疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 新キャラ総選挙の結果は堂々の一位はビスマルク。接戦の二位を制したのはアトランタでした。二人とも海外艦なので、葛原提督の胃に大ダメージの連撃が入る事間違い無しですね。


202話(8日目夕食)

 食堂に着くと夜戦に出撃する者達が慌ただしく食事をしていた。だが慌ただしくも過度な緊張はしていないようで、川内を筆頭に夜戦への意気込みを感じる。そして慌ただしく食事をする夜戦組とは少し離れたところで、一航戦の二人が食事をしている。なんだか食堂が開いているときはいつもあの二人が居るような気がする・・・

 

「・・・提督、私達に何かご用ですか?」

 

「ふぁ!?んぐ・・・んっ・・・失礼しました。どうなさいましたか?」 

 

「ああ、いや、別に用があったわけではない。だがそうだな、今日の演習の話は聞いておきたい。」

 

「演習ですか?今日も五航戦と演習をしましたが、鎧袖一触でした。まだまだ鍛える必要があります。」

 

「加賀さん、瑞鶴さんも頑張っているのですからそんな事言ってはダメですよ?」

 

「いいえ赤城さん、提督への報告は正確にしなくてはいけませんし、私にあしらわれる程度では鍛えた事にはなりません。」

 

「それはそうですけど・・・もう少し瑞鶴さんの頑張りを認めてあげても良いんじゃないですか?瑞鶴さんも加賀さんに勝とうと必死に頑張っているんですから。」

 

「・・・・・・何度も立ち向かってくる根性は認めても良いですがそれだけです。私はあの娘を甘やかすつもりはありません。ですから提督、私が必ず五航戦を鍛えてみせますが、まだまだ時間が掛かりそうです。引き続き私に任せて頂けますか?」

 

 どうやら瑞鶴はしっかりと加賀との演習に励んでいるようだ。加賀の方もずいぶんと強い意思を宿した目をしている。これならば続けさせて問題無いだろうな。

 

「ああ、問題ない。元々時間がかかる事だと理解している。徹底的にしごいてやれ。」

 

「ええ、お任せ下さい。」

 

「そして当然だがこれは加賀自身の訓練にもなる。瑞鶴に追い抜かれるような事がないようにな。」

 

「もちろんです。五航戦に遅れをとるわけにはいきませんから。」

 

 士官学校時代に加賀は無表情でなにを考えているのかわかりにくいとの評判だったが、こうして接すると表情の動きは少ないものの、はっきりと意思表示が出来るわかりやすい奴だと感じる。

 

「それは頼もしいな。赤城もちゃんと加賀のフォローをしてやってくれ。」

 

「はい、お任せ下さい。加賀さんも瑞鶴さんもお互いに意地っ張りですから、放っておいたら二人共無茶をしてしまいそうですものね。本当は二人共とっても優しい人なんですけど。」

 

「・・・赤城さん。料理が冷めてしまいますよ。」

 

「ふふっ♪そうですね加賀さん♪」

 

「そうだな、食事中に時間を取らせて悪かったな。食事を続けてくれ。」

 

「ええ、ありがとうございます。」

 

「提督もお食事の時くらいはゆっくりされて下さいね。」

 

「ああ、そうさせて貰おう。」

 

 そう言って一航戦の二人と別れたは良いものの、これから行う夜戦については色々と考えざるを得ない。島津提督から邪魔される事がなくなったのは良いが、狐塚提督からの協力があまり期待出来ないのは痛い。というより戦闘中に勝手に戦線を離脱されたりする可能性を考えると、形だけ参加させて戦闘には関わらせない方が無難かもしれない。

 

「んあ?提督じゃん。お疲れ〜」

 

「ん?北上か。何か用か?」

 

「いや、別に用ってほどじゃないんだけど、たまたま近くに来たから声かけただけだよ。っていうかなんかちょっと不機嫌そうな感じ?何かあった?」

 

「・・・そんなに顔に出ていたか?」

 

「どうだろ?なんとなくそんな気がしただけ。しいて言えばいつもより眉間に皺が寄ってるくらいかな?」

 

「そうか・・・あまり感情を表に出さないように気を付けていたつもりだったのだが・・・私も上に立つ者としてまだまだ甘いみたいだな。」

 

 島津提督とのやり取りの影響でイムヤを無駄に怖がらせたばかりだと言うのに・・・どうにも上手くいかないようだ。

 

「ん〜?まあ別に気にしなくていいんじゃない?提督にも立場ってやつがあるのかもだけど、あたしは特に気になんないしさぁ。」

 

「北上は私が怖く無いのか?」

 

「別に?この短い間で提督の噂は色々聞くけど、そんなに悪い噂は聞かないし、あたし達が何かされたわけでもないしねぇ。それに駆逐艦に絡まれて困ってる姿を見たらなおさらねぇ。」

 

 噂か・・・まあ、艦娘同士で情報の共有くらいは当然するだろう。特に新しい提督が着任すれば注目を集めて当然だ。だがそんなに悪い噂は聞かないか・・・その程度で収まっているなら悪くはないか?

 

「そうか。」

 

「そうだよ。この鎮守府で提督を本当に嫌ってる艦娘は居ないと思うよ?あ・・・大井っちは提督の事どう思ってるの?」

 

「いや、本人を目の前にして聞くのか?」

 

「・・・別に嫌ってはいません。提督が着任してから北上さんが生き生きとしてますし、出撃に関しても北上さんが乗り気ならば私から文句は無いですし、生活環境の向上は素直に評価してますよ。」

 

 北上の隣に座っていた大井はこちらに視線も向けずにそう答える。どう考えても友好的な態度ではないが、敵意を向けられているわけでは無さそうか?

 

「だってさ。じゃあ提督を嫌ってる艦娘は居ないみたいだね。」

 

「はぁ・・・だと良いがな。」

 

 正直に言って誰にも嫌われていないは無理がある。実際に自分の事を怖がる艦娘はまだまだ居ると思うし、艦娘達に男性や提督にトラウマがある以上この問題はどうしても時間がかかる。というかそもそも集団の全員に好かれるなどまず無理だ。それこそ本物の聖人君子でもなければ不可能だろう。もし本当にそんな奴が居たら気味が悪くて自分は近付きたくないがな。

 

「あはは・・・それで話を戻すけど何かあったの?あたしに話せないような事ならこれ以上聞かないけど。」

 

「いや、どうせ夜戦に出る者達には伝わる事だ。今日の夜戦に関してなんだが「ねぇ!!今夜戦の話した!?夜戦の話だよね!?」

 

 急に会話に割り込んで来たやつは顔を見なくても分かる。こんなテンションで夜戦の話に食いつくのは川内しか居ない。

 

「はぁ・・・そうだ。」

 

「だよね!!だよね!!提督も夜戦が待ち切れないんだよね!!」

 

「姉さん?」

 

「ひっ!?神通!?そ、そんなに怖い声だしてどうしたの!?」

 

 川内の後ろからすっと出て来た神通が川内の肩を掴んで怖い笑顔を浮かべている。一応笑顔なのだが取繕われているのがはっきりと理解出来るのが怖いところだ。

 

「夜戦ではしゃぐのは仕方ないですが、提督と北上さん達との会話を邪魔してはいけません。提督、北上さんと大井さん、姉さんがお騒がせしてしまい申し訳ございません。」

 

「いや、神通が止めに来てくれて助かった。」

 

「あはは・・・川内は相変わらずだよねぇ〜」

 

「私は別に怒ってませんから・・・」

 

「ありがとうございます。姉さんもちゃんと謝って下さい。」

 

「あー、ごめんごめん。ついテンション上がっちゃってさ。でも夜戦の話してたよね!!」

 

「姉さん・・・少しあちらで私とお話しましょうか?」

 

「ええ!?夜戦の話はダメなの!?」

 

 このままでは話が進まないな・・・というかどうせ川内とも話をしなければならないのだ。呼ぶ手間が省けたと考えよう。

 

「神通、どうせ川内とも後で話をしなければならないところだったのだ。ついでだから二人とも話をしておきたい。」

 

「・・・分かりました。」

 

「それでそれで!?夜戦の話ってなに!?」

 

「あまり良い話じゃないぞ。援軍に来る予定だった益田鎮守府の艦隊だが、どうにも作戦の参加に消極的で信用出来ない。」

 

「・・・・・・え!?もしかして夜戦を中止するとか言わないよね!?」

 

「中止にはしないが益田鎮守府の艦隊はあてに出来ないから、うちの艦隊だけで戦う事になるだろう。」

 

「あ、夜戦があるなら私は問題ないよ♪」

 

 川内としては夜戦の有無だけが問題か・・・いや、川内は元々益田鎮守府の増援を頭数に入れていなかったのだろうか?川内の勘については未知数過ぎるから、あり得ない話ではないな。

 

「姉さん・・・提督、質問宜しいでしょうか?」

 

「どうした?」

 

「益田鎮守府からの援軍はあるのですか?それとも最初から派遣されないのでしょうか?」

 

「水雷戦隊が一艦隊派遣される。派遣はされるが私としては戦闘に関わらせ無いつもりだ。信用出来ない相手と共に肩を並べるくらいならば、我々だけで戦った方がマシだ。戦闘中に勝手に撤退されて戦線を崩されるリスクは負いたくない。周辺海域の警戒という名目で戦場からは遠ざけるつもりだ。」

 

「なるほど。分かりました。」

 

「それと川内には伝えたが、敵艦隊の撃滅が理想ではあるが、無理をしてまで拘る必要は無い。敵戦力の把握が出来れば充分で、敵戦力を削る事が出来れば上出来だ。そのあたりの判断は川内が現地に赴いてから判断しようと思う。神通も川内の補佐を頼む。」

 

「はい!!お任せ下さい!!」

 

「話は以上だ。出撃に備えろ。」

 

「「はい!!」」

 

 川内と神通は敬礼をしてから駆け出した。川内は夜戦が待ち遠しくて仕方ないのだろうし、神通は物凄く真面目な性格なので早目に準備を整えたいのだろう。

 

「いや〜それにしてもあれだね〜狐塚提督だっけ?なんというか御愁傷様だね。」

 

「・・・北上、どういう意味だ?」

 

「いや、これって作戦の直前で手を引いたみたいなもんなんでしょ?」

 

「まあ、そんなところだな。一応共同作戦に参加する体裁だけは確保しているがな。」

 

「だったら充分でしょ?うちの提督に喧嘩売ったらろくなことにならないらしいじゃん?だから御愁傷様だなぁって。」

 

「・・・・・・私にそこまでの力はないぞ?」

 

「またまたぁ〜じゃあ私達も出撃の準備してくるね。大井っち行くよ〜」

 

「はい!!どこまでもお供します♪」

 

 北上と大井は楽しげな雰囲気で準備に向かう。それにしても喧嘩を売ったらろくな事にならないか・・・

 

「・・・私は艦娘達にどう思われているんだ?」

 

 その呟きに答えようとする者は誰も居なかった。




 今年は秋刀魚ではなく南瓜。でも艦これのプレイは始めたばかりなので、現状最初の任務しかこなせていません。歴戦の提督の皆さんのご健闘をお祈りするイベントになりそうです。
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