人事課の執務室で一息ついていると、憲兵隊の黒川が訪ねて来た。
「中井さん、北九州鎮守府の方はどうですか?」
「ええ、おそらく順調ですよ。葛原はきちんと謝罪会見を開く為の準備をしているようです。あいつはなんだかんだで上からの命令には従う奴ですからね。」
「ですがただで従う奴ではありますまい。何かしら小細工を考えているのでは?」
「もちろん考えているでしょう。とりあえずあいつは前任者の私物を販売する許可と拷問器具等の証拠品を憲兵隊に引き渡す許可を求めて来ましたよ。」
そう答えると黒川さんは難しい顔をする。
「前任者の私物を販売する許可ならば多少は想像がつきますが・・・証拠品の引き渡しに何の意味が?」
「さぁ?そっちはついでかカモフラージュのつもりではないですか?おそらく本命は私物の販売の方でしょう。」
「ふむ、そう言えば先程北条さんが織田を連れて北九州鎮守府へと向かったとの報告がありましたな。北条さんに前任者の私物を売って、まとまった資金を用意するつもりでは?」
「どうでしょう?北条さんの行動は読めませんからね・・・策略でもただの気まぐれでもあり得るのが怖いところですね。ただ葛原が資金を手にしたとして何をするかが分かりませんがね。まさかあいつが記者に賄賂を贈ろうなんて考えないと思いますし。」
黒川さんも少し悩んだがお手上げとばかりに首を振る。
「まあ、何かしら画策していると言うならば問題無いでしょう。せいぜい大きな問題を引き起こして貰いたいものですなぁ。」
「そこは間違い無いでしょう。あいつは頭は回るくせに、上から押さえつければ反発するバネのような単純な男です。あれだけ煽っておけば私と鶴野提督に対して何かしら攻撃をしてくるのは間違い無いでしょう。」
「はっはっは、恐ろしい男ですなぁ。」
「ええ、まったくです。」
「出来れば上手く久藤提督も巻き込んで、泥沼になってくれれば申し分無いのですが・・・」
「葛原も所詮は力の無い一人の提督です。鶴野提督とやりあうには久藤提督を巻き込むしか無いでしょう。」
「ええ、そうなれば我々の動く隙も生まれると言うものですな。」
「ですね。葛原提督には一生懸命頑張って欲しいものです。我々の理想の為に動く駒として。」
――――――――――――――――――
「久藤提督、ご報告があります。」
「なんだ?」
「先程北九州市の者から明日葛原提督が謝罪会見を開くとの連絡がありました。」
「ほほぅ、あいつがそんな真似したがるとは思えねぇから、大本営からの命令だろうな。」
鶴野のジジイが罪を押し付ける為にやったって考えるのが普通だな。だがそれにしてはやり方が杜撰だ。あのジジイなら情報操作くらいはもうやっているはずだ。そして大本営に圧力をかけて葛原に今回の事を黙っていろと命令すれば、そんなに大きな問題にはならないはずだ。俺が嫌がらせで広めている原田提督が敵前逃亡した話から目を反らす必要があったから、そんな大胆な手を打ったのか?
「それと葛原提督は謝罪会見の後に同じ会場で前任者の私物を販売するオークションを開くと言っているそうで、すでに北九州市の有力者の方々に声をかけているそうです。」
「はぁ・・・あいつもあいつで何をするつもりなんだ?」
謝罪会見と同じ会場に北九州市の有力者、つまり俺の派閥の連中を集めてどうするつもりだ?おそらく俺の派閥を謝罪会見に絡ませるつもりだろうが、そもそも俺の派閥の奴らには今回の戦いは原田提督が逃亡したせいで負けたと既に伝えている。混乱を引き起こして謝罪会見をうやむやにするつもりか?
「この一件どうされますか?」
「そうだな・・・」
今回の一件では葛原は俺に何も連絡はしなかった。つまり俺の力を当てにしてジジイとやりあうつもりは無いのだろう。だが俺の傘下の奴らを集めていると言うことは、強引に巻き込んでくる可能性はある。ジジイとの小競り合いは日常茶飯事だから問題はねぇが・・・問題なのは葛原がどういう目的で動いているかだな。
「とりあえずは様子見で良いだろう。オークションへの参加は各自の判断に任せるが、問題を起こさないように言っておけ。あと謝罪会見の方にこっちからも記者を送り込め。」
「はっ、かしこまりました。」
さて、どう動くのやら?あいつはそれなりに優秀みたいだから、出来れば今後も北九州を守っていて欲しいものだが・・・見物だな。
――――――――――――――――――
「おーほっほっほっ!!なかなかの品揃えですわね!!さあ、掘り出し物を探しますわよ!!」
提督から北条さんの案内役を任されたのだけれど・・・この人本当に提督の友達なのかしら?提督がこの人と仲良くしているイメージが全然湧かないのだけれど・・・
「えっと・・・北条さん?提督からはオークションに出す商品の値段設定をするって聞いたのですが?」
「陸奥さん・・・でしたか?安心しなさい。もちろん葛原からの頼み事はちゃんとやってあげますが、良い物があれば先に買い取って良いと約束してますの。ならば目利きにも興が乗ると言うものでしてよ?おーほっほっほっ!!」
そう言って高笑する北条さんに、若干不安を感じながらも倉庫にしまった商品を一つ一つ確認する。北条さんはぱっと見ただけでどんどん値段をつけていくので、私もどんどんと商品リストに書き込んでいく。この人本当に目利きをしているのかしら?とは言っても私には目利きの知識が無いから判断出来ないけれど・・・でも一応かなり高価な物もあれば安い物もあるので、北条さんなりに目利きはしているのかしら?
「これで全部ですね。ご協力ありがとうございます。」
「私にかかればざっとこんなものですわ!!おーほっほっほっ!!」
「確かに凄いスピードで判断されていて驚きました。」
「私の目にかかればこんなものですわ!!おーほっほっほっ!!私も様々な美術品を見る事が出来て楽しかったですわよ。名作も贋作も入り混じっておりましたし。」
「値段が安い物も多かったですね。贋作だと売り物にならないかもしれませんね・・・」
「あら?贋作でも良い物はありますのよ?確かにオリジナルではありませんが、オリジナルに近づこうと必死に努力した作品は、見応えがあって私は嫌いではありませんのよ?もちろん質の低い贋作は論外ですが。そう言う意味ではオリジナルよりも素晴らしい贋作のほうが珍しいかも知れませんわね。」
「なるほど・・・」
贋作を贋作と知ってなお質が良ければそれで良いっていう考えは、なんとなく提督と気が合いそうね。あの人は美術品なんて興味が無さそうだけど。ちょっとこの人に興味が湧いて来たかも?
「ではお仕事は終わりましたし、ここからはお買い物の時間ですわね♪」
「ふふっ、私もお付き合いさせて頂きます。」
最後だけへたって良い雰囲気の話を書いてしまった・・・まあ、いっか。
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
-
主人公葛原提督率いる問題児四天王
-
大淀
-
長門・陸奥
-
第七駆逐隊
-
川内・神通
-
明石・夕張・間宮・鳳翔
-
第六駆逐隊
-
北上&大井
-
青葉&衣笠
-
金剛姉妹
-
伊19・伊168
-
赤城&加賀
-
翔鶴&瑞鶴
-
白露型姉妹
-
島風&雪風
-
天龍&龍田
-
龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
-
朝潮・木曾・陽炎・不知火
-
叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
-
俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!