疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 艦これ4話がようやく放送されましたね。誰も沈まなかったのは良いですが、なんと言うか傷が痛々しいと言うか・・・素直に良かったねと言えないところが艦これらしいと言えばらしいですが・・・
 とりあえず時雨と雪風の入浴シーンは高評価です。


207話(8日目夜戦決着)

 川内さん達からの連絡があってから、執務室には緊張した雰囲気が漂っています。葛原提督は黙って海図を睨んでいるし、大淀さんは通信を聞き漏らさないように集中しているし、私の案内役の陸奥さんもそんな二人を心配そうに見ている。作戦通りに事が進んでいても、やっぱり仲間が戦っている時は緊張するものですね。

 

「・・・・・・提督、川内さんから報告です。追って来た敵艦隊を全て撃破し、こちらの損害軽微。すぐに敵の残存戦力への攻撃許可を求めています。」

 

「ああ、許可する。」

 

「了解しました。」

 

 葛原提督が大淀さんと短いやり取りをして、すぐにまた海図を睨んでます。葛原提督は士官学校に通っている途中で急に抜擢された新人提督だと聞いていましたが、作戦が上手く進んでいても浮かれる様子がなく、かなり落ち着いた雰囲気です。

 

「あとやり方は任せる。一気に叩け。」

 

「了解しました。」

 

「え!?」

 

「・・・古鷹さん。どうかしましたか?」

 

 驚いて思わず声がけ出てしまいました・・・ちょっとご迷惑になってしまったかな・・・葛原提督がこっちを睨んでるけどなんて言おうかな・・・

 

「あっ、すみません。作戦を現場任せにした事が意外だったのでつい・・・」

 

「なるほど。これは私の持論ですが、作戦前は情報収集をしっかりと行い、作戦を考えて命令を下すべきだと思います。しかし戦闘が始まったら指揮官の指示は早く簡潔であるべきだと考えていますし、現場の艦娘達が判断出来る事は任せて経験を積ませるべきだと思います。」

 

「な、なるほど。」

 

 なんというか葛原提督はちょっと冷たい印象があったというか警戒心が強いというか・・・事前調査でも優秀だが我の強い人物だとの評価だったので、艦娘達を信じて任せるって事をするのは意外でした。

 

「ん?なにか間違っていますか?深海棲艦の上位種が通信妨害や通信傍受をする可能性がある事は、古鷹さんもご存知でしょう?」

 

「あっ、はい。」

 

「であれば艦隊に指示が出せない状況は想定しておくべきでしょう?対応するには艦娘達自身が判断する必要があります。ならば余裕がある時に経験を積ませるべきだと思いますが?」

 

「そ、そう思います。」

 

「はいはいストップ。提督落ち着いて。古鷹さんは一言も悪いなんて言ってないでしょ?戦闘中でピリピリするのは分かるけど、熱くなりすぎよ。」

 

「ん・・・ああ、すまない。」

 

 陸奥さんが庇ってくれて助かりました・・・葛原提督の目が凄く怖かったです・・・でもなんというか熱くなるってよりは凍てつくような雰囲気というか、とにかくこちらと壁を作っているように感じました・・・

 

「まったくもう・・・ごめんなさいね古鷹さん。提督も今日はちょっとピリピリしてるみたいで・・・」

 

「いえ、そんな!!こちらこそ作戦行動中に余計な事を言ってしまいましたから・・・」

 

「いや、すまないな。監視されてると思うとどうしても気を張ってしまうのでな・・・」

 

「あ、あはは・・・お気持ちは理解出来るのであまり気になさらないで下さいね。」

 

 うーん、やっぱり気不味い・・・陸奥さんが居てくれて本当に助かった・・・

 

「提督、川内さんから敵艦隊が逃亡しているので、追撃を仕掛けるとの事です。」

 

「ほう?決戦ではなく逃亡を選んだか。先程の戦闘でもそうだが、敵は本能に任せて暴れるだけの能無しではないか。やはりそれなりの知能と統率力を持った上位個体がいるようだな。」

 

「それは間違いありませんね。」

 

「ならあとは川内達のお手並み拝見だな。」

 

 ・・・・・・葛原提督はここまで読んだ上で作戦を立案したのでしょうか?益田鎮守府と共同で索敵をした結果からは、敵艦隊の規模の予測は難しいはずでした。それなのに適切な戦力を向かわせて、敵の一部を誘い出して撃破して有利な状況を作った。そして逃げる敵を背後から襲うのであれば、また損害が少なくて勝利出来るはずです。どこまでが葛原提督の手の上なのでしょう?この人は本当に新人の提督なのでしょうか?

 

――――――――――――――――――

 

 提督の作戦通りに進めたらすっごく上手くいって、今日はとっても楽しい夜戦だよ♪しかも追撃戦は私の自由にさせてくれるし最高だね♪よぉーし!!提督の期待に応えて最高の夜戦だったよって報告しなきゃね!!

 

「ん!?敵が足止め部隊を出して来た!?」

 

 しかも足止め部隊に戦艦2隻を使う大盤振る舞い。深海棲艦の旗艦はなんとしても逃げ延びたいんだね。

 

「金剛さん達はこのまま正面の敵を叩いて!!五十鈴達はその援護!!私の艦隊は迂回して敵の旗艦を仕留めに行くよ!!」

 

「OK センダーイ!!任せてヨ!!」

 

「ここは旗艦は譲ってあげるからさっさと仕留めて来なさい。モタモタしてたら五十鈴が仕留めるからね。」

 

「うん、ありがとう!!ここは任せたよ!!」

 

 これで正面の敵艦隊は潰せるはずだから、あとは敵の旗艦を逃さないようにしなきゃね。幸い敵の旗艦は空母みたいだから速度は私達が上だ。

 

「・・・・・・見えた。敵はヲ級eliteにヌ級eliteが2隻、ル級1隻にホ級eliteが2隻。夜戦で空母が無力化してるから十分勝機はある。」

 

 皆に敵の情報を共有してから静かに敵艦隊へと近付いていく。敵には戦艦がいるから射程では負けてる。だから気付かれないうちにどこまで近付けるかが勝負だ。そして相手が警戒しているであろう真後ろから近付くのではなくて、斜め後ろから横に並ぶように距離を詰めていく・・・ハンドサインで北上と大井にル級を狙うように指示を出して、他の四人でホ級eliteを叩く。空母の相手はその後からでも遅くはない。

 

「攻撃開始!!」

 

 こちらの砲撃が届く距離まで近付いてから探照灯を使って敵を照らす。奇襲は成功したものの砲撃ではル級にあまりダメージは与えらないか・・・やっぱり雷撃を当てないと無理だね。ホ級eliteにはダメージを与える事に成功したけど、轟沈させるには至らない。しかも元から警戒していたからか立ち直りも早い。

 

「敵の砲撃が来るよ!!各自散開しながら近づいて雷撃を撃ち込むよ!!島風と雪風は先行して撹乱を!!」

 

「私のスピードの出番だね!!私には誰も追いつけないよ!!」

 

「はい!!頑張ります!!」

 

 敵が探照灯を持ってる私を目掛けて斉射をしてきたけれど、余裕で回避することに成功する。それに散開していたおかげで誰かが流れ弾に当たる事も無い。この前の戦艦棲姫とかいうヤバい奴の砲撃はこんなに生温くなかったよ!!

 

「神通!!私達でホ級を仕留めるよ!!」

 

「はい姉さん!!」

 

 こっちの奇襲で手傷を負わせていたホ級eliteに止めを刺すように砲撃を仕掛ける。

 

「なっ!?」

 

「くっ・・・防がれましたか・・・」

 

 ホ級eliteに向けられた私達の砲撃は、庇うように飛び出して来たヌ級elite達によって防がれる。本来守られるべき存在である空母が弾受けをするなんて・・・敵もいよいよなりふり構っていられないみたい・・・でも逆に言えばそれだけ追い込んでいるんだ!!

 

「にひひっ あなたって遅いのね!!」

 

「雪風は・・・沈むわけにはいきませんっ!!」

 

 先行した島風と雪風が横からホ級eliteを攻撃して片方を沈める。これには流石に敵艦隊は探照灯を持ってる私よりも島風達に意識を向ける。今のうちにもっと近付かないと!!

 

「あうぅっ!? 痛いってばぁっ!!」

 

「島風ちゃん!?雪風は・・・誰も沈ませません!!」

 

 雪風が被弾した島風を守るように前に出てホ級eliteへと砲撃をする。しかしまた壁になるようにヌ級elite達が前に出て・・・

 

「隙あり!!」

 

「島風さんと雪風さんの努力は無駄にはしません!!」

 

 こちらへの意識が薄くなった事を良い事に、私と神通で砲撃を加えて残っていたホ級eliteを沈める。これであとは!!

 

「ギッタギッタにしてあげましょうかね!!行くよ大井っち!!」

 

「はい!!九三式酸素魚雷やっちゃってよ!!」

 

 どさくさに紛れて近付いていた北上達が、敵艦隊を魚雷の射程距離圏内におさめている。そして動きの遅い空母や戦艦では北上達の魚雷からは逃げられない。さらに追い打ちとばかりに先行していた雪風も別方向から魚雷を撃ち込む。盛大な水飛沫が上がった。

 

――――――――――――――――――

 

「提督、川内さんから通信です。」

 

「ああ、代わろう。・・・・・・川内か、状況を報告してくれ。」

 

「あ、提督・・・その・・・敵艦隊は殲滅したよ。」

 

 ん?敵艦隊を殲滅したというのに、どうにも川内の様子がおかしい・・・・・・まさかこちらの損害が・・・轟沈した者が出たのか!?

 

「・・・・・・川内、こちらの損害は?」

 

「あ、それは大丈夫。金剛さん霧島さん島風が中破、五十鈴と漣と曙が小破。それくらいで済んだよ。」

 

「ほう?想定以上に被害が抑えられたな。全員良くやってくれた。」

 

「えへへ♪提督の作戦が良かったからね♪最高の夜戦だったよ♪」

 

 ふむ、川内の様子がおかしいかと思ったのだが、どうやら杞憂だったみたいだな。作戦通りに事が進んだとは言え、敵との戦力差を考えれば大金星だ。

 

「では周囲に敵がいなさそうなら帰還しろ。警戒は怠るなよ。」

 

「あっうん。じゃあすぐに帰還するんだけど・・・その前にね・・・落ち着いて聞いて欲しいんだけど・・・」

 

「・・・・・・なんだ?」

 

「ドロップ艦が出現したから保護したんだけど・・・」

 

「ほう、ドロップ艦が現れたか。それで?」

 

「海外の艦娘みたい・・・それも二人も・・・」

 

 ・・・・・・海外艦?二人も?・・・・・・どうやら私はかなり疲れているようだ・・・そんなあり得ない聞き間違いをしてしまうとは・・・

 

「・・・・・・すまない川内。どうにもよく聞き取れなかったようだ。もう一度言ってくれるか?」

 

「あ、うん。ドロップ艦として海外の艦娘が二人出てきたんだ・・・」

 

「・・・・・・そうか。」

 

 どうしてこんなに厄介事ばかり転がり込んで来るのだろうか?もし神などと言う存在がいるのであれば、私は物凄く嫌われているのだろうな・・・・・・




 ついに、ついに次回はアンケートで選ばれたあの娘達が登場です。葛原提督のメンタルに連撃が・・・
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