疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 艦これアニメの最終回は3月25日かぁ。あと一ヶ月あるから気長に待たないとですねぇ。


223話(昼食・陽炎お姉ちゃん)

 曙と食堂に向かうと既に多くの艦娘達が食事を始めているようで、廊下にまで楽しげな声が聞こえてくる。演習をしていた者達も既に昼休憩に入っているようだな。

 

「あ、司令、お仕事お疲れ様〜」

 

 入り口に近づくと入り口の前で待っていた陽炎が駆け寄ってくる。

 

「ん、陽炎か。どうした?」

 

「姿見かけたから声かけただけだよ?ってうわ!?顔腫れてるじゃん!?それ大丈夫?」

 

「ああ、たいした怪我ではない。」

 

「まあ、大丈夫なら良いんだけど・・・ってあれ?不知火は一緒じゃないの?」

 

「ああ、連絡要員の任務は無事に終わったからな。執務棟の前で別れた。先に食堂に向かったと思っていたのだが?」

 

「う~ん?まだ来てないみたいよ?一緒に食べようと思って待ってたんだけど、あの娘どこで道草食ってるんだろ?」

 

「さあな?だが不知火は真面目な奴だったから、何か用事があったのではないか?」

 

「確かにねぇ〜ほんっとあの娘は真面目過ぎるからね。でも良い子だったでしょ?」

 

「ああ、凄く真面目に仕事をしてくれた。ああいう真面目に仕事をする艦娘は高評価だな。」

 

 職務に真剣で忠実なのは良い事だ。少しビスマルクと揉めてはいたが、あれくらいならまだ可愛いものだ。

 

「う・・・そう言えば司令もカタブツだったね・・・でも妹を褒められるのは気分が良いかな♪」

 

「そうなのか?」

 

「まあね♪私はお姉ちゃんですから♪じゃあちょっと不知火探してくるからまたね♪」

 

 そう言って陽炎は手を振りながら走って行った。身内を褒められる喜びか・・・自分も子供の頃は兄さんの事を褒められると、物凄く誇らしい気持ちになっていたものだ・・・

 

「おお、提督、待っていたぞ。」

 

 食堂に入ると入り口付近の席に座った長門が声をかけてくる。長門は既に食事を始めていて、目の前には戦艦に相応しい大量の食事が盛られている。

 

「今度は長門か。どうした?」

 

「いや、演習についての話がしたかったのでな。食事でもしながらどうかと・・・ん?殴られたのか?」

 

 自分が殴られたと聞いて食事中の艦娘達がざわつく。もしかしてこれは艦娘達と話をするたびに心配されなくてはならないのか?たいした怪我ではないのにそれは少し面倒だな・・・

 

「ああ、だがたいした怪我ではない。」

 

「ふっ、そうか。提督も一人前の日本男児だものな。それくらいの怪我はどうという事はあるまい。それにただ殴られた訳ではあるまい?」

 

「まあな。この一発と引き換えに面倒な島津提督はこちらに関われなくなったし、大量の資材がタダで手に入るし、さらに今度佐世保鎮守府へ演習の見学にも行けるようになったぞ。」

 

「ほう?それは随分とふっかけたものだな。ならばその怪我も名誉の負傷だな!!はっはっはっ!!」

 

 ふむ、長門が明るく大きな声で笑ったからか、他の艦娘達も落ち着きを取り戻したようだ。仲間を安心させるためにわざと明るく対応したのか?そう考えると艦娘のまとめ役をやっていただけの事はあるな。

 

「そんなものだ。とりあえず演習の話は聞いておきたいし食事を持ってくる。」

 

「あ、提督さんのお食事なら私がお持ちしています。鹿島もご一緒しても宜しいですか?」

 

「ああ、もちろん構わない。鹿島からも演習の様子を聞きたかったところだ。」

 

「ありがとうございます♪」

 

「ああ、それともう一件、今度佐世保鎮守府に演習の見学をしに行く事に決まったのだが、鹿島には同行して貰うつもりだ。佐世保鎮守府の演習方法を学びに行くぞ。」

 

「え!?本当ですか!?私も練習巡洋艦としてまだまだ未熟ですから、いっぱい勉強させて頂きます♪」

 

 鹿島もこの話に前向きならば問題無さそうだな。これで佐世保鎮守府のやり方を少しでも取り入れられれば、演習の効率も上げられるだろう。

 

「むっ?であればこの長門も共に行くべきではないだろうか?最近では皆の演習を監督することも多いから、四大鎮守府の訓練方法には興味がある。」

 

「ふむ・・・そうだな。長門には残って引き続き演習を監督して貰おうと思っていたが・・・それは陸奥に任せる事も出来るか。」

 

「うむ、陸奥は自慢の妹だ。あいつなら上手くやってくれるだろう。それにしても提督が陸奥を信頼してくれているようでなによりだ。」

 

「そうだな。陸奥はそつなくなんでもこなしてくれるから、上の人間としてはとても扱い易くて助かっている。」

 

「そうだな。あいつは昔から器用な奴だった。」

 

「明石や間宮や大淀みたいなその道のスペシャリストも当然重要だが、組織を円滑に運用するには陸奥のように色々と任せられる人材も重要だからな。」

 

「ふむ、これは私も負けていられないな。そう言えば陸奥はよく頼られているようだが赤城には声をかけないのか?あいつも陸奥と同じく人当たりが良く落ち着いていて、真面目にしっかりと仕事が出来るやつだぞ?たまに抜けてるところもあるが、あれくらいなら許容範囲だと思うが?」

 

「なるほど。今は加賀が瑞鶴を鍛えているのでそのサポートに回しているが、人手が欲しい時は呼んでみるか。他には誰かいるか?」

 

「そうだな・・・大和や榛名も人当たりが良いし頭が良いから、色々と仕事をこなせる人材だな。加賀は無愛想だが真面目な奴なので書類関係は得意だ。あと霧島は計算が得意だから書類仕事だけじゃなくて経理関係なんかも手伝えると思うぞ。」

 

 ふむ、こうしてみるとまだまだ活用出来ていない人材が多いな。上に立つ者として部下の能力把握は重要な課題だ。戦闘に関する事だけではなくその他の仕事に関しても把握しておくべきだ。機会を見て色々と試してみるか。

 

「なるほど。参考になった。では午前中の演習の様子について聞こう。」

 

―――――――――――――――――――――

 

 はぁ〜まったく不知火の奴はどこをほっつき歩いているんだか?連絡要員の任務が終わったらそのまま食事に来ると思って待ってたのになぁ。私達の部屋に戻ってみても帰って来た形跡はないし・・・こんな時に通信が使えたら楽なんだけど、ここの鎮守府では私用での通信は禁止って言われてるからなぁ。司令は執務棟のあたりで別れたって言ってたし、そこらへん探してみて居なかったら諦めるか・・・そう思って執務棟あたりを探すと執務棟の裏のあまり人目につかないところで不知火を発見した。

 

「あっ!!不知火、こんなとこに居たのね!!」

 

「ん?ああ、陽炎ですか。」

 

「まったくなんでこんなとこにってええ!?なにこれどうしたの!?」

 

 不知火に駆け寄ってみると地獄絵図が広がっていた。プリンツオイゲンさんは真っ青な顔で頭を抱えて蹲っているし、ビスマルクさんは深刻そうな表情でブツブツ呟いてるし、アトランタさんは奥の茂みで吐いてるみたいだ。

 

「いえ、たいした事はありません。それより不知火に何か用事ですか?」

 

「いやいやいや!!たいした事あるって!!お昼ごはん一緒に食べようとかどうでもよくなるくらいたいした事が起きてるじゃん!!」

 

「むっ・・・せっかく用意して頂いた食事を蔑ろにするのは感心出来ませんね。陽炎は長門鎮守府での日々を忘れたのですか?」

 

「・・・・・・不知火、あんた誤魔化そうとしてるわよね?」

 

「・・・・・・いえ。」

 

 あ、こいつ目を逸しやがった。

 

「だったらここに司令を呼んでも問題ないわよね?」

 

「・・・・・・司令のお手を煩わせるほどの案件では無いと思います。」

 

「OKわかったわ。ここで白状するか司令に即通報か選びなさい。」

 

「・・・・・・分かりました。説明しましょう。」

 

 そこからの不知火の話を要約すると。海外艦達の司令への態度が気に入らなかった事・司令にたしなめられて海外艦達が自分のおかれている状況がきちんと認識出来ていないのでは?と思い至った事・海外艦達に日本の艦娘がどのように扱われているか、実体験も含めて詳細に語った事を白状した。

 

「はぁ・・・・・・つまり私達が長門鎮守府でどういう扱いを受けて来たかを説明して、この北九州鎮守府に着任した事がどれだけ幸運かを伝えたかったと?」

 

「そうです。」

 

「それで着任したばかりの海外艦達がこんな状態になるまで追い詰めたと?」

 

「・・・・・・はい。」

 

「目を逸らすな。あんたはこれで満足?」

 

 ボロボロな精神状態の海外艦達に改めて目を向けさせる。不知火の気持ちはわからなくはないけれど、これは流石にやり過ぎだ。

 

「・・・伝えた事は全て真実でした・・・・・・ですが少しやり過ぎたかもしれません。」

 

「よろしい。なら一緒に海外艦の人達に謝るわよ。」

 

「・・・はい。」

 

 うん、不知火はこれで良し。私達が元々ブラック鎮守府で過ごしてたのは事実だけど、だからってその価値観を他の艦娘達に押し付けるのは良くない。せっかく良い鎮守府に着任したんだから、悪い事ばかりに目を向けるのはもったいないからね。

 

「お〜い、ビスマルクさ〜ん。」

 

「はっ!?あなた誰よ!?いつからそこに!?追撃戦なの!?今度こそ絶対に生き延びてやるわ!!」

 

 だいぶ錯乱してるなぁ。というかこれ軍艦だった頃の記憶を刺激されてない?ビスマルクさんは追撃戦に嫌な記憶があるのかも?

 

「はいはい、落ち着いて落ち着いて。敵じゃなくて味方の救援ですよ〜」

 

「味方!?味方なの!?」

 

「同じ北九州鎮守府の仲間ですよ。陽炎型駆逐艦のネームシップの陽炎よ。」

 

「そ、そう・・・味方なのね。」

 

「落ち着いたらプリンツオイゲンさんを助けて貰えますか?私はアトランタさんの方をなんとかしますんで。」

 

「Ja」

 

 プリンツオイゲンさんをビスマルクさんに託して、茂みでぐったりしてるアトランタさんに近づく。

 

「アトランタさーん、大丈夫ですか?」

 

「だ、誰だ!?」

 

「同じ北九州鎮守府所属の陽炎型駆逐艦のネームシップの陽炎よ。」

 

「ひっ!?ま、また日本の駆逐艦!?日本の駆逐艦は恐ろしい奴らだってのに!?」

 

 あー、アトランタさんは日本の駆逐艦にトラウマがあるのか・・・これはちょっと大変なやつだ・・・まったく・・・妹のやらかした後始末をしなくちゃいけないなんて、お姉ちゃんは大変だよねぇ。でもこれ司令にバレたらまずいかもだし、なんとか隠せないかなぁ?




 頑張れ陽炎お姉ちゃん。
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