である。できること、つまり役割が欲しい。それこそ艦娘がある程度依存しているものが好ましい。
「そうだ、開発っていうのを白露がしていたが、俺にはできないのか?」
『う~ん、あれは…いや、でもな…そうか!いや…うん、できなくはないと思うし、できたら面白いから同行しよう』