というか、プライバシー云々の前にもっと気になるものがあるだろう。
「そういえば、結構流暢だよな」
そう、青妖精程ではないにせよ、普通の妖精よりも流暢である。例えるならば、日本に来て一ヶ月の外国人と、一年の外国人ぐらい違う。ちなみに青妖精は十年。
『それはけっこーふる…れでぃにこんなこといわせるなんて……ていとくひどいです』
それ、俺に非はないよね。というか、妖精は女性の判定なんだ。知らなかった。
と、そんなことよりも、結構古いってどういうことだろうか。この妖精が現れたのはこの12cmたんそー砲が開発されてからである。ただ、資源から妖精が作れる、とは考えたくないというか想像がつかない。まあ、資源をごちゃごちゃして形になる時点で想像もつかないのだが。
『わあぁー、ていとくってそんなこともしらないのー?』
ちくしょう。こっちの身にもなれ。というのはエゴだろう。相手は初対面であるし、こちらの情報などない。加えていちいち自分だけ理解して欲しくて、相手は理解していないというのは愚かだ。
故に、相手を理解しない俺は、自分を理解されてないと仮定した状態で話すのが筋である。っていうかこの考えも伝わっているのか。取繕おうとした俺が馬鹿みたいではないか。
「ああ、悪いな。教えてほしい」
けれども、余裕を持って敗北を認められるのが大人の嗜み。表面上だけでも良くするべきである。
『そんなっ。調教してほしいなんて、困っちゃうよー///』
この妖精、若干変な妖精、いやだいぶやばい妖精である。俺はこの妖精に年増妖精と名付けたいと思います。異論のある方ー?
『はーい、さすがにひどいとおもいまーす』
……無いようですね。では、年増妖精で決定致します。皆さん拍手。パチパチパチパチ。
脳内で子どもの為のプレゼンを一通り終え、この妖精を年増妖精とすることになった。ちなみに特別に子どもが好きであるというわけではない。
『ろ、ろりこん。ということはきょよーはんいない?』
「違います」
直ぐに否定した。今どきそれを認めれば簡単に解雇への一途を辿ることができる。いや、ある意味、解雇された方がいいのか。
そういえば、まだ男子高校生だった頃、割と老け顔というか疲れていたせいで、迷子を連れていてその子が泣いたときに、偶然その子の母に見つかってしまい、その母親が騒ぐものだから、正義漢に羽交い締めにされたことがあった。今なら逆にセクハラで訴えてやる。
『ていとくさいてー』
それな。わざわざ助けようとする必要ないよな。分かる。
『捻くれてるねぇ』
どこからか、そんな声が聞こえた。おそらく、この流暢さは青妖精だろう。妖精は音質が変わらないから分かりづらい。
『ご明答。そろそろ夕方だよ』
今年もこの物語をよろしくお願いします。