さて、提督が私を信頼してお休みされる間を任せて頂いた以上、完璧に仕事をこなして信頼を裏切らないようにしなくてはなりませんね。まずは哨戒部隊のメンバーの招集と明石さんへの艤装準備の依頼。次に艦娘達の状態の確認、特に昨夜夜戦に出した部隊が出撃出来るかどうかが重要ですね。それに金剛さん達が鎮守府へ帰還するまでは安心出来ませんし、横須賀からの援軍にも連絡を取る必要がありますね。あとは本日提督候補生の方が着任されるというお話でしたね。かなり変わった方だと提督はおっしゃっていましたが、いったいどんな方なのでしょうか?これ以上提督のご負担を増やして欲しくはないのですが・・・
「皆さん、秘書艦の大淀です。各員起床していつでも出撃出来るように準備を整えて下さい。龍驤さん・高雄さん・摩耶さん・睦月さん・如月さんは哨戒任務に出撃して貰いますので、至急出撃港へと向かって下さい。明石さんと夕張さんは艤装の準備と金剛さん達の帰還に備えて準備をお願いします。各員行動を開始して下さい。」
では皆さんに準備を整えて貰う間に、横須賀の叢雲さんに連絡をしておきましょう。・・・鎮守府の大型通信機に接続・・・周波数を横須賀鎮守府の救援部隊のものに設定・・・
「・・・こちら北九州鎮守府の大淀です。応答願います。」
「こちら横須賀鎮守府所属の叢雲よ。何かあったのかしら?」
「夜が明けましたので、これより北九州鎮守府から哨戒部隊を出撃させます。哨戒の結果に関しては随時共有させて頂きます。そちらはいつ頃到着の予定ですか?」
「こっちは今駆逐艦だけ先行してそちらに向かっているわ。私達先行部隊はあと1時間半、主力部隊は3時間ってとこかしら?哨戒は良いけど、私達が着くまでに轟沈したりしないでよ。」
「ええ、もちろんです。それでは到着をお待ちしております。」
速度の速い駆逐艦だけで先行して来ているのですか。長門鎮守府での戦闘に参加したため、北九州鎮守府の戦力が減少しているのを心配して下さったのでしょうか?駆逐艦だけとは言え横須賀鎮守府の高練度の駆逐艦であれば、頼もしい援軍ですね。・・・ん?鎮守府入口の憲兵の方から連絡ですか。提督候補生の方でしょうか?それにしてはかなり早い時間ですが・・・
「はい、秘書艦の大淀です。」
「あー、こちらに新聞記者が数名集まっていて、葛原提督への面会を求めている。」
はぁ・・・新聞記者ですか・・・昨日面会をお断りした安藤さんみたいな方々でしょうか?面会の約束もせずに来るとは・・・せっかく提督がお休み頂いたのに、余計な仕事で起こすわけにはいきませんね。
「申し訳ないですが、現在深海棲艦の動きに対応する為に、面会はお断りしております。一通り片付きましたらこちらから連絡しますので、名刺だけ貰っておいて下さい。後で取りに行きます。その他予定外の来客があった場合、同様の対応をお願いします。本日は提督候補生の方が着任される予定ですので、その方が来られた時はご連絡下さい。」
「了承した。」
ふぅ・・・ん?今度は間宮さんですか。
「大淀さん、おはようございます。」
「おはようございます。昨夜は夜食の準備ありがとうございました。それで、朝食の件ですか?」
「はい、昨夜は夜遅くまで働かれていたと思うので、朝食はどうされるかと?」
「そうですね・・・提督は先程お休みになられたばかりですが・・・一応手軽に食べられる物を用意して頂けますか?提督が食べられなかった場合は大変申し訳ないのですが・・・」
「ええ、分かりました。もし余ってしまったら赤城さんにお願いしますから、食材も無駄にはなりませんので安心して下さい。」
「それは心強いですね。ではお願いします。」
食事の手配は済ませましたし、次は・・・
コンコンコン
「はい、どなたですか?」
「さ、漣です。潮と朧も居ます。」
第七駆逐隊の娘達ですか、曙さんを心配して様子を見に来たのでしょうか?ですがせっかく提督が休まれているのに、騒がしくしたら起こしてしまいますね。では私が執務室から出て外で応対しましょう。
「お待たせしました。曙さんが心配だったのですか?」
「そ、そうなんですよ。ぼのたん昨日は布団を取りに部屋に来たけど、結局そのまま帰って来なかったから・・・」
「そうですね、昨日・・・いや、つい先程まで曙さんも秘書艦補佐として頑張っていました。今は執務室で仮眠を取っていますので、騒がしくして起こさないで下さいね?」
「そ、そんな・・・曙ちゃん一昨日の夜も遅くまでお勉強してたのに・・・」
やはりそうでしたか。昨夜も眠たそうにしていましたから、無理をしているとは思っていましたが・・・秘書艦の仕事を奪われるのは嫌なのですが、昨夜は曙さんが居てくれたおかげでとても助かりましたので・・・悩ましい所ですね・・・
「潮さん、心配なのは分かりますがこれは曙さんの意思で始めて、一生懸命取り組んでいる事ですから・・・出来れば応援してあげて下さい。」
「そ、そうですか・・・」
「あー、曙は頑固なところあるからなぁ・・・」
「ですなぁ・・・ぼのたんが頑張るなら応援したいけど、無理をし過ぎないように漣達で見張らないといけませんなぁ。そう言えばご主人様はどちらに?」
「提督も執務室で仮眠を取っていますよ。」
「ええ!?つまり同じ部屋に若い男女が一緒に寝てるわけですか!?キタコ・・・もが・・・」
いきなり大声で騒ぎだす漣さんの口を押さえて黙らせる。まったく・・・騒がないでと言っているのに・・・提督を起こしてしまったらどうするのですか・・・
「お静かにと言ったはずですが?」
少し怒気を含んだ声で言い聞かせると、漣さんは少し怯えた表情で両手を上げて、降参のポーズをしながら何度も頷きましたので、手を離してあげます。隣で潮さんと朧さんも涙目になっていますが・・・そんなに怖かったのでしょうか?
「とにかく、曙さんは大丈夫ですから、心配しないで下さい。ああ、そうだ。ついでに一つ用事を頼まれてくれませんか?」
そう言うと漣さんは無言で何度も頷きます。
「入口の憲兵さんの所に行って名刺を受け取って来て下さい。もし外に人が居て何か話し掛けられても、一切相手にしないで下さい。」
第七駆逐隊の娘達は無言で敬礼をして走って行きました・・・そんなに私が怖かったのでしょうか?
「あー、大淀、聞こえとるか?龍驤やけど、出撃の準備が出来たでぇ。」
「分かりました。では哨戒任務に出て下さい。ただしくれぐれも慎重に行動して下さいね。」
「おう、任しとき!!」
これで哨戒部隊は結果待ちですね。次は皆さんの状態確認ですね。やるべきことが多くて大変ですが、私が秘書艦なのですから弱音を吐いてる暇はありませんね。
意外!!それは大淀回!!いつもこうやって裏方の仕事を頑張ってくれてます。
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!