疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 今日は軽めのジャブ程度のお話ですかね?まあ、ジャブもバシバシ打ち込まれると洒落になりませんが・・・


19話

 陸奥達が作業している備品等を扱う倉庫から、明石がいるはずの資材を扱う倉庫へと向かう。中を覗くと奥の方から慌ただしい感じの音がする。

 

「お~い、明石は居るか?」

 

「ひっ!い、今行きます!!」

 

 奥から何かが崩れる音と「夕張ごめん!」という声がして、明石がバタバタと慌ただしく出てきた。一応昨日から何度か話をしているので、多少は慣れてくれたかと思っていたが、案外そうでもないらしい。

 

「お、お待たせ致しました!何のご用でしょうか?」

 

「作業の進捗を確認しに来たのだが・・・何をそんなに慌てているんだ?」

 

 そう言われて明石は見るからに冷や汗をダラダラながしながら、目線をあちこちに向けている。どんだけ挙動不審なんだよ・・・

 

「あ、いや、そのですね・・・まだ調査中というか~なんと言いますか~」

 

「上手くいってないのだな?」

 

「あ~、いや・・・はい。申し訳ありません。」

 

 なんとか言い繕おうとしたみたいだが、じっと見つめたら観念したようだ。

 

「別にサボっていた訳では無いのだろう?それならそれで現状を報告すれば、怒るような真似はしない。その代わり報告はきちんとするように!良いな?」

 

「は、はい。すみませんでした。」

 

 上手くいかなかったのは仕方ないが、それを誤魔化そうとするのは良くない。報告が遅れればそれだけ対処が遅れ、被害は大きくなっていくものだ。

 

「それで、どんな問題が起きているのだ?」

 

「えっとですね・・・元々前任者は資材の管理とかは適当だったのですが、一応私が帳簿を作成してはいたのですよ。1日の始まりにどの資材がいくらあるかという簡易的なものでしたが・・・」

 

「ずいぶんと手抜きな帳簿だな・・・」

 

「その前任者の命令で、あまり詳細な帳簿は作らせて貰えなかったもので・・・」

 

 なるほど、汚職の調査などを恐れて、曖昧な帳簿しか残していなかったと言うことか。そもそもそんな雑な帳簿ではあまり役には立たないだろうが。

 

「まあ良い。それでその帳簿は?」

 

「それが見当たらなかったので・・・大慌てで探していたところでした・・・」

 

「帳簿の管理は明石がしていたのでは?」

 

「そ、そうなのですが・・・倉庫の事務所から書類関係がまとめて無くなっていまして・・・大淀さんに頼んで執務室も探して貰いましたが見つからず・・・」

 

 つまり証拠隠滅済みってことか・・・上の奴らも厄介なことをしやがる!!

 

「おそらく調査に来た奴らが処分したのだろう。この件で明石に責任は無いから安心しろ。」

 

「うう~、ありがとうございます。」

 

 明石は半泣きになりながらお礼を言ってきた。罰せられるのがよほど怖かったのだろう。今回は明石に落ち度は無いのだが・・・とりあえず証拠がないなら証言だけでも聞いておくか。

 

「証拠がないなら仕方ない、明石が覚えている範囲で構わないから、前任者がどうやって資材を運用していたか教えてくれないか?」

 

――――――――――――――――――

 

 明石の話を纏めると遠征などで持ち帰る資材以上に使い込んでいたこと。よく輸送船で資材が送られて来ていたが、どこからどれだけ送られて来たのか把握はさせて貰えず、前任者が建造に使用するので把握は出来ていないこと。備品や前任者の私物が納入される時は事前に連絡はなく、記録は付けるなと命令されたことなどを教えてくれた。資材の出所は気になるところだが、おそらく裏取引があったから隠蔽工作をしたのだろう。

 

「相変わらず頭が痛くなる内容だが、とりあえず聞きたいことは聞けた。助かった。」

 

「いえいえそんな、少しでもお役に立てたなら良かったですよ。」

 

 話をしている間に明石も落ち着いたようで、最初の慌てぶりが嘘のようだ。

 

「とりあえず書類の捜索は打ち切ろう。処分されたものをいつまでも探しても仕方がない。通常業務に戻ってくれ。」

 

「了解しました。」

 

「あ、そういえば昨日言っていた、必要な備品のリストを作る話はどうなった?」

 

「えっと、そちらは早急に欲しい物はリストアップしたものがあるので、少々お待ちを。」

 

 明石が奥へと走って持って来たリストに目を通す。各部屋に棚と机と姿見と座布団、後は消耗品の類いか。妥当なところなので、その場で書類にサインする。

 

「確認したから手配の方を頼む。あ、そう言えばさっきの面談で、暁からシャンプーハットが欲しいと言われていたな。ついでに頼んでおいてくれ。」

 

「え?シャンプーハットですか?」

 

 明石はきょとんとした顔をしているが、そんなにおかしな物なのだろうか?自分は使ったことはないが、子供なら必要な子もいるのではないだろうか?

 

「ああ、そうだ。」

 

「わ、分かりました。手配しておきます。」

 

「では任せたぞ。」

 

 これで倉庫の視察は終わりだな。大淀のほうも確認しておきたいが、面談も進めておきたい。とりあえず会議室に向かう途中で誰かに声をかけておくか。




 と言うわけで明石回でした。明石はなんかしっかりしてそうで、ちょっと慌ただしいイメージですね。次回からやっとアンケート結果で決まった金剛姉妹の登場・・・のはず・・・

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!

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