疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 久しぶりのドロドロ回♪でもドロドロな書き方を忘れてしまったかも・・・


143話(鶴野提督)

 面倒事の気配をひしひしと感じるが、どうせ避けられないのだからさっさと済ませよう。

 

「北九州鎮守府所属の葛原です。」

 

「舞鶴の鶴野じゃ。」

 

「それでどのようなご用件ですか?現在作戦行動中ですので手短にお願いします。」

 

「それはご苦労な事だ。では単刀直入に行こうかのう。明日の謝罪会見を中止しろ。」

 

「・・・・・・は?」

 

「だから明日の謝罪会見を中止しろと言っておるのじゃ。」

 

 どういう事だ?この件は鶴野提督が仕組んだ話だろう?久藤提督の介入で想定外の事態が起こったから、全て無かった事にしようとしているのだろうか?

 

「はぁ・・・なにを今さら・・・散々嫌がらせをしておいて中止せよですか?」

 

「ふん、わしはこの件には関わっておらんぞ愚か者めが。」

 

 はぁ?そんな話を信用するとでも思っているのかこいつは?

 

「はぁ?あまり面白くない冗談ですね。原田提督の失態から目を反らす為に、私が今回の敗因だと広めたいのでしょう?実際に既にそういう話が広まっているようですが?」

 

「ふん、それは被害を受けた長門市の皆が納得出来るように事実を話してやっただけじゃ。」

 

「ほう?事実ですか?私には原田提督の妄想を元にした作り話を広めているように感じましたけれど?」

 

「これだから貴様は小僧なのじゃよ。事実なんてものは見る者によって姿を変えるものじゃ。今最も大事なのはこの敗戦の影響をどうやって最小限に抑えるかじゃろう?その為の方法を考えるのが政治と言うものじゃ。」

 

 誤魔化すつもりも悪びれるつもりもないか。その上で鶴野提督が流した情報が事実だと言い張るとは・・・どれだけ面の皮が厚いんだ?

 

「はぁ・・・ここで追及するのは時間の無駄でしょうね。」

 

「ほほぅ?物分かりが良いではないか?ならばさっさと謝罪会見の中止もしろ。せっかくわしが苦労して今回の件を収める為に動いておるのに、それを引っ掻き回すような真似をしおって、この愚か者が。」

 

「その話もここでやるだけ無駄ですよ。今回の会見は大本営の命令で動いている事です。お得意の政治で大本営に掛け合えば宜しいのでは?」

 

「そうすると既に連絡をした者達からの反感が大本営に集まってしまうじゃろうが!!貴様が適当な理由で中止にすれば事足りる話じゃ!!」

 

 はぁ?ただでさえこちらに悪い印象を押し付けておいて、さらに自分の計画が失敗しそうだからと言って、その責任も押し付けようと言うつもりだろうか?政治とやらはずいぶんと恥知らずな事らしいな。

 

「はぁ?なにか勘違いしているようですが、私が鶴野提督の命令に従う必要はありません。命令したいのであれば一度大本営を通して下さい。大本営を傀儡にしているのであれば簡単なはずでしょう?」

 

「生意気な小僧め・・・何を企んでおる?」

 

「私も暇ではないのですから、そんな大がかりな事は出来ませんよ。」

 

「しらばっくれるな!!今回の謝罪会見と共にオークションを開催するだろうが!!そうやって多くの人を集めて何をするつもりじゃ!?」

 

 ほう?あの糞ジジイが声を荒げるとは、思っていたより余裕が無いのだろうか?

 

「ええ、どうせ人が集まるならばと面倒な仕事を一緒に済ませるだけですよ。」

 

「それを信じろとでも?笑えん冗談じゃ。」

 

「冗談ではありません。これが私にとっての事実というやつですよ?」

 

「小僧、意趣返しのつもりか?横須賀まで巻き込もうとしておきながら、ただのオークションですとでも言うつもりかのう?」

 

 横須賀を巻き込む?なんの話だ?横須賀艦隊に増援に来て貰ったのは姫級の対応の為だ。会見やオークションには関わらないはずだが?

 

「・・・なんの話ですか?横須賀には関係の無い話でしょう?」

 

「まだしらばっくれるつもりか!!あの海原の弟が明日の会見に参加する為に外出許可を取ったのは、すでにわしの耳に入っておるぞ?」

 

 その件は初耳だな。今回話題に出た海原弟こと海原朔真(さくま)は横須賀の海原提督の弟で、士官学校で同期だった男だ。成績は学年三位でそれなりに優秀な奴だったのだが・・・なんであいつがわざわざ来るのだろうか?兄とは違って腹黒い奴なので、なにか企んでいるのだろうが・・・

 

「・・・はぁ?呼んだ覚えはありませんが、それがなにか?」

 

「それがなにかではないわ!!何を企んでおるのかは知らんが、わしの邪魔をするならただではおかんぞ!?」

 

「だったらさっさと大本営に圧力をかけて会見を潰せば良いでしょう?これ以上は話にならないようですからここまでにしませんか?私は茶飲み話に付き合うほど暇ではないので。」

 

「チッ、この件は忘れんからな?」

 

 鶴野提督もこれ以上は無駄だと判断して、さっさと通信を切ってくれた。それにしても今回の一件は想定していたよりも大きな話になっている気がする。久藤提督の介入があるのは予想の範囲内だが、海原弟まで動くとは完全に想定外だ。となると裏で介入している奴がまだ他にいると考えるべきだが・・・情報が少な過ぎるか・・・

 

「ねぇ提督?」

 

「どうした曙?」

 

「コーヒーでも用意するから、少し気分転換でもしてくれないかしら?」

 

「ん?先程まで食事をしていたのだから、まだ休憩には早いと思うが?」

 

「私は大丈夫だけど、提督が怖い顔してるから漣達が震えてるのよ。」

 

 言われて漣達の方を向くと、3人で固まって震えていた。怖がりな潮はともかく漣と朧も震えているのか・・・

 

「・・・そうか。なら少し休憩するとしよう。川内からはまだ連絡が無いのだろう?」

 

「そうね。でももうそろそろ基地のレーダー圏内から出るはずよ。」

 

「ならコーヒーを飲む余裕くらいはあるか。」

 

「あ、なら漣達が準備しますから、ぼのたんはご主人様を宜しく!!」

 

 そう言って漣は朧と潮を連れて、慌てて執務室から走り去っていく。

 

「・・・逃げたわね。」

 

「・・・そんなに怖がらせてしまったか?」

 

「・・・漣達が気にし過ぎなだけよ。私はもう慣れたわ。」

 

「・・・そうか。」

 

 確かに鶴野提督との会話は不快の一言だが、だからと言って漣達に八つ当たりするつもりはないのだが・・・漣達が前任者や売られた先での事を思い出してしまうのは仕方ないか・・・こればかりはまだまだ時間がかかるだろうな。




 どんどん話をややこしくしたがるのが作者の悪い癖なのでは?
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