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朝潮達を見送ってから朧を連れて執務室へと戻る。朧は道中で何か考え事をしていたのか、黙って難しい顔をしていた。執務室に戻るともう大淀が出てきていた。
「提督、おはようございます。」
「ああ、おはよう。悪いが一通り引き継ぎを済ませたら少し休ませて貰う。曙達も仮眠は取らせたが後は大淀に任せて休ませるつもりだ。」
「ええ、お任せ下さい。昨夜の出来事については曙さんから聞いております。そんな時にお酒を飲んでしまって仕事が出来なくて申し訳ございません。」
「いや、私が許可をした事だから大淀が気にする事ではない。今日の予定だがまず大きいところは会見とオークションの開催だな。会見に関しては大本営がなにか言ってくるかもしれないが、どちらにせよオークションは開催する予定だ。会見が夕方からでオークションはその後だが、午前中に配送業者が商品を受け取りに来る。対応は陸奥と明石に任せてある。」
「はい、準備は滞りなく進めておきます。」
「それと長門鎮守府に物資を輸送したい。昨日輸送船で回収した分を持って行かせる。ああ、それと高速建造材が余っていたはずだ。しばらく建造する予定は無いからあれも追加してくれ。輸送船の護衛は木曾と暁型姉妹で良いだろう。木曾には現地で被害調査と霞の手伝いを任せたい。」
「被害調査もですか?それは現地に着任する織田提督の仕事なのでは?」
「それはそうなのだが、私も長門鎮守府を立て直すのにどれくらい時間がかかるか知りたい。元の状態を知っている者が居たほうが、仕事が早く終わるはずだ。」
「分かりました。では手配しておきます。」
とりあえずこんなものだろうか?後は大本営の奴らがどう動くかだな。
コンコンコン
「叢雲よ。ちょっと良いかしら?」
「入れ。」
「今後の事で少し相談があるのだけど・・・」
「どうした?確か今日は残党狩りをしてから横須賀に帰還する予定だったはずだが?」
だが昨夜は戦艦棲姫との戦いもあったから、状況が変わっているか?
「昨日の戦艦棲姫戦だけど、思っていたよりも深海棲艦の数が多かったのよ。ほとんどが佐世保が対処してくれたから問題にはなってないけど、ちょっと気になるのよね・・・だから私達で調査をしたいから、もう少し滞在期間を伸ばさせて貰えないかしら?」
確かに戦艦棲姫はボロボロの状態で佐世保の艦隊から逃げ出していた。その時他の深海棲艦は佐世保の足止めをしていたとの事なので、戦艦棲姫が引き連れていた深海棲艦は少ないはずだ。にも関わらず佐世保の追撃を止める艦隊とこちらの陽動艦隊に差し向けた艦隊の2つを用意した。しかもその前に川内が残党狩りもしていた。そう考えると確かに多い。どこから集めてきたのかは気になるところだ。
「分かった。必要なだけ滞在して構わない。」
「助かるわ。じゃあ調査艦隊を編成して送り出したら私は休ませて貰うわ。」
「ああ、それにしてもまた姫級か?」
「その可能性はかなり低いけど、調査をしないとなんとも言えないわね。もし姫級が居たのなら私達が討伐するから心配いらないわ。それじゃもう行くわ。」
ふぅ・・・姫級との連戦であっても気負うところが無いか・・・あれこそが強者故の余裕というやつか。
「大淀も聞いたな。引き続き横須賀の艦隊が動き易いように手配してくれ。」
「了解しました。・・・・・・提督、正門の憲兵隊詰所から本日の打ち合わせをしたいとの連絡がありましたが、どうされますか?」
「分かった。執務室に呼んでくれ。」
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「お待たせしました。憲兵隊北九州基地所属の金子です。」
ふむ、この顔には見覚えがある。平川元市長の元から艦娘を回収する時に憲兵隊の代表をしていた男だ。平川を唆して逃亡させて撃ち殺したのでしっかりと覚えている。つまりは久藤提督側についている憲兵のはずだ。
「艦娘救出作戦の時はお世話になりました。今回は会見での護衛を務めて頂けるのでしたね。」
「ええ、提督の安全を守る事も我々憲兵隊の任務ですから。」
「では部隊の指揮は金子さんが担当されるという事で宜しいですか?」
「ええ、今回は車3台と私を含めた10人の隊員で護衛をする計画です。」
「こちらは私と補佐の艦娘を二人連れて行こうかと考えていますが大丈夫ですか?」
「ええ、もちろん構いません。それと我々の上官である黒川より指示を受けまして、会見で話す内容を書いております。この内容通りの事を話すようにとのご命令です。」
「・・・拝見しましょう。」
鶴野提督に圧力をかけられたにも関わらず、中止という選択はしなかったようだな。だが会見で話す内容はかなり丸くなっている。自分に責任を押し付けるような内容ではなく、当事者として事実の説明をする形になっている。まあ、事実とは言え大本営に都合の良い事実なので、原田提督が敵前逃亡した事は隠されている。ふっ、現在行方を捜索中だが鎮守府の惨状から発見は困難であると予測されるか。まるで鎮守府で殉職したかのような言い草だな。あと都合の悪い部分は軍事機密という事になる。便利な言葉だな。
「大本営はずいぶんと方針を変えられたようですね?何か理由でも?」
「さぁ?我々現場の人間には上の連中が考えている事など分かりませんよ。」
ふむ、しらばっくれているだけか本当に知らないのかは判断出来ないな。
「ちなみに今回の件で久藤提督は何か言っていましたか?」
「久藤提督は傘下の方々に今回の件は下手に手を出すなと通達していました。会見もオークションも参加はして良いが問題を起こすなと。」
「ずいぶんと消極的なのですね?ちなみにですがもし仮に問題を起こすような方が居た場合は、どういう扱いになりますか?」
「久藤提督のご命令に逆らうのであれば、久藤提督が保護する必要性はありません。法に反するようであれば我々憲兵隊の出番ですね。」
ふむ・・・久藤提督はかなり今回の件を警戒しているのか?それならば潰すような動きをしてもおかしくはないのだが・・・
「分かりました。もしもの時は宜しくお願いします。」
「では会見は17時からですので16時頃に鎮守府を出発で宜しいですか?」
「ええ、それでお願いします。」
「分かりました。では私はこれで失礼します。」
金子さんが執務室を去ろうとするので、大淀に正門まで送るように指示を出す。金子さんは執務室から退室する直前に立ち止まる。
「これは独り言ですが、最近うるさい人が鎮守府の周囲で騒いでいて困っているのですよ。何か問題を起こせば捕まえられるのですが・・・」
鎮守府の近くで騒いでいる奴、普通の相手ならそれ自体を問題として捕まえる事も出来る。そしてこのタイミングで言うならば、それは会見の場で久藤提督の意思を無視する派閥の人間を見せしめとして捕まえたいとかだろうか?例えば副市長の源さんとか?
「・・・私も独り言ですが、最近ハエがブンブンとうるさくて困っていまして・・・どうにかしたいものです。」
「ふふっ、お互い大変ですねぇ。」
そう言い残して金子さんは執務室から去って行った。あの様子ならばこちらの意図もちゃんと伝わっているだろう。後はどうやって問題を起こさせるかだが・・・正直放っておいても問題を起こしそうではある。まあ、最悪激昂させて掴みかかって来たら捕まえるとかでも良いか。
名前のなかったモブ憲兵さんに名前が付きました。今後も活躍の機会がきっとあるはずです。
【バレンタインif争奪戦】もうすぐバレンタインなので、疑心暗鬼提督ifでの出番をかけたアンケートです。今回は原作にバレンタインmodeがある、この作品に登場している。という条件でやってみます。ちなみに曙は去年やったので今回はお休みです。
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睦月
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如月
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時雨
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春雨
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鹿島
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衣笠
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朧
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潮
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球磨
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明石