疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 大規模戦闘になればなるほど戦闘の流れが複雑になって、執筆が難しくなることに気が付いてしまった・・・今さらもう遅いので、おとなしく書き進めていきます。


108話(防衛戦2)

 大淀に戦況報告をさせているが、横須賀の艦隊は想像以上だった。どこかで駆逐艦だけの艦隊だからと思ってしまっていたが、防空駆逐艦はその名に恥じない性能を誇っているようだ。敵艦隊から発艦される膨大な数の艦載機を綺麗に処理している。

 

「提督、こちらの艦隊が交戦距離に入ります。それに合わせて横須賀の艦隊が敵艦隊へと突撃してます。」

 

「了解した。では作戦通りに防衛に専念させてくれ。」

 

「分かりました。」

 

 さて、長門は上手く敵艦隊を足止めしてくれるだろうか?

 

――――――――――――――――――

 

 戦場に到着すると敵艦隊もこちらに気が付いたようで、空を埋め尽くさんとする艦載機の大群を送り込んで来る。横須賀の艦隊はあんなものをたった1艦隊で相手をしていたというのか!?

 

「敵の艦載機が来るぞ!!空母機動部隊、発艦開始!!他の部隊は対空迎撃用意!!」

 

「加賀さん、一航戦の誇りを見せますよ!!」

 

「ええ、五航戦との格の違いを見せましょう。」

 

「なんですって!?翔鶴姉!!一航戦なんかに負けてられないわ!!五航戦の力を見せ付けてやるわよ!!」

 

「慢心してはダメよ瑞鶴。私達は一航戦の先輩方の援護が仕事よ。きちんと自分達に与えられた仕事をしましょう。」

 

「で、でも~」

 

「でもじゃありません。良いですね?」

 

「はぁ~い・・・」

 

 こちらも艦載機を発艦させて迎撃する。今回は時間稼ぎが目的なので、艦戦を多めにした編成なのだが、それでも多くの敵艦載機が抜けて来てしまうか・・・

 

「敵艦載機が抜けて来たぞ!!迎撃しろ!!」

 

 総員で対空迎撃を行い多くの敵艦載機を撃墜したが、やはり全ては止めきれずに攻撃を許してしまう・・・だが後方で控えていた鳳翔達が残りをやってくれたようだな。

 

「被害報告を!!」

 

「空母機動部隊赤城・加賀の両名が小破、まだいけます!!」

 

「水雷戦隊、龍田が小破だ。問題ねぇ。」

 

「遊撃隊のあたし達は被弾して無いよ。」

 

「後方支援部隊も損害ありません。」

 

 私の部隊も損害はない。まだまだ大丈夫だな。そして敵の艦隊がこちらに向かって来るのが見える。今度は戦艦2隻を含む艦隊で数は2艦隊くらいか。それにしてもいくつか既に損傷を負っているものが見られるが、横須賀の艦隊が手傷を負わせたのだろうか?さらには敵艦載機の第二波も来る。さっきより数は少ないが、今度は対空迎撃だけに専念する事は出来ないな・・・

 

「陸奥!!大和!!前に出るぞ!!接近される前に数を減らす!!空母機動部隊は攻撃機で接近する奴等を狙え!!水雷戦隊も援護を頼むぞ!!」

 

「「「「はい!!」」」」

 

 さあ、ビッグセブンの力を見せてやろう!!

 

――――――――――――――――――

 

「提督、打撃部隊が攻撃を開始しました。報告では敵艦隊は2艦隊をこちらに向かわせて、艦載機での援護もあるそうです。あと敵艦隊は開戦前に多少の損傷があったとの事ですが・・・横須賀の艦隊でしょうか?」

 

「ふむ・・・だがこちらの迎撃に動いたのは、横須賀の艦隊からは遠い部隊のはずだ。だから横須賀の攻撃では無いと思うのだが・・・」

 

 それに横須賀の攻撃であればもっと損害が出ていてもおかしく無い気がする。となると・・・

 

「おそらくは長門鎮守府を襲撃した部隊の生き残りだろう。資材溜まりで補給だけして敵艦隊に合流したのだろう。」

 

「なるほど、そういうことですか。あ!横須賀の艦隊が空母を2隻沈めました!!横須賀の艦隊はなおも敵艦隊の中を航行しています!!」

 

 いくら練度が高いからといって無茶をし過ぎではないか?確かに駆逐艦は速力と回避力に優れていて小回りが利く。そして敵艦隊の内側に入り込めば、敵は同士討ちを怖がって攻撃をしにくくなって、こちらは好き放題撃ちまくれるという理屈は理解出来る。だが敵艦隊が同士討ちを恐れずにこちらを潰しに来るかもしれないし、そもそもそんな近距離で戦えば、被弾する確率はどうしても増えるだろう。これはあまり長くは持たないと考えておくべきか・・・

 

「こちらの戦況はどうなっている?」

 

「着実に敵艦隊を減らしていますが、こちらも損害が出ていますね・・・幸いまだ大破は出ていないようですが・・・ッ!!翔鶴さんに敵艦載機の攻撃が直撃しました!!大破です!!」

 

「鳳翔達に回収させてすぐに下がらせろ!!」

 

「はい!!ッ!?これは!?」

 

「今度は何があった!?」

 

「横須賀の艦隊と交戦していた敵艦隊が、空母の守りを捨ててこちらの艦隊へと進路を変更しました!!東側から回り込もうとしています!!」

 

「なんだと!?」

 

 横須賀の艦隊に勝てないのであれば、与し易いこちらの艦隊に少しでも損害を与えようと言うのか?恐ろしい執念だな・・・しかし数は9隻と少なく、横須賀の艦隊によって多少の損傷は受けているはずだ。

 

「では東側の進路を潜水艦達に妨害させろ。それと北上達も回せ!!それと翔鶴は第七駆逐隊に任せて、鈴谷と熊野も援護に向かわせろ!!」

 

 鈴谷と熊野に関しては実戦経験がなく、今回は後方支援に終始させるつもりだったが・・・そうも言っていられない状況だ・・・戦況としては横須賀の艦隊が圧倒しているので、轟沈さえしなければなんとでもなるのだが・・・

 

――――――――――――――――――

 

「・・・不味いわね。」

 

「叢雲さん!?どうかしましたか!?」

 

 敵艦隊に突っ込んだのに背後からの砲撃がなくなった事に疑問を持って振り返ってみると、敵艦隊が空母を見捨て北九州鎮守府の方へと向かっている。だからと言って空母を無力化したわけでは無いので放置も出来ない。ならやることは一つしか無いわね。

 

「秋月!!私と指揮を代わってこのまま空母を殲滅しなさい!!私が一人で救援に向かうわ!!」

 

「ええ!?一人になるのはさすがに危険ではないですか!?」

 

「良いからやりなさい!!それに一人で全部やるつもりはないわ。北九州鎮守府の艦隊も迎撃に回るはずよ。だから私は敵の背後から仕留めていくだけよ。」

 

「・・・分かりました。御武運を。」

 

「ええ、そっちもさっさと空母を沈めなさい。」

 

 そう言い残して一人で反転して敵艦隊の背中を追う。敵艦隊を追う私をさらに追うように空母から艦載機が放たれるが、そのほとんどは秋月達が落としてくれた。全速力で敵艦隊を追いかけながら、艦載機の攻撃を回避しつつ迎撃を行うが、流石にこの状態で敵艦載機を撃ち落とすのは難しいわね。まあ良いわ。回避が出来ているなら問題無いわ。そう考えていたら・・・

 

「敵艦隊が反転してこっちを狙っている!?」

 

 私が孤立したからって今度はこっちを狙おうって言うのかしら?ころころと気が変わるみたいだけど・・・あまりこの叢雲をなめないで欲しいわね!!




 なんか横須賀艦隊強すぎる気が・・・いや、練度の差・・・練度の差があるから・・・

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!

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