「提督・・・その・・・鈴谷さん達とのお話は終わったのですか?」
「ああ、たった今終わったところだ。タイミング良く入室したから聞いていたのではないのか?」
「ッ!!いえ・・・その・・・心配でしたので近くで待機しておりましたが、会話については何も聞いていません。」
「なら良いが。」
大淀はかなり顔を青ざめさせているので、本当のところは分からない。確証があるわけではないし聞かれても問題はなかったが・・・
「それと提督・・・天龍さんを営倉入りにしたというのは本当ですか?」
「ああ、本当だ。長門から詳細は聞いたのか?」
「ええ、長門さんと食堂に居た娘から聞きました。天龍さんが提督を侮辱したからだと。」
「ならその認識で合っている。」
「どうしてですか?」
「先程侮辱したからだと聞いたのだろう?それが事実だ。」
「私達の待遇を改善して下さると約束して下さったのに・・・あれだけ早急に物資の手配をして下さって・・・私達の声にも耳を傾けて下さったのに・・・どうしてですか?」
なるほど。大淀は根本的な部分を勘違いしているようだ。
「私はこの鎮守府を真っ当な鎮守府に立て直すと約束したのだ。だから食事も布団も早急に手配をした。だがそれは艦娘を甘やかす為ではない。それらは真っ当な鎮守府ならば、当たり前に用意されるべき物だから用意したのだ。そして天龍が軍人として規律を乱すことをしたから、規律を守る為に罰を与えた。これも真っ当な鎮守府ならば当たり前のことだ。」
「そうですか・・・分かりました・・・」
正直納得は出来ないが諦めたってところか、それにしても営倉一晩だけでずいぶんな騒ぎになった気がする。警告もしたうえでこの処分なのだから、甘いと言われても仕方がないと思っていたのだが・・・
ふと時計を見るともう夜の9時か。調べものをさせたかったが、初日から夜遅くまで働かせるのは印象が悪いな、大本営の奴らに突っ込まれたら面倒だ。
「そう言えば布団の納品は終わったのか?」
「先程届きましたので、今全員に支給しているところです。」
「分かった、それが終わったら今日の業務は終わりにする。他の者にもそう伝えてくれ。ご苦労だった。」
「ハッ!それではこれで失礼します。」
大淀を見送って今後の予定を考える。これ以上一人で頑張っても逆効果だろう。調査もどうせ一日で終わるとは思ってないし、きちんと睡眠は取らないと作業効率が落ちるだけだ。非常時ならば無茶もするが、通常時には体調を整えておくことも軍人の仕事だ。とりあえず風呂は提督の私室の隣に提督専用のがあったな。寝る場所は・・・あの私室で寝ることだけは絶対にない。たしか応接室にソファーがあったはずだからそこにしよう。
コンコンコン
「提督・・・いらっしゃいますか?」
長門が報告に来たのかと思ったが、どうやら別の者のようだ。
「入れ」
「・・・失礼します。」
そう言って入って来たのは龍田だった。姉の天龍が営倉に入れられた件で文句でも言いに来たのか?士官学校時代に見た龍田はおっとりしたように見えるが、実は天龍に負けず劣らず好戦的な性格だったはずだ。
「なんのようだ?」
そう尋ねると龍田は静かに膝をつき、綺麗な所作で土下座をした。・・・え?
「天龍ちゃんが無礼なことを言ってしまい申し訳ございません。天龍ちゃんには私から言い聞かせます、罰も代わりに私が受けます、私が何でもします。だからどうか天龍ちゃんを許してあげて貰えませんか?」
正直かなり驚いた。本来好戦的な龍田が大人しく土下座までして頼み込んでいるのだ。しかも解体処分とかなら話は分かるが、今回はただの営倉一晩だけだ。営倉は見せしめという意味合いはあるが、基本的には部屋に閉じ込められてじっとしてるだけだ。確かに掃除が行き届いていなければ不衛生なところではあるが・・・どうしてここまで大事になっているのかが理解出来ない。
「龍田、なぜそこまでするんだ?」
「・・・もう・・・天龍ちゃんが苦しむ姿は見たく無いんです・・・また解体されるところを見せられるのは・・・もう・・・」
「いや待て、話を聞いていないのか?今回天龍に与えた罰は、今晩営倉で過ごすことだけだ。解体するなんてことは言ってないぞ。」
「営倉行きということは、これからムチ打ちなどが待っているのでしょう?天龍ちゃんは気の強い娘だから、きっと叩かれても反抗的な態度をとります。そして提督を怒らせてまた・・・」
「・・・ちょっと待て、なんでムチ打ちなんて話が出てくるんだ?私は営倉で一晩過ごせとしか命じてないぞ。」
「ならどうして天龍ちゃんは鎖で天井から吊るされているのですか!?」
・・・・・・え?なんで?
長門さん・・・なにやっちゃってるの?
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!