疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 更新ペースは落ちても地道に更新中。


174話(艦娘新聞検閲&叢雲の頼み)

コンコンコン

 

「失礼します!!青葉です!!今お時間宜しいでしょうか?」

 

「入れ。」

 

 島津提督とのやり取りが終わって一息ついていたら、執務室に青葉がやってきた。ニコニコ笑顔で何かポスターサイズくらいのものを持っているから、艦娘新聞とやらの掲載許可を貰いに来たのか?まあ、今は川内達も接敵していないし、執務室から動かずに出来る仕事なら問題無いか。

 

「司令官!!新しい艦娘新聞を持ってきました!!確認と掲載の許可をお願いします!!」

 

「ふむ、では見せて貰おう。」

 

「はい!!是非読んでみて下さい!!」

 

 差し出された新聞を手に取るとその新聞は4枚重なっていた。

 

「今回はずいぶんと書いたのだな?」

 

「いや〜今回は本当に書きたい事が次から次へとありましたので、ついつい書いてしまいました。」

 

「そうか。」

 

 一枚目は昨日の防衛戦と夜間の対戦艦棲姫戦がメインのようだ。各艦の活躍と皆の無事が祝われており、なかなか明るい内容となっている。だが下の方に大きく『命令違反、ダメ、絶対!!』と書かれていて、川内が命令違反により営倉送りとなった事が報じられていた。

 

「この件に関しては情報はもう伝わっているのでは?」

 

「ええ、まあその・・・神通さんが戒めの為に是非載せて欲しいと・・・神通さん曰く『姉さんは多大な功績を上げたものの、命令違反を犯してしまいました。ここできちんと罰せられる姿を示しておかないと、規律を守ることが出来ません。』との事です。」

 

 ふむ、一応川内の了承はあるのか。神通が勝手に動いた事は気になるが、神通も姉の手綱を握る為に頑張っているのだろう。

 

「分かった。なら次は祝勝会の様子か・・・」

 

「はい!!そっちは楽しい記事ばかりです!!」

 

 この記事は写真が多めで少しずつ解説が入っているくらいのようだ。どれも楽しそうな写真ばかりで特に問題はなさそうか。

 

「・・・ん?これは?」

 

「どれですか?ああ、潮ちゃんお手製甘々コーヒー漣スペシャルですか?第七駆逐隊の娘達が凄いの作ってたから、司令官に持って行く前に写真を撮らせて貰ったんですよ。いや〜なかなか豪華なコーヒーでしたね。司令官も美味しく召し上がったと聞いていますが?」

 

「まあ、悪くはなかったな。かなり驚いたが。」

 

「まあ、コーヒーを頼んであれが出てきたらビックリしますよねぇ。それにしても司令官が甘党なのはちょっと意外でした。」

 

「そうか?」

 

「ええ、なんだか司令官は難しい顔をしながらブラックコーヒーを飲んでいるイメージでしたから、甘いものを食べて喜んでいる姿はちょっと想像出来ませんでした。艦娘の皆はだいたい甘いものが好きですから、これはちょっと親近感が湧きますね♪」

 

 甘いものが好きなのはそれほど意外だったのか。頭を働かせるには糖分が必要なのだがな。さて、3枚目の内容は新しく着任した艦娘達のインタビューか。元長門組とドロップ組の合わせて九人の艦娘達が紹介していて、内容も特に問題なさそうだ。さて4枚目は・・・

 

「えっ?3枚目にはノーコメントですか?」

 

「特に問題は無さそうだが?」

 

「問題の有無じゃなくてもっと興味を持って欲しいのですが・・・」

 

「ん?内容の確認が必要だったのでは?」

 

「いや、それはそうなのですが・・・まあ良いです。次にいきましょう・・・」

 

 なんだか青葉が落ち込んだようだが、なにが言いたかったのだろうか?とりあえず4枚目に目を通してみる。内容としては自分の同期の3人についての話らしい。織田と北条の写真はあるが小森の写真は無いようだ。やはり撮影に失敗したようだな。

 

「ふむ、あいつらが自分の友達として紹介されているのが気になるが、一応問題は無いか。」

 

「え?友達じゃないんですか?」

 

「士官学校の同期だ。多少関わる事が多いがな。」

 

「青葉には仲良さそうに見えましたが・・・」

 

「まあ、それなりの付き合いではあるからな。とりあえず新聞の内容に問題は無さそうだ。掲載する事を許可しよう。」

 

「ありがとうございます!!ではさっそく掲載してきますね!!」

 

 なんだか寂しそうな表情をしていたが、掲載の許可を出すとすぐにニコニコ笑顔になって、執務室から去っていく。よく分からないがこれで良いか。

 

コンコンコン

 

「叢雲よ。少し良いかしら?」

 

「ああ。」

 

 叢雲が執務室に入室すると、その後ろから秋月型姉妹の3人も一緒について来た。

 

「「「し、失礼します!!」」」

 

 なにやら緊張した雰囲気で敬礼をしてきたので、それに応えておく。

 

「それで要件は?」

 

「まずは今日の報告ね。大淀さんから聞いたかもしれないけれど、周辺海域の哨戒をしていくつか小さな拠点は潰したわ。特に大規模なものもなかったから、しばらくは大規模な攻勢は無いと思うわ。潰した場所については資料の方を見て貰えるかしら?」

 

 叢雲から渡された資料に目を通すと、それなりに遠くの方まで哨戒をしてくれたようだ。何事にも例外はあるので油断は出来ないが、これでしばらくは安泰だと思われる。

 

「なるほど。」

 

「それで調査も終わったから、明日の朝に帰るわ。その前に一つだけ私的な頼みがあるのだけど良いかしら?」

 

「ん?横須賀鎮守府からの依頼ではなく叢雲の個人的な頼みという事か?今回の恩義もあるし出来る範囲でなら協力しようと思うが・・・」

 

「そう、助かるわ。まあ、この3人からの頼みなのだけど、そんなに難しい話じゃないから安心して。ほら、場は作ってあげたからあとは自分達で言いなさい。」

 

 そう言うと叢雲は少し下がって秋月達に前に出るように促す。それにしても秋月型からの頼みか・・・食事関連か?意を決したように秋月が一歩前に出る。

 

「えっと・・・葛原提督は私達秋月型姉妹の事をどれくらいご存知でしょうか?」

 

「対空性能に特化した防空駆逐艦と認識している。」

 

「では軍艦防波堤についてはご存知ですか?」

 

「いや、聞き覚えがないな。」

 

「そうですか・・・」

 

 聞き慣れない単語だったので、素直に知らないと伝えると秋月達が少し悲しそうな雰囲気になる。

 

「その軍艦防波堤とはなんだ?」

 

「えっと・・・この北九州には軍艦としての涼月と冬月が沈んでまして、防波堤としてずっと守っていて、えっとえっと・・・」

 

「秋月姉落ち着いて。私がちゃんと説明するから。えっと、まず軍艦防波堤というのは戦後に生き残った軍艦を解体した後に、防波堤として再利用するために埋設したものです。そしてこの北九州の地には私達の姉妹艦である涼月と冬月が眠っているの。だから横須賀に帰る前に会いに行きたいんです。」

 

「なるほど。その程度なら問題ない。曙、軍艦防波堤の場所を調べられるか?」

 

「だいたいの場所は知ってるわ。たしかその辺りに艦娘新教の支部があったはずよ。艦娘涼月の縁の地だから聖地として管理してるとかじゃなかったかしら?そのあたりの事情は球磨さんが詳しいと思うけど?」

 

「艦娘新教か・・・」

 

 少し面倒な話になったな・・・球磨は艦娘新教のところで働かされていたのだったな。あとは艦娘新教と言えば市長候補だった東雲さんがいたな。だが東雲さんは信徒の一人であって、艦娘新教に対しての影響力は低いだろう。だが支部のトップとの繋ぎくらいは出来るか?

 

「せ、聖地ですか?私とお冬さんが眠る地が聖地だなんて、ちょっと恥ずかしいですね。でも大事にしていただいて、とっても嬉しいです♪早くお冬さんに会いたいなぁ♪」

 

 うぅ・・・今更艦娘新教と関わるのは面倒だからと言って拒否するのは難しいか・・・艦娘新教側もまさか聖地に艦娘が、それも縁のある艦娘が来る事を拒否はしないだろうが・・・面倒な事になりそうだな。

 

「はぁ・・・ではこちらで艦娘新教の関係者に話を通してみよう。また後で連絡するから休んでいてくれ。」

 

「ありがとうございます!!秋月はこの御恩は忘れません!!」

 

 頭を下げる秋月に続いて照月と涼月も深々と頭を下げてくる。面倒な話ではあるがこっちこそ大きな恩があるのだから、これくらいの要望には応えなくてはな・・・

 

「話はまとまったみたいね。じゃあ悪いけれど宜しくお願いするわ。」

 

「ああ。」

 

 そう言って叢雲も頭を下げてから秋月型姉妹を連れて退室した。どうやらこの反応だと叢雲達は艦娘新教の関係者を面倒な相手とは思っていないようだな。まあ、艦娘新教関係者も横須賀の艦娘達を相手に悪さをするような事は無いだろうからな。あいつらは艦娘達を利用して民間人から金を巻き上げているだけだからな。むしろ艦娘を厚遇するくらいだろう。

 

「はぁ・・・曙、球磨を呼んでくれ。」

 

「分かったわ・・・・・・すぐに来るそうよ。」

 

 はぁ・・・宗教関連の奴には関わりたくないな・・・




 せっかく北九州の地を題材にしているので、秋月型姉妹の軍艦防波堤訪問を書きたいと思ったら、何故か艦娘新教が関わってくる展開に・・・
 作者が言うのもなんですが、どうしてこうなった?
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