疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 艦これは魅力的なキャラが多いので、まだこの作品に登場して無いキャラの話を書きたくなる一方で、既に登場してるキャラで活躍させられてない娘も多い・・・悩みどころですね。


222話(鎮守府に帰還・不知火とドイツ艦)

 鎮守府へと到着すると入り口に憲兵隊以外に数人立っていた。こちらに近付こうとするのを憲兵隊に阻まれたので、口々に面会を求めてなんとか話をしようとしてくる。

 

「はぁ・・・会見の会場だけでなくてここでもお出迎えですか・・・」

 

「葛原提督がほとんど対応なさらないですから、あれくらいは日常的に来られてますよ。」

 

「そう言えば面会希望者のリストもかなり溜まっていましたね。」

 

「ええ、かなり溜まっているかと。ですが我々は我々の職務を淡々とこなすだけですので、対応なさるかどうかは葛原提督が決められて下さい。」

 

「ええ、助かります。それではこれで。本日は護衛して頂きありがとうございました。」

 

「いえ、これも仕事ですから。」

 

 金子さんに謝辞を伝えてから鎮守府の門をくぐる。当然面会希望者達は無視だ。数が多いのに一々相手をしていられない。

 

「ねぇ、会見の会場でも思ったのだけど、Admiralと話がしたいって人間は多いのよね?話くらい聞いてあげたらどうなの?」

 

「優先順位の問題だな。私の職務はこの北九州鎮守府の防衛だ。面会の予約をきちんと取った人は対応するが、直接押し掛けて来た人間を一々相手にはしない。それをすると面会希望者リストに載っていて、きちんと順番待ちしてる人達に不義理だろ?」

 

「それは道理ね。でもさっきの・・・あの女の記者とはすぐに面会したわよね?」

 

「それは仙崎さんに私が仕事を依頼していたからだ。仕事を依頼しておいて仕事が終わったのに会えませんでは話にならないだろ?」

 

「それもそうね。」

 

 とりあえずビスマルクは納得してくれたようだ。ビスマルクはなかなか扱いの難しい艦娘のようだが、わからない事をすぐに質問してくるのは長所とも言えるか?まあ、今後の活躍を見て判断するべきだな。

 

「お前達、今日は会見への参加ご苦労だった。もうすぐ昼食だから各自食堂に向うと良い。私は執務室に寄って来る。」

 

「了解しました。大淀さんには連絡しておきます。」

 

「ああ、頼んだ。」

 

 さて、とりあえず大淀の報告次第だが、ひとまず気になるのは演習の報告と久藤提督の動きだな。あとは小森が何故北条に頼んで各地の鎮守府の動きを調べたかも気になるところだ。

 

―――――――――――――――――――――

 

 Admiralがぶつぶつなにか呟きながら去って行く背中を見つめて、ついため息が出てしまう。なんだか悪い人じゃ無さそうなんだけど、よくわからない人ね・・・

 

「ふぅ・・・なんだかモヤモヤするわね・・・まあいいわ、オイゲン、食堂に行くわよ。」

 

「Ja!!今日のお昼ごはんはなにかなぁ♪」

 

「ビスマルクさん、少しお話宜しいですか?」

 

 昼食で気分転換しようとした私を目つきの悪い駆逐艦が引き止める。なんかこの駆逐艦はさっきから私に食って掛かるのよね?まあ、このビスマルクを前に物怖じしない度胸は認めてあげるわ。

 

「良いわよ。オイゲン、先に行って席を取っておきなさい。」

 

「いえ、出来ればプリンツオイゲンさんとアトランタさんにも聞いて欲しいです。」

 

「あ、はい・・・分かりました。」

 

「え?私も?はぁ・・・あんまり喧嘩に巻き込まれたくないんだけど・・・」

 

「いえ、不知火は喧嘩がしたい訳ではありません。」

 

 随分と鋭い目つきで睨んでくるけれど、これで喧嘩を売ってきてる訳じゃないの?日本の駆逐艦はよくわからないわね。

 

「ふーん?まあいいわ、それで?」

 

「先程はついかっとなってビスマルクさんの故郷を侮辱するような発言をしてしまいました。申し訳ありませんでした。」

 

 なにを言い出すかと思ったらいきなり謝罪ですって?深々と頭を下げてる姿を見れば誠意は伝わってくるし、間違いを認めてきちんと頭を下げさせたのに許さないのは狭量で恥ずかしい奴ね。

 

「謝罪は受け取ったわ。だからドイツ軍人の誇りにかけて、今後はこの件であなたに何か言うつもりはないわ。オイゲンも良いわね?」

 

「Ja!!ビスマルク姉さまとシラニーさんが仲直り出来て良かったです♪」

 

「不知火です。」

 

「Ups!?ごめんなさい!!えっとシラヌゥイさんで合ってるかな?」

 

「・・・少し発音が気になりますが合ってます。」

 

 ・・・・・・シラニーじゃなかったのね。オイゲンが先に間違えてくれて助かったわ。えっとシラヌゥイ?でも発音が違うって言ってたしシラァヌイ?陸奥みたいに短くて言いやすい名前ならすぐ覚えられるのに・・・

 

「それで?話はこれだけかしら?」

 

「いえ、違います。故郷を侮辱するような発言は謝罪しましたが、ビスマルクさんの司令に対する態度が不愉快だった事は今でも変わりません。ですが司令にたしなめられて気が付きました。ビスマルクさん達には状況判断をする為の情報が足りていませんでした。」

 

「ふ〜ん・・・まあ、確かにそうね。私はこの国の事もAdmiralの事もほとんど知らないわね。」

 

「ですから不知火が知る限りの事ではありますが、知っておくべき情報をお伝えしておきたいのです。」

 

「そう?それでなにを教えてくれるのかしら?」

 

 そう問いかけると目つきの悪い駆逐艦は微かに笑った気がした。でもその笑みは楽しげな感情は一切感じず、悲しげで諦観を滲ませる嫌な笑みだ。そして鋭く睨んでいた目はドス黒く濁っていた。

 

「・・・・・・狂ったこの国で艦娘がどのように扱われているか・・・です。」

 

―――――――――――――――――――――

 

 執務室に戻ると大淀が曙に引き継ぎをしているところだった。

 

「待たせたな、今戻った。」

 

「お帰りなさい・・・やはりお怪我を・・・」

 

「え?提督が怪我!?ちょ!?顔が腫れてるわよ!?」

 

「落ち着け曙。大した怪我ではない。」

 

「大した怪我ではないって!?あんたそれ殴られた跡でしょ!?誰にやられたのよ!?憲兵隊の人達はなにしてたのよ!?」

 

 はぁ・・・たった一発殴られたくらいでずいぶんな慌てようだな。艦娘達なんて戦場に出たら砲撃や雷撃で大怪我すると言うのに・・・とりあえず曙は仲間が被弾すると冷静さを欠いてしまうタイプか・・・扱い難いからどうにか訓練するしかないか・・・

 

「良いから落ち着け。これは島津提督にやられたがその場に居合わせた熊井提督が島津提督に落とし前をつけさせた。もう解決した事だからこれ以上騒ぐな。これは命令だ。」

 

「う・・・分かったわ・・・治療はしたの?」

 

「ああ、向こうで不知火にしてもらった。」

 

「そう・・・あたしに出来ることはもうないのね。」

 

「私の怪我の心配よりも仕事の心配をするべきだな。昼からは大淀を休ませるつもりだ。曙にしっかり働いて貰わなくてわ困る。」

 

「・・・・・・分かったわ。」

 

 とりあえず曙は落ち着いたか。ならばさっさと引き継ぎをして大淀を休ませるとしよう。

 

「大淀、不知火から報告は受けていたが、特に変わった事はなかったのだな?」

 

「はい、提督のご指示で対応出来ない案件はありませんでした。関門海峡を通過した呉傘下の艦隊については、こちらで人員を確認して記録しています。不知火さんからお聞きしたとは思いますが、呉傘下艦隊の代表を務める艦娘がご挨拶したいとの事でした。もしこのお話を受けられるのであれば、時間の調整をしてください。」

 

「分かった。挨拶くらいはしておくべきだろうな。」

 

「北九州鎮守府の方ですが、大勢の演習参加希望者がいましたので、少し混乱が起きていたようです。皆さんやる気があるのは良い事なので嬉しい悲鳴でしょうか。」

 

「そこは私の不手際だな。時間がなかったとはいえ、自主性に任せるという雑な指示を出して、長門と鹿島に丸投げしてしまったからな・・・」

 

「いえ・・・そんな事はないかと・・・私達が上手くまとめきれなかったのが原因ですから・・・」

 

 大淀は少し言い難そうに否定したが、問題が起こってしまったのは事実だ。そしてもっと問題なのは大淀の思考だな。

 

「大淀、それと曙も聞いておけ。私も人間だ。それも提督になって日が浅い新人だ。当然私も間違える。だから私が間違った時はそれをきちんと指摘していい。間違いに気付ければ修正も出来るからな。だから秘書艦だから私に否定的な意見をしてはいけないなどと考えるな。最終的な決定権を持つのは私だが、意見を言うところまではお前達の職務の範疇だと言う事は忘れないで欲しい。」

 

「・・・失礼しました。以後気をつけます。」

 

「ああ、他にはないか?」

 

「そうですね・・・いつも通り面会の申し込みが来ていますので、リストは作っております。こちらはかなり溜まっていますね。同じ方が複数回申し込みに来られているのもありますし・・・あとは報告書作成や収支の計算等の通常業務は滞りなく。」

 

「そうか。良くやってくれた。それでは大淀はしばらく休むと良い。」

 

「ありがとうございます。」

 

 そう言って丁寧に頭を下げた大淀だったがすぐに休憩に入るわけではなくて、なんだかそわそわしながらこちらをチラチラ見ている。

 

「どうした?まだなにか言いたい事があったか?」

 

「あ、い、いえ。なんでもありません。し、失礼しました。」

 

 大淀は慌てたように執務室から出て行ったが、あれはいったいなんだったのだろうか?大淀のよくわからない行動に疑問を持っていると、曙がじとっとした目で見ている事に気がつく。

 

「どうした曙?先程の大淀の不可解な行動についてなにか知っているのか?」

 

「ふん、知らないわよ。疲れてちょっとボーっとしてただけでしょ。」

 

「そうか・・・やはり大淀には無理をさせていたか。」

 

「・・・別に気にする程じゃないわよ。それよりもう昼食の時間よ。まだ食べてないんでしょ?朝食もまともに食べて無いわよね?」

 

「・・・そうだな。」

 

 朝は会見の準備と北条からの連絡で時間がなかったからな。間宮が執務室に届けてくれたおにぎりを一つ食べるのが限度だった。

 

「提督に意見を言うのが私達の仕事って言うなら、もう少し自分の体調管理に気を配りなさいよ。あんたが倒れるのが一番困るのよ?」

 

「むっ・・・気をつけよう。とりあえずまずは食事をするか。」

 

「じゃあ行くわよ。それと食事が終わったら少し仮眠を取ったほうが良いわ。やっぱり疲労が溜まっているように見えるわ。そんな状態じゃ判断ミスするわよ?」

 

 確かに昨日も頭痛を感じていた。気を失ったのは金剛の抱き付きの衝撃が原因だったが、元々疲労が溜まっていたのも原因だろう。これから何が起こるかわからないのだから、休める時に休んでおくべきか。

 

「ああ、そうさせて貰う。」

 

「そう。なら早く食堂に行くわよ。」




 ドロドロ展開とほのぼの展開の落差で風邪ひきそう。あっ、いつもの事か。
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