疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 前話が物足りなかった皆さん、お待たせしました。ドロッとキリッと 黒鎮守府です。


16話

「提督・・・まずはごめんなさい・・・」

 

「さっきの面談で嘘をついた件か?」

 

「・・・分かっていて見逃してくれたのかい?」

 

「まあ、言いたく無いことだってあるだろうし、私を信用してないから話さなかったということも考えられる。だから今すぐに聞き出すつもりはなかったよ。」

 

「そっか・・・それで相談なんだけど・・・」

 

「自分がなんでもするから、他の姉妹は見逃して欲しいってところか?」

 

「っ!!どうしてそれを!?」

 

 ああ、やっぱりか・・・響は今まで姉妹達を陰ながら庇っていたのだろう。だからこそ暁と雷はあの程度で済んだのだろう。電は別の部隊に配属された時に、トラウマを植え付けられてしまったようだが・・・

 

「姉妹達に聞かれたくない話と言われて、一番に思い付いたのがこれだったからな。艦娘達の姉妹の絆は強いらしいから、姉妹を出し抜いて優遇して貰おうなんて考えないと思った。」

 

「そう・・・だね。姉妹は本当に大切なんだ。だからあの笑顔を守る為に頑張っていたんだ。電は守りきれなかったけど・・・でももう、皆が沈むところは見たくないよ・・・」

 

「言いたいことは分かった。しかし前任者の時代はもう終わったんだ。私の鎮守府では前任者のような真似はさせない。」

 

「どうして提督はそんなことが言えるんだい?

 最初に優しい人は居たんだ。でも皆欲望に負けて私達に酷いことをする。酷いことはしないと言っていた人が、醜く歪んでいくのを見てきたんだ。信用・・・出来ないよ・・・」

 

「・・・そうだな、人間が欲望に任せて生きているってのは間違ってないだろう。だが人間の欲は色んな種類のものがあってな、私と前任者では求める物が違う。だから前任者とやることが違うだけだ。」

 

「・・・?なら提督は何がしたいんだい?」

 

「軍人としてこの国を守ること、それと私の兄を無実の罪で処刑した、軍の上層部の腐った連中を一掃すること。この2つが私の目的だ。」

 

「・・・つまり復讐かい?」

 

「ああ、復讐だ。だけど復讐だけならこんな手間がかかる真似はしないさ。それで済むなら私はとっくに殺人鬼になっている。だが奴らは一応国を守る役割を担っている。奴らを殺せば深海棲艦によって、兄が守ろうとしたこの国が滅ぼされてしまう。だから地道に功績を上げて権力と力を得て、少しずつ腐った奴らを蹴落とし、提督として真っ当に働ける者を重用して、軍そのものを建て直したい。この鎮守府は私にとってその第一歩だ。だから艦娘達には練度を上げて、戦果を上げることに集中して欲しい。その邪魔になる奴らは排除する。」

 

「・・・とんでもない人が私達の司令官になったんだね・・・はっきり言って癇癪持ちだった前任者が子供に見えるくらい怖いよ・・・でも、うん、この国を守りたいのは私達艦娘も一緒だし、上が腐ってるのは私達も嫌だよ。それに腐ってる連中と一緒にされたくないから、私達を大切に扱ってくれるんだね。それなら信用出来るかな。」

 

「大切に扱うと言うよりは、軍人としてきちんと扱うだな。これから先艦娘達を過酷な戦場に送らなければならなくなる時もある。当然簡単に沈ませる気はないが、戦場に絶対安全な場所なんて無い。だからそんな死地に送り込む以上、戦場以外では安心して過ごして欲しいとも思う。だから要望などは出来る範囲で叶えていきたいと思う。」

 

「ふふっ、ようやく艦娘らしい生き方が出来そうだね。分かった、私は司令官を信用するよ。これから宜しくね。」

 

「ああ、こちらこそ宜しくな。」

 

 そう言って笑う響と握手を交わし、響の信頼を得ることに成功した。正直復讐が目的だと知られたら警戒されると思っていたが、響は受け入れてくれたようだ。この調子で他の艦娘達からの信頼も得たいところだ。

 

「さて、それでは前任者について知ってることを教えてくれないか?」

 

――――――――――――――――――

 

 そこから響が語った内容も悲惨だった。駆逐艦や軽巡洋艦は消耗品のような扱いをされて、頻繁に轟沈しているので長く在籍している者は少ないこと。任務に失敗すれば罵声と共に鞭で叩かれること。反抗的な艦娘は拷問され、酷い場合はその姿を姉妹艦に見せつけたり、目の前で解体するなどもしていたらしい。提督の気分次第で艦娘を犯し、戦艦と正規空母以外は接待にも使われていたらしい。提督自身は子供に興味が無かったらしいが、この街の市長がロリコンらしく、暁型姉妹を守る為に響が一人で相手をしていたらしい。

 とにかく悪事が次から次へと出てきて頭が痛くなる。よくもこれ程までにやったものだ・・・

 

「なあ響、一つ気になったんだが、消耗品のような扱いをされていたらしいが、雷は危険な時は応援を送ってくれたと言っていたな。その辺はどうなっているんだ?」

 

「そこは私が上手くやってたからね。前の司令官は言い方一つで誤魔化せたりしたから。」

 

「どういうことだ?」

 

「例えば遠征中に敵艦隊に遭遇した時に、敵艦隊に遭遇したから資材を捨てて撤退したいって報告したら、私達が無能だと怒って無理にでも資材を運べって言われるんだよ。」

 

「はあ・・・相変わらずな奴だな・・・」

 

「だから敵艦隊の捕捉に成功した、観察を続けるので主力艦隊で撃破する好機ですって報告するんだ。そしたら意気揚々と主力艦隊を送ってくれたよ。」

 

「子供に子供騙しで騙される奴なのか・・・

 もし敵に発見された場合は?」

 

「その時は私達が囮になって敵を誘き寄せるから、主力艦隊で撃破して欲しいって言って、資材を捨てて全力で逃げるんだよ。」

 

「それは・・・資材を捨てて怒らなかったのか?」

 

「主力艦隊で勝利して気分が良い時なら、資材のことなんか忘れてるよ。だから何も報告せずに帰投するのさ。」

 

「なんと言うか・・・したたかだな。」

 

「こっちは命懸けだからね。」

 

「私の指揮下ではそんな真似はするなよ?」

 

「もちろんだよ。その代わりちゃんと応援を送って欲しいな。」

 

「そこは任された。では長くなったが話はこのくらいにしておこう。また話したいことがあったら声をかけてくれ。」

 

「スパシーバ、提督。」

 

 そう言って響が退室し、第六駆逐隊との面談が終わった。




 響が健気なのに策士という二面性を持ってしまった。これも全て前任者が悪い。作者は悪くない。

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
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  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!
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