疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 艦これアニメがなかなか更新されない・・・でも低クオリティで放映されるよりは、しばらく待つ方がまだ良いかな?スタッフの皆さん、時間がかかっても丁寧に作って頂ければ嬉しいです。


213話(叢雲と長門鎮守府の仲介)

 ・・・・・・思っていたよりもずいぶんと静かだ。てっきり海外艦の件が大本営から各地の鎮守府に伝えられて、その情報の問い合わせや鎮守府訪問の交渉などが殺到するものだと思っていたのだが・・・いったいどうなっているんだ?

 

「大淀、あれからどこからも通信はないのか?」

 

「ふぁ、あ、はい!!今のところどこからも通信は入っていないです。」

 

「そうか・・・」

 

 これは明日記者会見を開くから、そこで公開される情報を待っているのか?だが記者会見なんかで重要な情報なんて流すはずもないのに、探りすら入れて来ないのは気になるところだ。

 

「ん!?・・・・・・提督、横須賀鎮守府の叢雲さんから通信が入りました。」

 

「噂をすればなんとやらか。だが海原提督ではなくて叢雲からか・・・」

 

「どうされますか?」

 

「ああ、すまない。代わろう。・・・・・・北九州鎮守府の葛原です。」

 

「横須賀鎮守府所属の叢雲よ。今朝ぶりね。」

 

「そうですね。横須賀には無事に到着したのですか?」

 

「ええ、なにも問題なく到着したわ。心配しなくても平気よ。」

 

 ・・・そういうわりには叢雲の声に少し覇気が無い気がする。問題は起きてなくても流石に疲労はしているのだろうか?

 

「それは良かったです。それでご用件は?」

 

「察しはつくでしょうけど、海外艦が二人もドロップした件についてよ。」

 

「はぁ・・・私としては本当に心当たりがありませんから、通常の軍事記録に残すような内容しか情報は無いですよ?」

 

「まあ、そうでしょうね。」

 

「・・・・・・え?」

 

「え?じゃないわよ。あんたみたいな新人の提督が海外艦を狙ってドロップさせる方法なんて知ってるわけ無いでしょ?それにもし仮に知っていたとしたら、わざわざこんなに目立つ真似はしないわよね?私はあんたがそこまで馬鹿じゃないと考えているのだけど違うかしら?」

 

 これはまた随分と信用されたものだな。だがこれではどうして叢雲がわざわざ通信をしてきたかが分からなくなってきた。

 

「はい、その通りです。信じて貰えるのは助かるのですが・・・では今回はどのようなご要件で?」

 

「その・・・横須賀鎮守府としてはあんたの事を信用してるのよ。でも横須賀傘下のやつらは別なの・・・今は私が睨みを効かせてるから黙ってるけど、いつ暴走しだしてもおかしくないのよ・・・私だって明日には別海域の調査でそれどころじゃなくなるし・・・」

 

「それはまた・・・大変ですね・・・それで?」

 

「とりあえずガス抜きさせる為にも、海外艦がドロップした周辺の海域調査に、横須賀傘下の提督達も参加させたいの。北九州鎮守府に問題があるんじゃなくて海域の方になにかあると思うから、海域の調査に関われたら少しは満足するでしょ。もしかしたらまた海外艦がドロップするかもしれないものね。それで海域調査をするにあたって、北九州鎮守府を補給拠点として利用させて貰えないかって相談よ。」

 

 海外艦の件で横須賀傘下の奴等まで海域の調査に乗り出してきたか・・・この状況なら四大鎮守府全てが海域調査に手を出す事になりそうだ。これはまた縄張り争いで大きく揉めそうだな。

 

「難しい話ですね・・・横須賀鎮守府の艦娘達だけであれば、こちらも受け入れは容易なのですが・・・プリンツオイゲンの時の反応からしても、傘下の提督達は問題を起こす可能性が非常に高いと言わざるを得ません。」

 

「そこは横須賀鎮守府からまとめ役として艦娘を派遣する事で納得して貰えないかしら?まとめ役というか横須賀傘下の監視役と考えて貰っても構わないわ。」

 

「それは最低条件ですね。それともう一つ厄介な事情がありまして、明日からは佐世保傘下の提督達と北九州鎮守府で連日演習をする予定になっています。これに関しては約束をした事ですので、余程の事がなければキャンセルは出来ません。そして横須賀鎮守府と佐世保鎮守府では仲が悪いでしょう?必ず揉め事の種になるかと。」

 

「そうね・・・横須賀鎮守府だけならその戦果で佐世保傘下の提督達からも一目置かれてるけど、横須賀傘下の提督達は艦娘を甘やかすだけで実力が無いと思われてるわね。そして横須賀傘下の提督達は佐世保傘下の提督達を艦娘を兵器として酷使して、非人道的な扱いをしていると批判しているわ。横須賀の艦娘が監視役として見張っていても、佐世保側から挑発されればこっちの提督達も黙っていられないかも知れないわね・・・政治のゴタゴタに巻き込みたくはないから仕方ないわね・・・」

 

 やはりそうなるよな・・・他所で勝手に揉めるのは知った事では無いが、鎮守府内で揉め事を起こされても面倒だ。横須賀には恩があるので出来るだけ協力したいところではあるが残念だ。・・・・・・ん?他所で揉め事を起こされるぶんには問題無いわけだよな?

 

「・・・ではこちらから一つ提案があるのですが?」

 

「ふーん、どんな提案かしら?」

 

「長門鎮守府を補給拠点として利用するのはどうでしょうか?今長門鎮守府で提督をしている織田は私の士官学校時代の同期です。ですから仲介くらいは出来ますがどうでしょう?もちろん織田に断られたらそれまでの話ではありますが・・・」

 

「えっと・・・長門鎮守府ってつい先日に崩壊したばかりよね?補給拠点として使えるのかしら?」

 

「確かに今は必要最低限の設備が整っているだけです。ですが資源の援助があれば、あとは妖精さん達の力で再建可能です。長門鎮守府は資源の援助が受けられるうえに、駐屯する横須賀傘下の艦娘達に鎮守府を護って貰う事が出来ます。そして横須賀傘下の方達は問題の海域のすぐ側に補給拠点を確保出来ます。横須賀傘下の提督達の多くは東北や北海道に鎮守府を構えていますから、一度きりの遠征ではなくて長期間の調査となると移動にかかるコストは膨大な物になるはずです。ですから長門鎮守府の復興を手伝うコストがかかっても悪くはない提案だと思いますが?」

 

 実際にこの話に乗れば長門鎮守府は早急に復興する事が出来るのだ。多少のトラブルがあってもお釣りがくるくらいだし、これだけのメリットがあれば霞を説き伏せるのも簡単だろう。

 

「・・・・・・そうね。確かに悪くない話だわ。それで織田提督の人柄は信用出来るのかしら?調べた情報だとあまり良い話は聞かないのだけど・・・」

 

「そうですね・・・性格的にも能力的にも問題があるのは事実です。ですが悪事を働くタイプでは無い事は保証しましょう。それと士官学校に所属していた霞を初期艦として特別に連れて行ってるので、霞がしっかりと織田提督の手綱を握ってくれると思います。横須賀の艦娘が横須賀傘下の人達をまとめてくれるならば、大きな問題は起きないかと思います。」

 

「・・・そう。なら仲介をお願いしても良いかしら?」

 

「ええ、分かりました。では一旦失礼します。」

 

 とりあえず叢雲は説得出来たしあとは霞の説得をすれば良い。織田は自分と霞から説得されれば首を縦に振るだろうしな。

 

「大淀、長門鎮守府の織田に繋げてくれ。」

 

「分かりました。・・・・・・どうぞ。」

 

「北九州鎮守府の葛原だ。」

 

「うむ!!我こそは長門鎮守府を統べる海軍の英雄織田信雄である!!こんな夜更けに我が盟友からの通信とはただ事ではあるまい。なに、我と盟友の仲だ!!力を貸してやろうではないか!!」

 

「そうか。話があるから霞と代わってくれ。」

 

「ぬぉぉおお!?また我を仲間外れにするつもりであるか!?」

 

「まぁ、今回はお前の力を借りようかと思っている。だが実務の話ならば霞の方が話が早い。さっさと代わってくれ。」

 

「ふっふっふっ。ついに盟友が我に助力を求める時が来たと言うわけだな。あいわかった!!我が右腕たる霞殿と話がしたいのであれば否とは言うまい!!霞殿!!我が盟友から話があるとの事である!!」

 

「・・・霞よ。私に用があるなら直接私に繋げば良いじゃない。なんで一旦このクズを挟んだのよ?」

 

「一応こっちから頼み事をする立場だからな。そんな奴でも長門鎮守府の提督だ。一言くらいはかけておこうかと思ってな。」

 

 礼儀なんかを気にする奴ではないと思うが、あまりに無視をしてヘソを曲げられても面倒だ。

 

「そう。それで用件は何かしら?」

 

「その前に一つ伝えておこう。先程の益田鎮守府との共同作戦で海外艦が二人ドロップした。所属は二人共北九州鎮守府になる。」

 

「・・・・・・はぁ?あんたまた海外艦!?それも二人同時に!?」

 

「ぬぉぉおお!?また海外艦を手に入れるとは羨ましいぞ盟友!!」

 

「ちょ!?通信中なんだから静かにしてなさいよこのクズ!!」

 

「ぬおっ!?す、すまぬ・・・」

 

 ん?今軽くベシッと何か叩く音が聞こえた気がしたが気の所為か?でも織田の反応からしても霞に叩かれたようにしか思えない・・・艦娘は人間に暴力を振るう事は出来ないはずなのだが・・・頭のおかしい織田の事だから、霞を相手に我を叱る時は叩いても良いとか命令した可能性もあるか?その命令で艦娘が提督相手に手を出せるのかどうかは知らないが・・・・・・流石に霞が深海棲艦化している可能性は考えたくない・・・・・・

 

「騒いで悪かったわね。あんたが変な噓つくとは思えないから本当の事なのよね?」

 

「ああ、それで四大鎮守府がそれぞれに海域の調査を計画しているようだ。それで横須賀鎮守府から横須賀傘下の提督達が使う補給拠点として、北九州鎮守府を利用させて欲しいと相談されたのだが・・・事情があって受け入れる事が出来なくてな。」

 

「まさかそれで長門鎮守府を使わせてくれって事!?うちがまだボロボロで設備が整ってないのはあんたも理解してるでしょ!?」

 

「もちろん理解している。だから横須賀側から資源を提供してもらって鎮守府の設備を再建する代わりに、長門鎮守府を補給拠点として利用させるという話を提案させて貰った。それならば双方に利益があると思う。霞としても鎮守府の設備は早急になんとかしたいだろうし、一時的とは言え大勢の艦娘達が長門鎮守府に留まる事になる。鎮守府を護る為の戦力が確保出来るのも悪い話では無いはずだ。」

 

「そう・・・確かに鎮守府の再建は急務よね。横須賀鎮守府に借りを作るのはちょっと気が進まないけれど、なりふり構ってられる状況じゃないものね。でもそんな好条件よく引っ張り出せたものね?」

 

 とりあえず霞は説得出来たようだな。相変わらず話が早くて助かる。

 

「それだけ横須賀鎮守府も切迫してるって事だ。一応織田にも確認をとってくれるか?」

 

「分かったわ。あんた話は聞いてたんでしょ?この話受けても良いかしら?」

 

「うむ!!盟友の頼みであるからな!!」

 

「だそうよ。」

 

「ああ、私も横須賀鎮守府には恩があるから適当に断るわけにもいかなかったので助かる。では詳しい話は横須賀鎮守府所属の叢雲としてくれ。」

 

「ええ、分かったわ。」

 

 これで話は上手くまとまったな。あとは霞と叢雲の間で上手くやってくれるだろう。長門鎮守府の再建の問題と叢雲からの相談が一気に解決出来そうだ。まあ、どうせ織田が横須賀傘下の提督達と揉めそうではあるが、そこはもう霞と横須賀鎮守府から派遣される監視役に頑張って貰うしかないな。




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