さて、そろそろ皆さん食事を始める頃でしょうか?今のうちに皆さんの状態の確認をしておきましょうか。
「ただいまより鎮守府に待機中の各艦の状態を把握します。戦艦は長門さん、空母は赤城さん、巡洋艦は天龍さん、駆逐艦は白露さん、潜水艦は伊168さん、報告をお願いします。」
「長門だ。私も陸奥も大和もいつでもいける。」
「赤城です。一航戦及び五航戦、どちらも万全の状態です。鳳翔さんも問題ありません。」
「天龍だ。俺と龍田も問題ねぇ。北上達と鈴谷達も問題ねぇな。神通はきちんと起きて来たが、川内はしばらくは無理だろうな。あと夕張は工廠の仕事で離れられそうにねぇな。」
川内さんは仕方ないですね・・・川内さんには夜に活躍して貰いましょう。それと出撃続きで工廠の方も明石さんだけでは手が回りませんか。
「白露です。白露型、島風さん、雪風さん、問題ありません。その・・・第七駆逐隊が見当たらないのですが・・・」
「曙さんは今休まれていて、他の娘達は別の用事を頼んだので大丈夫です。伊168さん、お願いします。」
「私もイクも大丈夫よ。」
「了解しました。現在哨戒部隊を出撃させていますので、皆さんはいつでも出撃出来るように準備を整えて下さい。以上です。」
とりあえず昨夜夜戦に出た方々も川内さん以外は大丈夫そうですね。心配なのは第七駆逐隊と実戦経験の無い鈴谷さん達でしょうか?五航戦の娘達は実戦経験は豊富ですし、気持ちの問題も昨日の様子であれば大丈夫でしょう。これで提督が起きられたら滞りなく指揮が出来るでしょう。
――――――――――――――――――
「提督、提督、起きて頂けますか?」
大淀が肩を揺らしながら呼び掛けてきて、一気に意識が覚醒する。仮眠のつもりが思っていたよりも深く眠ってしまっていたようだ。まさか人が居る部屋で熟睡してしまうとはな・・・よほど疲れが溜まっていたのだろう。時計を見ると1時間半くらいは寝てしまったようだ。
「・・・状況は?」
「たった今金剛さん達が帰還しました。それと横須賀鎮守府からの援軍ですが駆逐艦だけで先行していて、先行部隊も間も無く到着予定です。龍驤さん率いる哨戒部隊はもうすぐ基地レーダー範囲外に出る頃合いです。進路は資材溜まり方面に向かわせています。」
「了解した。ああ、そう言えば一つ言い忘れていたが、今日呉鎮守府から支援物資が届くはずだから、覚えておいてくれ。」
「呉鎮守府からですか!?」
まあ、呉鎮守府から救援物資だなんて意外だろうな。以前はともかく今は久藤提督の傘下から外れているのだ。驚くなと言う方が無理だ。
「ああ、資材の備蓄に不安を感じたのでな。少し交渉をした。だが資材の量については久藤提督の匙加減次第だからなんとも言えん。」
「そうですか・・・資材はまだ大丈夫そうでしたが、姫級を相手にする事を考えると、もう少し余裕を持っておきたいですからね・・・」
確かに姫級を相手にする以上、出来る限りの事はしておきたいものだ。実際に戦うのは横須賀鎮守府の艦娘達だが、何が起こるかわからないからな。
「ああ、そうだな。では金剛達には入渠と補給をさせてくれ。旗艦の金剛と球磨は先に執務室に報告に来させてくれ。」
「分かりま・・・提督!!龍驤さんから通信が入りました!!」
「代われ。」
どうやら敵艦隊は基地レーダー範囲のすぐ近くまで来ていたようだな。
「龍驤、状況は?」
「ほんまえらいことなっとるでぇ!!敵の大艦隊や!!ちらっとしか見えんかったけど、5か6艦隊くらいおったと思うで!!それに敵の空母がめっちゃおるで、おかげでうちの艦載機は全滅してもうたわ!!」
つい先程長門鎮守府に大規模攻勢を仕掛けておきながら、うちにも大規模攻勢を仕掛けてくるのか・・・集積地棲姫の艦隊は底無しかと言いたくなる・・・
「了解した。即座に撤退しろ。」
「もうしよるわ!!あんな海域に居座るほどアホやないわ!!あんなん見えたら即座にトンズラするに決まっとるやろ!!」
「ああ、それで良い。こちらの被害は?」
「あー、それはうちの艦載機だけで済みそうや。見えた瞬間に逃げだしたんと、うちの艦載機達に敵艦載機の足止めしてもろうたから・・・いくつか抜けて来たんは撃ち落としたしな。」
「ほう、完璧な撤退だな。」
「おおきに。」
「他の者の弾薬や燃料は残っているか?」
「多少対空砲火しただけやから、まだまだ余裕はある。せやからうち以外はそのまま防衛戦に出られるでぇ。」
「了解した。とりあえず鎮守府へと向かって、龍驤以外は途中で迎撃部隊と合流して貰う。」
「了解や。」
事前に敵が見えたら即撤退と伝えていたのもあるが、龍驤は上手く撤退したようだな。病み上がりとは言え、速力の関係も大きいのではないだろうか?今後も上手く使っていきたいものだ。
「・・・提督・・・大淀さん・・・何か動きがあったの?」
まだ寝惚けた雰囲気の曙が問い掛けてくる。そう言えば曙も執務室で仮眠を取っていたのだったな。起こしてしまったか・・・だが、敵の大艦隊が迫っているのなら、ゆっくりさせる余裕は無いか・・・
「曙、敵の大艦隊が迫って来ている。秘書艦補佐として働けるか?」
そう問い掛けると曙は自身の顔を両手でペシペシ叩いて、気合いを入れ直した。やはり疲労感は濃いようだが、やる気はあるみたいだな。
「それで、私は何をすれば良いの?」
「大淀は横須賀の叢雲に情報共有をしてくれ。曙はうちの鎮守府の艦娘達に総員戦闘準備を呼び掛けろ。それと昨夜夜戦に出た者達が出られるかの確認も頼む。」
「提督、鎮守府内の確認は終わっております。川内さんはまだ動けず、夕張さんは工廠の仕事で手が離せそうにありません。たった今帰って来た金剛さん達もすぐには無理だと思われます。他の者は全員大丈夫でした。」
「分かった。では曙は他の者達全員に招集をかけろ。」
「分かったわ。」
大淀が確認を済ませておいてくれたおかげで、少し時間が短縮出来たな。それにしても敵の総戦力がどの程度か不明なのが難点だな。敵艦隊が基地レーダー範囲内に入れば、どの程度か判明するが、悠長に待ってる暇は無いだろう。どうせ敵の能力はこちらを上回っているのだから、総員出撃の必要があるだろう。
「空母機動部隊として一航戦と五航戦と護衛に摩耶と睦月、打撃部隊は長門・陸奥・大和で護衛は高雄と神通に如月、水雷戦隊は天龍・龍田に白露型姉妹、北上・大井・島風・雪風で遊撃に回って貰うとして・・・鳳翔・鈴谷・熊野・漣・朧・潮で後方に抜けて来た奴らの対応をさせるか。あとはイムヤとイクには隙を見て雷撃を叩き込ませないとな・・・」
本当ならば初陣の鈴谷達や、まだ精神的に不安な第七駆逐隊を出したくはないのだが・・・数で劣るのに出し惜しみする余裕はないか・・・
「分かったわ。」
第七駆逐隊の名前が出た事で曙も思うところはあったようだが、何も言わずに連絡を始めてくれる。
「提督、横須賀の叢雲さんが提督にお話があると言っています。」
「ああ、代われ。・・・葛原だ。」
「状況は聞いたわ。私達先行部隊はもうすぐ北九州鎮守府に到着するから、補給の準備をして貰えるかしら?補給を終えたらすぐ出るわ。」
「分かった。長距離移動の疲労は大丈夫か?」
「横須賀の艦娘をなめないでくれるかしら?この程度でへばるような娘は横須賀に居ないわよ。」
「そうか、正直我々だけでは手に余る敵だから助かる。それで、敵の艦隊の構成ははっきりとしていないが、どう動くつもりだ?」
「ふん、敵の構成が不明なんてそう珍しい事じゃないわ。とりあえず私達が突っ込んで敵の注意を引いてどんどん沈めてくるから、あんた達は防衛に専念しなさい。数が多いなら私達だけじゃ止めきれないわ。あんた達は自分達の身と鎮守府、それに街への攻撃を阻止しなさい。」
ほう、ずいぶんな自信だな。先行部隊は駆逐艦だけだと聞いていたが、かなり強気に出たな。だが歴戦の艦娘達だろうし口だけではないだろう。それにうちとは練度の差も大きいし、演習をしたわけでも無いので、下手に連携を取ろうとする方が危ないだろう。
「分かった。それでは東側から突っ込んで貰いたい。我々は西側に重点をおいて守らせて貰う。」
「なによ・・・意外と素直なのね。分かったわ、その作戦で良いわ。その代わりあんたの所の艦娘達を一隻も沈めさせないでよね!!私達が援軍に来たのに沈まれたら、うちの提督の名誉に泥を塗る事になるんだから気を付けなさいよ!!」
「ああ、承知した。」
さてと、横須賀のお手並み拝見といきますか。
叢雲ちゃん可愛いよ叢雲ちゃん・・・
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
-
主人公葛原提督率いる問題児四天王
-
大淀
-
長門・陸奥
-
第七駆逐隊
-
川内・神通
-
明石・夕張・間宮・鳳翔
-
第六駆逐隊
-
北上&大井
-
青葉&衣笠
-
金剛姉妹
-
伊19・伊168
-
赤城&加賀
-
翔鶴&瑞鶴
-
白露型姉妹
-
島風&雪風
-
天龍&龍田
-
龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
-
朝潮・木曾・陽炎・不知火
-
叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
-
俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!