あんまりドロドロばかりだと気が滅入ってしまうから・・・雨も酷いし・・・
葛原さんからお仕事を頼まれてしまった。ちゃんとお仕事しないと追い出されるかもしれないから、早く会見を開ける場所を探さないと・・・まずはあの子達に相談してみようかな?
そう考えた私はひとまず人気の無い場所に行って、周囲に人がいない事を確認する。うん、近くに人は居ないみたい。しっかりと確認を済ませた私は金平糖とティッシュを取り出して、床の上にティッシュを敷いて金平糖を少し乗せる。
「ねぇ、誰か手伝ってくれないかな?」
小声で呼び掛けるとどこからともなく数人の妖精さんが現れた。
『お、小森の嬢ちゃんか。またなにか困ってるのか?』
「うん、葛原さんにお仕事頼まれたから、皆に手伝って欲しいの。」
私は妖精さんとお話が出来るとっても珍しい人間だ。数が少ない提督の中でも妖精さんの言っている事を聞き取れる人はほとんど居ない。それどころか艦娘達でもお話出来る人はほとんど居ないらしい。そんな凄く希少な力を持っている事を私は誰にも言っていない。もちろん葛原さんにも秘密にしている。なぜなら人と違う事が出来るという事は、いじめられるという事だからだ。
海沿いの町で産まれた私は小さな頃から妖精さん達が見えていた。けれど他の子達には妖精さんの姿は見えない。だから私は何も無い場所で一人で喋っているように見えてしまい、お化けと話をする気持ち悪い奴としていじめられてしまった。その頃は深海棲艦の事をまだ誰も知らず、妖精さん達もただ遊んでくれてお話してくれる優しい子達だった。
深海棲艦の攻撃が激しくなってからは家族揃って山間部へと疎開したので、妖精さん達とは会えなくなってしまったが、私が15歳になって提督候補者を探す検査を受けた時に再会して、とても驚いたのを覚えている。それからはほぼ強制的に士官学校に入学し、妖精さん達の力を借りながら頑張っている。妖精さん達だけなら良かったけれど、教官や他の士官候補生達はとっても怖いし、艦娘達も人間と同じように見えるので、私をいじめていた人達を連想させて怖い。こんな怖がりな私が提督として指揮をするなんてとてもじゃないけれど無理だと思う。
とにかく今は葛原さんに守って貰って、提督として着任するのを先延ばしにしたい。その為には私が有能だと思って貰わなくてはならないのだ。そうでなければ追い出されてしまうかもしれないからだ。
「えっとね、葛原さんから街で多くの人が集まれる場所を探して欲しいって言われたの。そこで記者を集めて会見をするのと、前任者の私物を売りたいんだって。劇場とか映画館とかが良いって言ってたから、オークションでもするのかな?」
『鎮守府と海の事は知っているが、街の事はあまり知らないからなぁ・・・』
「うっ・・・そうだよね・・・」
妖精さん達は鎮守府で過ごすか、艦娘達と行動するかだからそうなるよね・・・
『そ、そう気を落とすなよ。とりあえず資料室に街の地図があったはずだ。持って来い。』
リーダー格の妖精さんの指示で数人の妖精さん達がトコトコと走っていく。
「ねぇ、街に出てた妖精さんは居ないの?」
『そうだなぁ・・・売られた艦娘達についてた奴らくらいか・・・ちょっと聞いてみるから待ってな。』
そう言って残っていた妖精さん達も部屋から飛び出して、他の妖精さん達に声をかけてくれる。つい先程もこうやって妖精さん達が情報を集めてくれたおかげで、戦闘の詳細な報告書を作る事が出来て、葛原さんに褒めて貰ったのだ。全ては妖精さん達のおかげです。
しばらく待っていると妖精さん達が新しい妖精さんを連れて、地図を持って戻って来た。
『話は聞いたクマ!!ちょうど良い場所を知っているクマ!!』
この子は球磨さんの所で働いている妖精さんかな?妖精さんにも個性があって、この子は球磨さんの影響をかなり受けてるみたい。
「どこが良いかな?」
『ここのホールが良いクマ。ここは演劇とかが出来るくらい広いクマ。それに舞台裏も広いから安心クマ。ついでに小ホールもあるからそっちで会見すれば良いクマ。』
持って来た地図を指して教えてくれる。鎮守府からもそんなに離れていないから、ここで大丈夫みたい。
「それなら葛原さんの言ってた条件を満たせるかも。ありがとう♪」
『ふふーん♪球磨が宗教絡みのイベントで連れていかれてたクマ。嫌な思い出だけど役に立ったなら良かったクマ。』
お礼に金平糖を少し追加してから、葛原さんに報告に行く。せっかく妖精さんのおかげで仕事が早く終わったのだから、早く伝えないとダメだよね。
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陸奥に今後の予定を伝えるとなんとも言えない苦笑いをしていた。隣で作業をしながら聞いていた大淀も少し驚いていたようだが、何も言わずに作業を続けてくれている。
「はぁ・・・良いわ、提督が決めた事だもの、ちゃんと手伝ってあげる。けどあんまり無理をしてはダメよ?」
「ああ、分かっている。」
「そう、じゃあ私は明石さんに話をして、前任者の私物のリストを持って来るわ。」
「ああ、頼んだ。・・・小森も終わったか?」
陸奥を見送ろうとしていたら、こっそりと自分の机に地図を置こうとしていた小森を見つけた。地図に印がついているので、良い場所が見つかったのだろう。
「あ、うん・・・ここ。」
「っ!?いつの間に!?」
「ひっ!?」
そしてお約束の如く驚く陸奥と、それに驚いて部屋の隅へと逃げて行く小森。
「あ、あらあら?そんなに怖がられるとお姉さん悲しいなぁ・・・私は長門型二番艦陸奥よ。あなたが噂の小森提督候補生かしら?」
そう尋ねられると小森は部屋の隅で怯えながら頷いている。その様子を見て陸奥は少し考えて、小森に近づいてからしゃがんで目線を下げる。ほう、いきなり目線の高さに気を配れるとはなかなかやるな。
「とっても怖がりな娘なのね?心配しなくても大丈夫よ?ここの皆は良い娘達だから、貴女に酷い事なんてしないわ。提督もちょっと顔が怖いけれど、そんなに悪い人じゃないわ。」
「あ、うん・・・葛原さんは私を守ってくれる良い人・・・だよ・・・」
「そうなの?そう言えば私よりも提督との付き合いが長かったのよね?昔の提督の話とか聞いてみたいけれど、今はお仕事中なの。また今度お話を聞かせて貰えるかしら?」
「あ、はい・・・」
「そう。楽しみにしているわ♪じゃあまたね小森さん♪」
そう言って陸奥は執務室から去って行った。まさかあの小森と会話が出来るとは・・・貴重なものが見られたものだ。
と言うことで小森ちゃん回でした。小森ちゃんは妖精さんと会話が出来るチート持ちでした。
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!