補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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明けましておめでとうございます。


八日目の夕方

 というか、プライバシー云々の前にもっと気になるものがあるだろう。

 

「そういえば、結構流暢だよな」

 

 そう、青妖精程ではないにせよ、普通の妖精よりも流暢である。例えるならば、日本に来て一ヶ月の外国人と、一年の外国人ぐらい違う。ちなみに青妖精は十年。

 

『それはけっこーふる…れでぃにこんなこといわせるなんて……ていとくひどいです』

 

 それ、俺に非はないよね。というか、妖精は女性の判定なんだ。知らなかった。

 と、そんなことよりも、結構古いってどういうことだろうか。この妖精が現れたのはこの12cmたんそー砲が開発されてからである。ただ、資源から妖精が作れる、とは考えたくないというか想像がつかない。まあ、資源をごちゃごちゃして形になる時点で想像もつかないのだが。

 

『わあぁー、ていとくってそんなこともしらないのー?』

 

 ちくしょう。こっちの身にもなれ。というのはエゴだろう。相手は初対面であるし、こちらの情報などない。加えていちいち自分だけ理解して欲しくて、相手は理解していないというのは愚かだ。

 故に、相手を理解しない俺は、自分を理解されてないと仮定した状態で話すのが筋である。っていうかこの考えも伝わっているのか。取繕おうとした俺が馬鹿みたいではないか。

 

「ああ、悪いな。教えてほしい」

 

 けれども、余裕を持って敗北を認められるのが大人の嗜み。表面上だけでも良くするべきである。

 

『そんなっ。調教してほしいなんて、困っちゃうよー///』

 

 この妖精、若干変な妖精、いやだいぶやばい妖精である。俺はこの妖精に年増妖精と名付けたいと思います。異論のある方ー?

 

『はーい、さすがにひどいとおもいまーす』

 

……無いようですね。では、年増妖精で決定致します。皆さん拍手。パチパチパチパチ。

 

 脳内で子どもの為のプレゼンを一通り終え、この妖精を年増妖精とすることになった。ちなみに特別に子どもが好きであるというわけではない。

 

『ろ、ろりこん。ということはきょよーはんいない?』

 

「違います」

 

 直ぐに否定した。今どきそれを認めれば簡単に解雇への一途を辿ることができる。いや、ある意味、解雇された方がいいのか。

 そういえば、まだ男子高校生だった頃、割と老け顔というか疲れていたせいで、迷子を連れていてその子が泣いたときに、偶然その子の母に見つかってしまい、その母親が騒ぐものだから、正義漢に羽交い締めにされたことがあった。今なら逆にセクハラで訴えてやる。

 

『ていとくさいてー』

 

 それな。わざわざ助けようとする必要ないよな。分かる。

 

『捻くれてるねぇ』

 

 どこからか、そんな声が聞こえた。おそらく、この流暢さは青妖精だろう。妖精は音質が変わらないから分かりづらい。

 

『ご明答。そろそろ夕方だよ』




今年もこの物語をよろしくお願いします。
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