疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 今回はなかなか重めのお話になりました。やはりこの作品は一筋縄ではいかないですね・・・たまに作者の想定外の流れになったりして、作者自身が困ってます。


101話(救援戦)

「提督、長門鎮守府から入電!!敵艦隊と交戦開始したわ!!」

 

 敵艦隊が進路を変えたとの報告からしばらくして、曙が切羽詰まった様子で報告をしてくる。ついに始まってしまったか・・・やはり金剛達は開戦には間に合わないか・・・後は長門鎮守府がどれだけ粘れるかだな。

 

「分かった。戦況が入ったらすぐに伝えろ。」

 

「分かったわ。」

 

――――――――――――――――――

 

 はぁ・・・こんな戦力差ではどうしようもないわね・・・不幸だわ・・・あんな無能な提督の元で働かされたあげく、扶桑姉様も沈んでしまったのに、私に生きる意味なんてあるのかしら?

 

「山城さん!!敵艦隊が接近!!交戦距離に入ります!!」

 

「分かったわ。全軍交戦開始!!玉砕覚悟で一隻でも多く沈めなさい!!」

 

「えっ!?山城さん!?北九州鎮守府からの援軍が来るまで持ちこたえるべきでは!?」

 

 ああ・・・扶桑姉様・・・扶桑姉様の仇を取れない不甲斐ない山城を許して下さい・・・せめて憎き深海棲艦を一隻でも多く道連れにして、山城も扶桑姉様の元へと参ります・・・

 

「探照灯持ちは照射開始!!死力を尽くして戦いなさい!!全軍突撃!!」

 

――――――――――――――――――

 

「・・・提督、かなり不味い状況みたいよ。」

 

「何があった?」

 

「長門鎮守府の総旗艦をしていた山城さんが、敵艦隊に玉砕覚悟の総攻撃を仕掛けたわ・・・」

 

「なんだと!?」

 

「敵艦隊にも打撃は与えているけど、こっちはもっと損害を受けてるわ・・・」

 

 くそ!!なぜ援軍を待たない!?鎮守府を防衛する為にも交戦はやむを得ないが、もう少し戦い方があるだろうが!!

 

「大淀、金剛達と話がしたい。」

 

「はい・・・どうぞ。」

 

「金剛か?」

 

「Yes 次の命令はなんですカ?」

 

「航行速度を落とせ。」

 

「Why!?何が起きたネ!?」

 

「長門鎮守府の連中が暴走して、敵艦隊に総攻撃を仕掛けた。このままではこちらが到着する前に壊滅してしまうだろう。だからこのまま全速力で戦場に向かえば、疲労して駆け付けたのに味方が居らず、各個撃破されてしまうだけだ。だから無理な進軍をする必要がなくなった。」

 

「・・・長門鎮守府の娘達は見殺しですカ?」

 

 金剛が思い詰めたように声を絞り出す。先程まではただ淡々と指示に従っていたが、仲間を見殺しにするのは流石に躊躇うか・・・

 

「救えるものならば救いたいが・・・長門鎮守府の連中の暴挙にお前達まで巻き込まれる事は避けなければならない。益田鎮守府からの援軍が来るまで時間稼ぎをするしかない。」

 

「・・・OK それが提督の判断なら従うしかないネ・・・」

 

「では敵艦隊を捕捉したら距離を取って戦え。相手が全力で追って来るならば、こちらも距離を取って長門鎮守府から引き離せ。」

 

「OK なんとかやってみマース。」

 

 はぁ・・・これで各個撃破される最悪の事態は防げただろう。しかしこれで長門鎮守府は終わりだな・・・

 

「・・・提督、長門鎮守府の朝潮から最後の連絡よ。山城さんを止められず申し訳ございません。長門鎮守府の艦隊は大打撃を受け、鎮守府に敵艦隊が迫っています。これより朝潮も艤装を背負って最後の抵抗に向かいます。御武運を・・・だそうよ。」

 

「・・・そうか。」

 

 提督が逃げてまともな指揮系統もないのに、最後まで戦いを挑むか・・・本当に生真面目な奴だな・・・

 

――――――――――――――――――

 

 そろそろ金剛達が接敵する頃合いか。今頃長門鎮守府は深海棲艦の攻撃を受けているだろう。

 

「金剛さんより入電です!!艦娘数名がこちらに向かって来ており、その背後から敵艦隊が迫っています!!敵の数は2艦隊以下で戦艦は確認されていません。」

 

「すぐに敵艦隊を迎撃しろ!!逃げて来た艦娘を保護するぞ!!」

 

 深海棲艦達は部隊を2つに分けたか。おそらく鎮守府を攻撃する部隊と、逃げた艦娘の追撃と金剛達の足止めだな。わざわざ戦力を分散させたのは、より確実に鎮守府を潰す為だろうか?なんにせよこれはチャンスだ。敵艦隊が長門鎮守府の艦隊との戦いでどれほど消耗したかは不明だが、戦力を分散させたのであれば各個撃破も可能だ。

 

――――――――――――――――――

 

「OK 提督の指示ネ、敵艦隊を迎撃して、あの艦娘達を助けマス!!」

 

 長門鎮守府の娘達は救えませんでしたが、せめて生き残ったあの娘達だけは守りマス!!提督の許可はありマス!!だから今度こそ・・・私の目の前で沈ませはしないデース!!

 

「あおばーは探照灯!!クマーはあの娘達の救助をお願いしマス!!私達は敵を倒しマス!!」

 

――――――――――――――――――

 

「提督、金剛さんから入電です。敵艦隊の撃破に成功!!逃げて来た艦娘達も無事です!!こちらの損害は暁・雷が中破、金剛・青葉・球磨が小破です。」

 

「了解した。流石に無傷とはいかないか。だが長門鎮守府の生き残りを救助出来たのは大きい。」

 

「元長門鎮守府所属の木曾さんが提督にお話があるとの事ですが?」

 

 元・・・か。つまり長門鎮守府はその機能を失ったようだな。

 

「ああ、代わろう。・・・通信代わった、北九州鎮守府の葛原だ。」

 

「ああ、元長門鎮守府所属の木曾だ。まずは救援感謝する。」

 

「木曾さん離して下さい!!朝潮はまだ戦えます!!最後まで提督のご命令を遂行します!!」

 

「ああもう!!うるせぇ!!通信してんだから静かにしてろ!!っとすまないな。長門鎮守府は壊滅して、原田提督も連絡が取れず生死不明だ。規定に従って俺と駆逐艦三隻の保護を頼みたい。」

 

「分かった。そちらの人員と損傷は?」

 

「俺が中破、朝潮が中破、陽炎と不知火が大破している。」

 

「了解した。敵艦隊の情報が欲しい。敵の残存戦力はどれくらいだ?」

 

「えっと・・・ル級eliteは山城さんが刺し違えていた。あとル級をもう一隻沈めたから、戦艦が残り三隻だな。それ以外についてははっきりとは分からない。」

 

「そうか・・・」

 

 戦艦三隻か。一応戦力差ではこちらが上回っているだろうか?しかし負傷者を多く抱えた状態で戦闘をするのは避けたいところだ。もうすぐ益田鎮守府の援軍も着くはずだ。

 

「司令官!!横から失礼します!!青葉です。敵艦隊が長門鎮守府から海の方へと離れて行くのを発見しました!!」

 

「そうか・・・敵艦隊は撤退したか・・・ならばこちらも撤退する。周辺の警戒は間に合わなかった益田鎮守府の連中に頼むとしよう。金剛に撤退するように伝えてくれ。くれぐれも帰路で油断する事の無いようにと伝えてくれ。」

 

「はい、分かりました。」

 

 とりあえずこれで今夜の戦いはひとまず終わりだな・・・しかし長門鎮守府を守りきれなかったか・・・これはまた厄介な事になるな・・・それに時計を見ればもうすぐ午前5時か・・・夜が明けるまであまり時間も無いな。

 

「では曙は先に休め。大淀は悪いがもう少しだけ頑張って貰う。」

 

 そう伝えると曙は悔しそうにしていたが、流石に疲れているからか反論はしてこなかった。大淀も疲れてはいるようだが、少し嬉しそうだな。

 

「お任せ下さい。提督もお休みされますか?」

 

「いや、最後に一仕事残っている。私室で電話をかけるから、何かあればすぐに呼んでくれ。」

 

「分かりました。どちらに連絡をされるのでしょうか?」

 

 それは・・・




 葛原提督が連絡する人とはいったい誰なのだろうか?

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!

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