どうしてと問われても、こっちがどうしてと聞きたいくらいだ。営倉入りの罰は与えたが、天井から鎖で吊るせなんて指示は出していない。とりあえず現状把握が最優先だろう。
「私はそんな指示は出していない。しかしその話は聞き捨てならないから確認に行こう。営倉に行くから龍田は長門を営倉に連れてきてくれ。」
それだけ伝えて急いで会議室を出る。どうなっているんだ?まさか嵌められた?天龍がやけに挑発的だったのはこの為だった?それとも長門の仕業なのか?だがそれにしてはあの二人からは、何かを企んでいるような嫌な気配がしなかった。天龍からは敵意を感じていたが、こんな回りくどいことをするとも思えない。
とりあえず現状把握をしなくては始まらない。足早に地下にある営倉へと向かうと、とても嫌な臭いがしてきた。士官学校の営倉もあまり清潔ではなかったが、ここの営倉はより臭いがキツイ。鎮守府の掃除をしておくなら、営倉の掃除もしておけよ・・・悪臭を我慢して地下へと降りて行くと、それなりに大きな牢屋が左右に3つずつ並んでいた。営倉にしては大きすぎると思うし、この程度の規模の鎮守府で6部屋はかなり多いのではないか?
「ッケ!ようやく来やがったか。」
声がしたほうを見ると天龍が拘束されていた。龍田の言っていたように、天井から鎖が伸びていて天龍の手錠に繋がっている。地面から足は離れていないが手を上げたままの状態で、ずっとこの姿勢を維持するのも辛いだろう。
「なんでこんなことに・・・」
「てめぇが営倉行きって決めたんだろうが!!」
「営倉行きとは言ったが、拘束しろなんて言ってない。」
「はぁ?」
周囲を探すと鍵を発見した。ついでに見つけた鞭については放っておこう。急いで牢の鍵と天龍の手錠の鍵を外す。
「なんのつもりだ?」
「天井から鎖で吊るすのはやりすぎだから外しただけだ。大本営の奴らが知ったら大喜びで責めてくるぞ・・・」
「他所の奴らもやってるんじゃねぇのかよ?
他の鎮守府の提督とやらにもやられたことはあるぞ?」
「他の鎮守府の内情までは知らないが、私は上の連中が作った法を逸脱するような真似をするつもりはない。」
そう言うと天龍は胡散臭そうな目で見てくる。
「その上の連中とやらが自分達で作った法を守ってなくても、お前はそいつらに従うって言ってんのかよ?」
「ああ、そうだ。あいつらに付け入る隙を与えたくはないからな。」
「ヘッ!偉そうな割には随分と弱腰なんだな!」
「なんとでも言え、この国が今どれだけ腐ってると思っているんだ?力が無いまま真正面から挑むなんて馬鹿のやることだ。だからやり方は考えるさ。」
「そうかよ」
そう言って天龍は不機嫌そうにそっぽ向く。納得はしてないようだが、ひとまず大人しくはなったか。
「提督、長門さんをお連れしました。」
話が一段落したところでようやく龍田が長門を連れてきた。拘束が外された天龍を見て、少し落ち着いた感じの龍田とは対照的に、長門は押し黙って若干震えている。
「長門、なぜ天龍を拘束した?営倉に連れていけとは言ったが、拘束しろとは命じてないはずだ。しかも天井から吊るすのは命令から逸脱し過ぎではないか?」
「その、前任者から営倉行きの時はきちんと拘束しろと言われていたのだ、だからそれが普通なのだと思っていたのだ、申し訳ない。」
「長門さんを責めないでくれないか?俺が長門さんに迷惑かけたくなかったから、きちんと拘束するように言ったんだ。それで長門さんが責められると悪いからよ。」
そういうことか。だから営倉行きと言った時に過剰な反応を示した訳だ。こいつらにとって営倉とは拷問をされる場所だったのだ。相変わらず前任者は厄介なものを残してやがる!
「以後こんな真似をする必要は無い。もし今後拘束までする必要な事態が起こったなら、きちんと命令を出す。良いな!」
「ハッ!了承した。」
「天龍、拘束されていたなら罰としてはもう十分だ、部屋に戻って構わない。今後は発言には気をつけろよ。」
「それは提督次第だな。」
「て・ん・りゅ・う・ちゃ・ん?」
「ッ!!な、なんだよ?」
「私ちゃ~んと言ったよね?提督に突っ掛からないでって?これ以上心配かけないでって?」
「だ、だけどよ・・・」
「あらあら~?だけどなにかしら~?
提督さんからも部屋に戻って良いと言われたし、お部屋でゆっくり話しましょうか~?」
「あ、いや、その・・・」
「それでは提督、私達はこれで失礼しますね~
お休みなさい。」
「ああ・・・その、明日も仕事だからあまり遅くならないようにな。」
「はぁ~い、お気遣いありがとうございます。
それでは。天龍ちゃん?」
「お、お休みなさい?」
「ああ、お休み。」
天龍を連れていく龍田はニコニコしていたが、内心かなり怒っているようだ。さっきまでの大人しく土下座までして頼み込んできた者とは別人かと思った。
「長門も早く休め、私ももう寝る。」
「ハッ!それでは失礼する。」
流石に今日は色々ありすぎて疲れた。さっさと寝て明日に備えよう。応接室のソファーが待っている。
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応接室のソファーでゆっくり寝ていると、不意に近付いてくる足音で目が覚める。時間は深夜1時、こんな時間に近付いてくるのはただ事では無いだろう。敵襲か?暗殺か?それとも前任者を殺した奴か?とりあえず起きて体勢を整え、すぐに対処出来るようにする。相手はもう扉の前だ。
「提督!!夜戦の時間だよ!!」
やはり龍田は黒光してるほうが良いな。
最後に出てきた夜戦バカはいったい誰なのだろうか?
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!