補給途絶鎮守府   作:フユガスキ

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妖精の志す物

 あのボランティアで集まってくれた妖精らはどこかへ行き、ここには青妖精と年増妖精と俺がいることになる。

 だが、何故か空気が非常に重い。な、何故急に…!

 

 そして、この空気を作り出している張本人は青妖精である。表情が変わらないため何なのかよく分からないが、何となくもじもじ、いやはらはらしている。

 これには年増妖精もびっくりのようで、アッラー、あらあら、あんらー、とか言っている。どうして神の名を呼んだ…?

 

『つまり、提督はどう思う?』

 

「え、あ、何か喋ってた?」

 

『ちゃんと聞いておくれ…』

 

 はい、スイマセン。以後、最大限の努力をする所存でございました。つまり、しないということ。だって、喋ってなかったよね。

 

『端的に述べよう。提督は艦娘をどのような、いや、人と比べてどうだと言える?』

 

「ええと、同じぐらいだと思うが」

 

 馬力だとか生まれ方だとかは違う、という言葉を飲み込む。俺が答えたい内容は、人権とかそういう話で、そういう意味では同じぐらいだと思っている。

 

『いや、そういう事じゃなくてね…というか、相手の言葉を汲み取ろうとしないのは、提督の悪い癖だ』

 

 勝手に決めつけるな、と教わってきたもので。

 まあ実際決めつけるというものは、ある程度相手の行動を制限するものであり、あまり良いものではない。

 もちろん、やろうと思えばできる。前に出来てないとか言われた事があるが、出来る。…出来る。

 

『4分の1ぐらいは当たってるんだけどね。もっと視覚化できる物で比べて欲しい』

 

 それは先程飲み込んだ、馬力とか生まれ方の話だろうか。思い当たる節がそれしかないので、とりあえずそれを言ってみよう。

 

「単純に言えば馬力じゃないか?普通の人よりか力があるし、むしろスポーツマンでも勝てないんじゃないか?」

 

『そうだね。じゃあ提督は艦娘が人間より優れていると思うかい?』

 

 むむっ、これはだいぶ難題をふっかけてきたな。

 もちろん、身体的能力を見れば愕然とした差があり、圧倒的に負けている。

 では頭ではどうかというと、おそらくそこは同じレベルであると言える。

 あとはフィジカルだろうか。これが難しい。精神というのは比較が難しく、分けて考えることができない。故にここは評価項目に含まれない。

 

 最後に人間として欠かせないのは人間――他の人間の存在だろう。つまり社交性。俺は人間なので人間を贔屓目に見よう。へっへっへ。

 生憎、俺の社交性は低いが、それでも人間は割とそれなりに世界と繋がっている。よって高いと言えよう。

 それに対し艦娘は、世界中の海で戦っているらしい。う〜ん、甲乙つけがたい。

 

 従って、これらのことにより艦娘のが総合的に優れている。

 そのように結論を出すと青妖精は声を発した。因みに口は動いてない。

 

『そう……提督ならそういうと思ったよ。私もだいたい同意見だ』

 

 よ、良かった。また何か青妖精に言われるのかと思った。勝つかヴァルハラかなんて言われたら、と思うと肝が冷える。

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