疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 今回から祝勝会のお話です。最近ドロドロしたお話を書けていない気がする。まあ次の日は人間相手のドロドロ系が待ってるはずだから、そこまでの我慢かな?


137話(祝勝会1)

 織田を連れて食堂に戻ると艦娘達が慌ただしく配膳の準備をしているところだった。座席の準備は整っているようで、既に座ってソワソワしている者達もいる。そして食堂の中央に少し周囲のテーブルから離れたテーブルがあり、そこに座っているのは・・・

 

「あら?遅かったですわね?もうすぐパーティーが始まりますわよ?主役が遅れては始められませんわよ?おーほっほっほっ!!」

 

 いつも通りに高笑いする北条が居るのは良いのだが・・・北条の前の席に若干顔が青ざめた小森が座っていた。北条に捕まったか・・・

 

「そうか、待たせたな。」

 

「おお!!お待たせ致した!!むむっ!!小森嬢も来ておられたか!?」

 

「あ・・・うん・・・」

 

「ふむふむ。これで自由の翼のメンバー勢揃いであるな!!これは吉兆!!今日の宴は我の提督就任と小森嬢の実地研修の開始、それに我が盟友が大戦果を上げた祝いである!!皆で大いに盛り上がろうぞ!!」

 

「おーほっほっほっ!!織田はよく理解しているようですわね!!褒めて差し上げるわ!!」

 

「ありがたき幸せ!!」

 

 織田と北条の茶番劇を横目に見つつ、自分は小森の隣に座って織田は北条の隣に座る。四人で集まる時はいつもこの席順だ。

 

「小森、大丈夫か?」

 

「う、うん・・・大丈夫・・・」

 

「また北条に捕まったのか?」

 

「呼ばれたからちゃんと来ただけ・・・」

 

「そうか・・・」

 

 意外だと思うかもしれないが、小森は誰かに呼ばれたらちゃんと来るのだ。だが見える範囲に来て様子を伺うだけで声はかけない。そしてしばらく様子を伺った後にその場からこっそり立ち去る習性がある。小森曰く『呼ばれたから来たけど、声をかけられなかったから帰った』との事。本人としては一応義理立てしてるつもりらしいが、結果としては呼び出しを無視しているので、教官連中や同期の奴等の多くは怒っていた。この事を小森に伝えた事があるが、目を逸らして『私はちゃんと行ってるから・・・』と言っていたので、悪い事をしている自覚はあるようだ。

 

「今日は小森さんの実地研修開始祝いも含めてますのよ?主役がかけてはパーティーが出来ませんわよ?おーほっほっほっ!!」

 

「あ・・・はい・・・」

 

 そして北条は小森の天敵と言っても過言ではない。なぜなら北条は小森の姿を普通に見つける事が出来るからだ。そして北条は背が高く、声が大きく、明るく社交的に話しかけてくる。小森が最も苦手とするタイプだ。幸い悪意を持って近づいてくるわけではないが、北条としては優秀な小森を自分の派閥に入れたい・・・というかむしろもう派閥の一員にカウントしているので、それはもう積極的に話しかける。当然どこにいても目立つ北条が話しかけるので、周囲の奴等も小森の存在を認識するようになるので、小森としてはかなりの負荷になるようだ。それでも呼ばれたら来るあたり律儀な性格なのだろうか?

 

「提督、よろしいでしょうか?」

 

「ん?間宮か。どうした?」

 

「準備が整いましたので、始めて頂いても宜しいでしょうか?」

 

「ああ、分かった。良く準備を整えてくれた。」

 

「ありがとうございます。」

 

 一礼して下がる間宮を見送って立ち上がり、周囲を見渡すと艦娘達が全員起立してこちらを見ている。多くの艦娘が期待に目を輝かせているようで、横須賀の艦隊も似たような感じか?

 

「総員、提督に敬礼!!」

 

 長門の号令で一斉に敬礼をしてくる。この辺は横須賀の艦隊もしっかり訓練されている。

 

「まずは集積地棲姫の迎撃と討伐に尽力してくれた事に感謝する。長門鎮守府の件は非常に残念だったが、北九州の地に一切の被害を与えなかった事は素晴らしい戦果だ。皆も理解しているとは思うが、今回の一件は横須賀鎮守府の艦隊が居たから勝てた戦いだ。北九州の危機を救ってくれた事に感謝する。では祝勝会を始める前に紹介しておきたい者達がいる。私の士官学校時代の同期で今後関わる事があるだろう。」

 

 織田と北条は堂々と胸を張って、小森はビクビクしながら注目を浴びる。小森は本当はすぐにでも逃げ出したいのだろうが、逃げようとすると北条に止められて余計に注目を浴びるので、とりあえず耐えているのだろう。早めに終わらせてやるのが情けというものか・・・ 

 

「まずはこの北九州鎮守府に実地研修で来た小森だ。人見知りが激しく臆病な奴だから、あまり怖がらせないように接してやってくれ。」

 

 目線を小森の方に向けると一瞬ビクッ!!となったが、状況を察して諦めたようだ。

 

「こ・・・小森・・・です・・・」

 

 名前だけ言ってペコリと頭を下げて小森の挨拶は終わった。まあ、小森にしては頑張ったのではないか?

 

「次に明日から隣の長門鎮守府に着任する事になった織田だ。こいつは妄想癖があるので話す時は話し半分に聞いておけ。」

 

「ちょ!?盟友よ!!それは酷くないか!?ごほん!!我こそは第六天魔王織田信長の子孫にして、いずれはこの世界の覇権を握る漢!!そしてここに居る葛原の唯一無二の盟友!!織田信雄である!!」

 

 こちらの牽制も無視して堂々といつもの設定を叫ぶとは・・・ある意味大物なのか?艦娘達の反応は様々で呆然として反応に困っている者、冷ややかな目で見ている者、逆にカッコいいと目を輝かせている者、苦笑しているものなど様々だ。まあ、こいつはどうでも良いか。

 

「んんっ、最後に私の同期の北条だ。北条は北条工業の社長令嬢で、今回は祝勝会の為に多くの食材を持って来てくれた。皆感謝するように。」

 

「おーほっほっほっ!!ただいまご紹介頂いた北条ですわ!!葛原は私の派閥の一員ですわ!!ですからあなた達の後ろには北条工業がついていますの!!あなた達は北条工業からの手厚いサポートを受けて、葛原の指揮下で屈強な艦隊を目指しなさい!!おーほっほっほっ!!」

 

「おい!?私はお前の派閥に入るつもりは無いと言っているだろうが!!」

 

「将来的には私の派閥に入るのでしょう?なら問題ありませんわ!!おーほっほっほっ!!」

 

「はぁ・・・もういい・・・せっかくの食事が冷めてしまう・・・んんっ、では紹介は以上だ。せっかくの祝勝会だから思いっきり楽しんで、明日からの活力としてくれ。以上だ。」

 

「総員、提督に敬礼!!」

 

 挨拶を終えると間宮の指示で全員にステーキが配られていく。今回は北条が持って来た神戸牛のステーキがメインで配られ、その他はバイキング形式で好きなものを食べられるようだ。食後のデザートも種類が豊富で量もあるので、艦娘達は大喜びだろう。さて、色々あったがまずは食事を楽しむとするか。

 

――――――――――――――――――

 

「なな、なん・・・こんなに大きなお肉!?」

 

「あああ、秋月姉・・・だ、大丈夫?」

 

「て、照月姉さんも震えて・・・」

 

『これはなんのお肉ですの?わたくしせっかくのディナーに安いお肉は嫌ですわよ?』

 

『ちょ!?熊野!!失礼なこと言ったらダメだって!!』

 

『えっと・・・最高級の神戸牛らしいですよ。』

 

『え!?マジで!?』

 

『あら?それは楽しみですわね♪』

 

「こここ、神戸牛!?物凄く高いお肉!?」

 

「はわわわわ!?!?」

 

「秋月姉さん、照月姉さん、これは涼月達の手に余る代物です・・・ここは撤退を・・・」

 

「あー、やっぱり秋月ちゃん達ステーキ食べないの?なら私達で貰って良い?」

 

「飛龍さん!!是非!!是非お願いします!!」

 

「ありがと♪こんなに美味しいのに♪」

 

「いえ、やっぱり落ち着きませんので。秋月達のご馳走は銀シャリで良いのです。」

 

「そ、そうですね。幸いおつけものも用意して下さってますし。」

 

「美しい銀シャリですね。頂きましょう。」

 

「「「頂きます。」」」

 

『見て見て!!いっちばんたくさんご飯を盛れたよ!!』

 

『むぅ・・・夕立も負けないっぽい!!』

 

『もう!!食事中に遊ばないでよ!!このお米も凄く良いやつらしいから落としたらもったいないんだからね!!』

 

『えっと、魚沼産のコシヒカリですね、はい。』

 

『ふ~ん、それって高いの?』

 

『えっと・・・お米の最高級の品種ですし、産地は新潟ですから・・・輸送が困難な状況ですから物凄い値段になると思います、はい・・・』

 

「「「ぐふ・・・」」」

 

「秋月!?照月!?涼月!?」

 

「はぁ・・・しょうがないわね・・・誰かこの娘達を部屋に連れて帰ってくれる?もう、部屋で戦闘糧食でも食べさせておきなさい。」




 どうしても書きたかった秋月姉妹のネタ。後悔はしていない。
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