コンコンコン
「加賀です。少し宜しいでしょうか?」
「入れ。」
憲兵の金子さんが退出したすぐ後に、加賀が執務室を訪ねて来た。
「おはようございます。」
「ああ、おはよう。それで要件は?」
「演習の許可を頂きたいです。昨日瑞鶴からも鍛え直して欲しいと言われましたので。」
ふむ、瑞鶴が面談の後で直接加賀に話をしたのか。瑞鶴が持ち直したのも加賀の言葉があったからだったし、かなり意識しているようだな。
「分かった。許可しよう。私が納得出来るまで瑞鶴には出撃させないつもりだ。遠慮なく鍛えてやれ。必要ならば手が空いている者に手伝わせても構わん。」
「ありがとうございます。それでは失礼します。」
ふむ、とりあえずはお手並み拝見だな。もし成果が出なければまた別の方法を考えれば良い。それにしても仮眠を取ったとはいえ寝不足で頭が少し痛い。大淀が戻って来たら後は任せよう。
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ようやく提督がお休みになられたので、出来れば緊急の案件が無ければ良いのですが・・・まずは朝の連絡からですね。
『皆さんおはよう御座います。本日の予定ですが、16時頃から提督が会見とオークションの為に外出します。それにともない午前中に配送業者の方が荷物を受け取りに来られます。予定通り陸奥さんと明石さんで対応をお願いします。それと輸送船で長門鎮守府に資材を運びますので、木曽さんと第六駆逐隊は食事が終わったらすぐに出撃準備をしてください。あと追加で高速建造材も載せるので積み込みもお願いします。あと連絡事項として横須賀鎮守府の方々が調査の為にもうしばらく滞在する事になりました。横須賀の方からなにか要望があれば、出来る限り協力をお願いします。以上です。』
さて、昨夜働けなかった分お仕事を頑張りましょう。まずは報告書の作成ですね。昨夜の戦闘報告書はまだ提出されていませんが、資材の増減やドロップ艦の報告など出来る物は早めに手をつけておきましょう。
「大淀さん、間宮です。朝食の準備が出来ましたので受け入れを開始します。」
「はい、宜しくお願いします。」
「提督のお食事はどうしたら良いでしょうか?」
「提督は先程休まれましたので・・・おそらく昼前には起床されると思いますので、なにか手軽に食べられる物があると良いかもしれません。」
「分かりました。準備しておきます。」
「それと申し訳無いのですが・・・私も執務であまり余裕が無さそうですので、何か片手間に食べられる物を用意して頂けないでしょうか?」
「分かりました。あまり無理をしてはいけませんよ?」
「お気遣いありがとうございます。」
とは言え秘書艦としての務めを果たさなくてはなりません。昨夜はお酒を飲んでしまったので、大事な時に役に立たなくなってしまいました・・・提督から自分がお酒を飲んで構わないと許可したのだから気にするなと言われましたが・・・秘書艦の仕事は私の存在意義です。私が秘書艦として一番有能だという事を証明し続けなければなりません!!
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提督から演習の許可も頂いたので、まずは朝食を頂きましょう。一度部屋に戻ってお腹を空かせた赤城さんと合流して食堂に向かうと、既に何人か並んでいます。少し出遅れましたね。
「今日のごはんも美味しそうですね〜加賀さん♪」
「そうですね。気分が高揚します。」
「昨夜のご馳走も素晴らしかったですが、こういう和食の朝食も良いですよね♪」
「やはり和食は落ち着きますね。」
一番前では間宮さんとお手伝いの娘達が配膳をしてくれています。食器も大中小とあって、人によって使い分けています。当然私と赤城さんは大ですね。間宮さんから朝食を受け取って座る場所を探していると、五航戦が食事をしているのを見つけました。今のうちに演習について話しておきましょう。
「ここ良いかしら?」
「か、加賀さん!?」
「あら、赤城さん、加賀さんおはよう御座います。どうぞ座って下さい。」
「おはよう御座います。翔鶴さん。失礼しますね。」
「ええ、おはよう御座います。」
「ほら、瑞鶴もちゃんと挨拶しなさい。」
「お、おはよう御座います・・・」
瑞鶴は何を緊張しているのかしら?この娘は私とは性格が違い過ぎて、何を考えているのかよく分からないのよね・・・でも悪い娘じゃないわ。
「瑞鶴、提督から演習の許可を頂きました。今日から徹底的に叩き直すから覚悟しなさい。」
「っ!?お、お願いします!!」
やはりやる気はあるみたいね。提督から私が瑞鶴の助命嘆願をした事が伝わってしまったようで少し気恥ずかしいのだけど、五航戦が立ち直るきっかけになってくれたのなら良かったわ。
「最初に言っておきますが・・・私は人に物を教えるのが苦手です。」
「えぇ!?じゃあどうするってのよ!?」
「ですから瑞鶴には私と一対一で何度も戦って、戦闘経験を積ませます。何度も叩きのめしてあげるから、後は自分で課題を見つけて学習しなさい。」
「っ!?上等よ!!簡単にはやられないわ!!絶対に返り討ちにしてやるんだから!!」
これくらいの気概があるなら大丈夫そうね。負ける気は全くありませんが。
「ふん、鎧袖一触よ。赤城さんと翔鶴には私達のサポートをして貰いたいのだけど良いかしら?」
「はい、良いですよ。」
「もちろんです。瑞鶴を宜しくお願いします。」
「話はまとまったわね。じゃあ食事を済ませたらすぐに始めましょう。」
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長門鎮守府への輸送任務か・・・これのせいで昨日の夜戦に出られなかったのか・・・誰かがやらなきゃならねぇ仕事だから仕方ねえけどさ・・・
「木曽さん、第六駆逐隊出撃準備完了したわ!!」
「おう、高速建造材も積んだか?」
「もちろんよ!!暁は一人前のレディだから、ちゃんとお仕事出来るんだから!!」
「うし、じゃあ連絡入れてさっさと行くか。・・・こちら木曽だ。出撃準備が整った。」
「了解しました。それでは輸送任務に出発して下さい。それと現地で被害調査の手伝いもお願いします。長門鎮守府の霞さんから他になにか要望がある場合は、出来る限り協力してやって欲しいとの事です。」
協力ねぇ・・・長門鎮守府がどれだけ原型を留めているか分からねぇけど、一応だいたいの施設の場所くらいは分かるか?流石に戦闘や遠征の記録なんかは燃えてるだろうなぁ・・・
「分かった。出来る範囲でやってみるよ。」
「宜しくお願いします。では出撃して下さい。」
「おう、行って来る。」
それじゃあ輸送任務に行くか。はぁ・・・途中ではぐれとか居ねぇかなぁ?居たら少しは憂さ晴らしが出来るのによ・・・
「許可が出たから出撃するぞ。響は輸送船の運転頼んだぞ。」
「ダー、任せてよ。」
「雷と電も準備出来てるな?」
「もちろんよ!!いつでも行けるわ!!」
「電も大丈夫なのです!!」
「うし、じゃあ出撃だ。」
資材を満載した輸送船を囲うように陣形を組んで航行する。とは言ってもまだ基地レーダーの範囲内だから、あまり警戒する必要が無いけどな。それにしても俺達が守れなかった鎮守府と街を確認して来いか・・・
「あの・・・木曽さん・・・」
「ん?どうした電?」
「もしかしてなのですが・・・あんまり元気が無いのです?」
「・・・んな事ねぇよ。」
「なになに?困ってるなら私を頼っても良いのよ♪」
「大丈夫だからちゃんと警戒しててくれ。」
「分かったわ!!」
チッ、駆逐艦に気遣われるようじゃダメだな。気合入れなおさねぇとな。
バレンタイン企画のアンケートでは春雨がぶっちぎりで一位でした。悪雨ちゃん効果ですかね?頑張って妄想を膨らませてみます。
【バレンタインif争奪戦】もうすぐバレンタインなので、疑心暗鬼提督ifでの出番をかけたアンケートです。今回は原作にバレンタインmodeがある、この作品に登場している。という条件でやってみます。ちなみに曙は去年やったので今回はお休みです。
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睦月
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如月
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時雨
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春雨
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鹿島
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衣笠
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朧
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潮
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球磨
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明石