会議室に向かう途中、壺や絵画を運ぶ駆逐艦達とすれ違ったあとで、大きいベッドと洋服棚を金剛姉妹が運んで来ているのを見つけた。二つともかなりの重量があると思うが、前後二人で抱えても安定していて、流石は戦艦級の出力と言ったところか。ちょうど姉妹が揃っているし声をかけておくか。
「あー、金剛、ちょっと良いか?」
「Oh・・・提督・・・どうしました?」
先頭にいた金剛に声をかけたが、これがあの金剛か?士官学校時代に見た金剛は明るく元気で、大型犬のように走り回ったりじゃれついたりしていた記憶があるのだが・・・表情も暗く凄く冷めた目をしている。
「その荷物を運び終わったら面談がしたいのだが、作業的に金剛姉妹4人が抜けても大丈夫そうか?」
「Ah・・・残ってる物なら空母の娘と重巡の娘達で運べると思いマース・・・」
「なら、それを運び終わったら姉妹揃って会議室に来て欲しい。」
「Ah・・・それは命令デースか?」
金剛だけでなく姉妹全員が冷めた目で見てきて、警戒・侮蔑・嫌悪感・怯えこの辺の悪感情を感じる。ま、ここでは提督に良い印象を持つ者は居ないだろうし、この程度で引くようでは鎮守府を建て直すなど不可能だろう。
「ああ、命令だ。」
「Oh・・・命令なら仕方ないデース・・・」
「では先に会議室で待っている。作業を終わらせて来てくれ。」
明らかに気落ちした金剛姉妹を見送ってから、会議室に向かう。鈴谷や響の話から、戦艦と正規空母達はそれなりに優遇されていたのかと思っていたが、今回は何が出てくるのやら・・・
会議室に戻ると大淀が待っていて、敬礼で迎え入れてくれる。
「提督、お待ちしておりました。調査の途中経過を報告したいのですが、宜しいでしょうか?」
「ああ、頼む。」
「まず来客と資金の流れの件ですが、資料が徹底的に隠蔽工作をされているようで、手掛かりすらない状態でした。」
「やはり、そうか・・・」
「戦闘記録の方は残っていましたので、全艦轟沈した日付のまとめは終わっております。」
「分かった、助かる。」
「それともう一件ご報告なのですが・・・」
ん?今まで淡々と報告していたが、なんだか凄く嫌そうな雰囲気を感じる。厄介事だな・・・
「その、先程市長から連絡がありまして、直接ご挨拶に伺いたいので、今日か明日にでも時間を作って頂けないか?とのことです・・・」
ふむ、市長・・・市長・・・ああ、響の話で出てきたロリコンの糞野郎か・・・正直関わりたくない相手だが、そうも言ってられないか・・・
「・・・なら今日の午後3時以降なら時間が取れますと伝えてくれ。それと市長が来たら大淀以外は全員作業を中断して、自室にて待機するようにしてくれ。あとせっかく汚職の証拠が来られるのだ、録音の準備もしておいて欲しい。」
「分かりました。そのように手配します。」
大淀には市長を案内して貰わないといけないが、極力艦娘達と関わらせたくない相手だ。本当に秘書艦の大淀にとっては貧乏くじだろうが、我慢して貰うしかないな。
「あと建造の記録がないか調べて貰えないか?」
「え?建造の記録ですか?」
「資材の帳簿が見つからなかったのは聞いているだろう?だから消費した資材から逆算出来ないかと思ってな。」
「なるほど、分かりました。そちらの調査もお任せ下さい。」
大淀が退室して、ロリコン糞野郎からどうやって情報を絞り取るか思案していると、会議室の扉がノックされる。
「提督、金剛デース。」
「入れ。」
「失礼しマース。」
午後からの糞野郎も気になるが、まずは目の前の金剛型姉妹の件だな。相変わらず金剛以外は喋ろうとせず、淡々と命令に従っていると言った印象か・・・これは話を聞き出すのも一苦労かな?
と言うわけで金剛姉妹導入編でした。本当はバァァァニング!ラァァヴ!!な金剛が好きですが、前任者とは絶対に合わないと思ったのでこうなってしまいました。ちくしょう・・・前任者め
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!