鎮守府の艦娘達の出撃準備を整え、横須賀の先行部隊も到着して補給を済ませたので、迎撃の準備は整った。幸い龍驤達が逃げ帰るのをそのまま追って雪崩れ込んでは来なかったので、少し時間には余裕を持てた。
「提督!!敵艦隊が基地レーダー範囲内へ続々と侵入して来ました!!」
「構成は分かるか?」
「えっと・・・空母ヲ級のflagship1・elite2・通常種3、軽母ヌ級2、戦艦ル級3、他巡洋艦・駆逐艦多数。合計30隻の大艦隊です!!」
いくらなんでも空母の数が多すぎるだろ!?それにflagship級なんてその一隻だけで戦況を左右出来る存在だぞ!!
「完全にこちらを潰しに来ているな・・・」
もし北九州鎮守府だけで戦うのであれば、空母を止められずに好き放題爆撃されて終わってしまう。横須賀の駆逐艦達がどれだけ奮戦してくれるか分からないが、かなり厳しい戦いになるな。
「大淀は各艦隊に出撃の指示を出せ。詳しい指示は移動中に伝える。あと敵に動きがあればすぐに報告しろ。」
「はっ!!お任せ下さい。」
「曙、綾瀬さんに通信を繋げてくれ。」
「分かったわ。」
流石にこれだけの敵を相手にするならば、何が起こるか分からない。市民には避難して貰おう。
「はい、提督。」
「北九州鎮守府の葛原です。」
「葛原提督ですか。あー、あの記者達の件であれば「緊急事態です。敵の大規模艦隊が迫っていますので、すぐに避難勧告を出して下さい。」
「・・・承知しました。長門鎮守府の次はうちですか・・・御武運をお祈りしております。」
綾瀬さんの話を遮って要件を伝えると、あまり余裕の無い雰囲気が伝わったのか、何も聞かずに了承してくれた。話が早くて助かる。
「ありがとうございます。ではこれで。」
これで後方の憂いは減った。次は・・・
「曙、次は叢雲と通信を繋げてくれ。」
「分かったわ。・・・はい。」
「叢雲か?葛原だ。」
「なによ?敵の構成は聞いたし、作戦は変えるつもりは無いわよ?」
声に焦りは無いか・・・本当に肝が据わっているな・・・
「・・・空母が多いが、どれくらいやれる?」
「時間さえあればいくらでもやれるわよ。相手はせいぜいflagship級でしょ。こっちは防空駆逐艦の秋月・照月・涼月がいるのよ。この3人の防空網を突破したいなら、せめて改flagship級くらいは居ないと話にならないわ。あと私はもちろんだけど、天津風も時津風も柔な鍛え方はしてないから、こっちの心配してないで自分の艦隊の心配をしなさいよ。」
秋月型の防空駆逐艦か。話には聞いた事はあるが、かなり珍しい艦娘で士官学校には居なかったな。本来一隻で一つの艦隊を守るのに充分なはずなのに、それが三人もいるのか・・・横須賀の援軍は後続部隊も含めたら3艦隊、つまり一艦隊に一人ずつ入れていたが、駆逐艦だけで先行したためにこういう構成になったわけか。
「・・・分かった。そう言うのであれば信頼しよう。」
「・・・ほんと調子狂うわね。」
「ん?何か言ったか?」
「いや、任せなさいって言ったのよ。じゃあ私達は先に行くから。あと戦闘始まったら戦闘が終わるまでは気が散るから通信はしないでよね。」
「了解した。」
この様子であれば横須賀の方は問題無さそうだな。
「大淀、うちの艦隊の各旗艦に繋いでくれ。」
「分かりました。・・・どうぞ。」
「これより各艦隊に指示を出す。まず大まかな流れとしては、横須賀の艦隊が敵艦隊を東側から切り崩していくので、北九州鎮守府の艦隊は敵艦隊の足止めをして貰う。お前達が抜かれれば鎮守府や街への被害が出るので、心して防衛に専念してくれ。まず赤城率いる空母機動部隊は敵艦載機の迎撃を優先して貰う。相手は空母の数が多いが防衛に専念すれば戦えるはずだ。」
「了解しました。一航戦の誇りにかけて抜かせはしません!!」
「次に長門率いる打撃部隊には、空母機動部隊に接近する敵の迎撃を頼む。長門には現場での総指揮も頼もうと思うがいけるか?」
「ああ、勿論だ。」
「天龍の水雷戦隊は長門達のうち漏らしを撃破して貰う。お前達が抜かれれば戦線が一気に崩れるから、なんとか持ちこたえろ。」
「へへっ、良いとこ持ってくるじゃねぇか。任しとけって。」
「北上の部隊は遊撃だ。天龍達のフォローやこちらを迂回する敵を叩いて貰う。だが北上と大井は装甲が薄いから、立ち回りには充分に気を付けるように。」
「ほーい。」
「鳳翔の部隊は後方支援だ。主な仕事は突破して来た敵の迎撃と大破した味方の救助だ。救助は主に第七駆逐隊で行い、鈴谷と熊野はその援護をしてくれ。この艦隊は他と比べても練度が低めなので、鳳翔がよく見てやってくれ。」
「分かりました。お任せ下さい。」
「潜水艦の二人は状況に応じて動かすから、序盤は戦場から少し下がっていろ。」
「え、ええ。分かったわ。」
「では諸君の活躍に期待している。・・・沈むなよ。」
「「「「「はい!!」」」」」
これで私の出来る事は一旦終わりだな。あとは戦況を見てからだな。
「提督・・・その、入口の憲兵から連絡がありまして・・・提督候補生の方が来られたと。」
街には避難勧告が出されているはずだが・・・最悪のタイミングでも律儀に鎮守府へとやって来たか・・・
「分かった。中に入れてやってくれ。小森なら案内は不要だろう。」
「えぇ・・・本当に大丈夫なのですか?」
「案内する為の人員を送ってもどうせ見失う。この忙しい状況で無駄な事は出来ん。」
「わ、分かりました。そう伝えておきます。」
大淀も少し納得がいかないという雰囲気だが、今はそれどころでは無いと判断したのだろう。幸い鎮守府の作りは似通ったところが多いので、そこまで迷う事は無いだろう。
どさくさに紛れて新キャラ登場?
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!