疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 艦これアニメついに完結しましたね。ここまでとても長かった。(放送延期で)
 内容に関しては色々とありましたが、まさか海外艦が援軍に来るのは想定外でしたね。
 そして艦娘達が日常へと溶け込んで行くシーンは素晴らしく、特に自分が訪れた事のある軍艦防波堤で涼月と冬月が黄昏れるシーンは感動でした。
 艦これアニメスタッフの皆様お疲れ様でした。


227話(抜き打ち調査開始)

 ビスマルク達を叱り、工廠で妖精さん達に金平糖を与えて喜ばれ、ようやく私室に帰って一時間くらいは仮眠を取る事が出来た。出来たのだが・・・・・・ドタバタ走ってくる足音で目が覚めてしまった・・・・・・今度はどの艦娘が走ってるんだ?

 

ドンドンドンドン!!

 

「提督!!起きて!!緊急事態よ!!」

 

「っ!?入れ!!」

 

 その一言でドアを蹴破るような勢いで曙が私室に入ってくる。

 

「なにがあった!?」

 

「大本営から憲兵隊が来てる!!大本営の命令で抜き打ち調査するそうよ!!あと出雲鎮守府の猿田提督も一緒に来てる!!」

 

「なんだと!?」

 

 大本営が面倒な動きをしないようにきちんと牽制していたはずだが、鶴野提督の圧力で押し切られてしまったか!?しかも舞鶴傘下出雲鎮守府の猿田提督までおまけで付いてきたか・・・鶴野提督も本気で動いてきたか?

 

「今は北九州鎮守府所属の憲兵隊が時間稼ぎをしてくれてるみたいだけど、大本営からの命令書があるから断れそうに無いそうよ。」

 

「すぐに向かう。曙はついて来い。演習は中断させて、艦娘達は全員自室で待機。私の許可があるまでは自室の扉の鍵を閉めて、憲兵隊達が来ても対応しないように伝えろ。」

 

「わかったわ。」

 

「クソ!!完全に後手に回ってしまったな・・・」

 

 現状一番マズイのはなんだ?そんなもの当然悪雨の件が露見してしまう事に決まっている。ならどういう状況だとバレてしまう?一つ目は悪雨が憲兵隊達の前で深海棲艦化してしまう事。可能性は極めて低いがもしそんな状況になってしまったら、目撃者を口封じして逃げるしか無い。そうなったらまた提督に復帰など不可能だ。ならば一番可能性が高いのは、難癖をつけられて北九州鎮守府の提督から外される事だ。そして後任の提督が命令されてしまえば艦娘達は従うしかない。

 

「ねぇ、憲兵隊をどうするつもり?追い返すの?」

 

「追い返せればそうしたいが、大本営からの命令書があるならば難しいだろうな。こうやって鶴野提督が動いた以上、こちらをどうにかする勝算があっての事だろう。」

 

「ならどう対応するつもり?」

 

「そうだな・・・・・・後手に回ってしまったから、相手がどう動きたいか探る必要がある。これが単なる嫌がらせなのか本気で私を提督の地位から引き摺り落とすつもりか・・・」

 

「・・・・・・私はあんた以外が提督なんて嫌よ。」

 

「ああ、私も引き摺り落とされる気など毛頭ない。」

 

 とは言ったものの状況は悪い。現状で味方に付けられそうなのは誰だ?鶴野提督に対抗するならばまず思い付くのは久藤提督だ。ただしここで久藤提督の力に縋ってしまえば、そのまま派閥に取り込まれてしまう程の借りを作ってしまう。久藤提督を頼るならば最低でもこちらから交換条件を提示出来る状態が必要だ。鶴野提督の派閥拡大を嫌って勝手に動いてくれるのであれば、こちらの関与するところでは無いのだが・・・そこまで甘い相手では無い。そして海原提督と熊井提督を巻き込むのも難しい。この二人は基本的に政治関連には関わろうとしない。ならば大本営?大本営が命令書を出しているならば、大本営は敵に回ったと考えるべきだ。鶴野提督に脅されて渋々行動しているというならば、付け入る隙はあるかもしれないが・・・

 

「っ!?見えてきたわ!!門のところ!!」

 

「ずいぶんと大人数だな。だが軍関係者はそこまで多くなさそうだ。あとは野次馬か?」

 

 正門のところでは憲兵隊の制服を着たもの同士が怒鳴り合っている。片方は北九州鎮守府の憲兵隊をまとめている金子さんなので、もう片方が鶴野提督が派遣してきた憲兵隊の代表なのだろう。

 

「大本営からの命令書が見えんのか貴様は!!この抜き打ち調査は大本営からの命令だ!!貴様は上からの命令に逆らうつもりか!!」

 

「こちらは事前になんの連絡も受けていない!!だから大本営への確認が取れるまでは、私の職責に従って通すわけにはいかないと言っている!!」

 

「だったらさっさと確認を取れ!!時間を稼いで証拠の隠蔽をするつもりか!?」

 

「早く確認して欲しければ無理やり通ろうとするのを止めろ!!お前達のせいで私が現場から離れられないのだろうが!!」

 

「確認くらいさっさと部下を走らせろ!!北九州鎮守府所属の憲兵隊は無能揃いか!?」

 

 ずいぶんと激しくやり合っているようだな。金子さんもよく自分が到着するまで保たせてくれたものだ。

 

「失礼、北九州鎮守府所属の葛原です。これはなんの騒ぎですか?」

 

「ようやく来たか!!私は出雲鎮守府所属の憲兵隊の赤嶺である!!大本営から貴様の鎮守府を抜き打ち調査する命令が出ている!!大人しく従わない場合はその時点で反抗の意志ありと判断して、拘束して軍法会議にかけるものとする!!良いな!?」

 

「命令書を確認させて頂いても?」

 

「うむ。確認するが良い。」

 

「拝見します。・・・・・・『葛原提督の艦隊運用は不透明な部分があり、その艦隊運用能力と提督としての思想に疑義が持たれる。よって調査を行い提督としての能力を再確認すると共に、鎮守府が健全に運営されているかの調査を行う。』ですか・・・私が犯罪を犯したわけでも無いのに、ずいぶんと強引な話だと思うのですが?」

 

「それは貴様が判断する事では無い!!大本営のお偉方が判断する事だ!!」

 

「それはごもっともで。金子さん、大本営への確認をお願いしても?」

 

「はっ!!すぐに確認しますので少々お待ちを!!」

 

 金子さんが大本営の確認の為に憲兵隊の詰所にかけてゆくと、赤嶺さんの後ろから海軍の軍服姿の男が近付いてくる。一応海軍の制服は着ているもののだらしなく着崩しており、髪は金髪に染めてピアスやらネックレスやらをジャラジャラとさせている。これでも軍人なのか?どこかのチンピラが軍服を盗んで遊んでいると言われた方がまだ理解出来る。歳は自分よりは上だろうが、あまり離れては無さそうだ。

 

「ケケケ、これが噂の新人君か?ずいぶんとおっかない目をしてるじゃねぇか?」

 

「ええ、北九州鎮守府所属の葛原です。そういうあなたは出雲鎮守府所属の猿田提督でお間違い無いですか?」

 

「ああ、間違いねぇよ。鶴野の爺さんからの命令でお前のとこの鎮守府を徹底的に調査しろって言われてよぉ。狐塚の野郎じゃ頼りにならねぇからって、俺に役目が回ってきたんだぜ?お前どう思うよ?」

 

「・・・大本営からの命令という建前ではなかったのですか?」

 

「はぁん?なに言ってんだお前?お前が鶴野の爺さんに喧嘩売ったからこんな事になったんたろうが?お前は馬鹿じゃねぇんだからそれぐらいわかってるだろ?建前なんてどうでも良いから本音で話せよ。」

 

 なんと言うか・・・言動もチンピラみたいな奴だな。政治的な駆け引きをしたいなら、建前ってものは重要なはずなのだが・・・こちらの油断を誘っているのか?それとも建前なんて必要無いくらいに追い詰めたと考えているのか?それともただの馬鹿か?

 

「はぁ・・・では鶴野提督の要求は?」

 

「そうだな?穏便に済ませたいなら海外艦をドロップさせる為の情報を開示しろ。ついでに今いる海外艦を差し出せば機嫌も良くなるんじゃねぇか?鶴野提督に二人と俺のご機嫌取りに一人なんて良いと思うぜ?」

 

「穏便に済まない場合は?」

 

「クビじゃねぇか?鶴野の爺さんがどこまでやる気かなんて俺が知るかよ。」

 

 はぁ・・・この猿田って男は鶴野提督の意志を伝える役目じゃないのか?こちらの恐怖を煽る為にわざと隠しているという線も考えられるが、本当に知らなそうなのが余計に怖いところだ。

 

「まあ、どちらにせよ海外艦を渡すなんて選択肢はありませんから、交渉決裂ですね。」

 

「ケケケ!!そうこなくちゃなぁ!!お?そっちの憲兵が戻って来たぜ?」

 

「葛原提督、大本営に確認が取れました。出雲鎮守府所属の猿田提督及び憲兵隊10名に北九州鎮守府を調査する命令を下した。北九州鎮守府所属の者は捜査に協力するようにとの事です。ですので我々も調査に協力する為に同行いたします。」

 

 ほう?金子さん達もついて来るのか。かなりの大人数での移動になるな。それにしても金子さんが同行を申し出た時に赤嶺さんが嫌な顔をした。やはり北九州鎮守府の憲兵隊の同行は、向こうにとってやり難いのだろう。

 

「分かりました。それでは猿田提督、ご案内します。」

 

「おう、行くぞお前ら。」

 

 猿田提督の一言で出雲鎮守府の憲兵隊がついて来る。猿田提督自身は北九州鎮守府の憲兵が同行する事に対して、特になにも感じていないのか?

 

「それではどこから案内しましょうか?まずは執務室でしょうか?」

 

「あー、そうだな。執務室で書類関係を漁るとするか。てかその前に一つ気になってる事があんだけど?」

 

「なんですか?」

 

「さっきからついて来てるの曙だろ?なにこいつ?秘書艦?」

 

「秘書艦は大淀で曙は秘書艦補佐ですね。今は連絡要員として連れ歩いています。」

 

「はぁ・・・お前センスねぇなぁ・・・曙って言ったら生意気でクソクソ言うクソガキだろ?なんだってそんなうぜぇ奴を近くに置いてんだよ?」

 

 何かと思えば曙が気に入らないか・・・はぁ・・・バカバカしい・・・

 

「うちの曙は私をクソ提督と呼びませんよ。それに真面目に仕事をする優秀なやつです。」

 

「おっ、マジかよ。なに?調教済み?」

 

「さぁ?別に特別な事はしてませんよ。」

 

「ケケケ。そんなわけねぇだろ?艦娘の性格が歪んでんだ。何かしらの理由があるってのが道理だろ?」

 

「曙の性格に影響を与えたのは前任者の大森提督でしょう。私ではありません。」

 

「ほぅ?お前は前任者の使い古しで満足してんのか?」

 

「・・・どうにも先程から侮辱的な物言いが多いようですが、どういうおつもりですか?」

 

「ケケケ。わりぃわりぃ、ちょっとからかっただけだからそう怖い顔すんなって。それに今のやり取りで分かった事もあるからよ。」

 

「ほう?なんでしょう?」

 

「教えてやんねぇよ!!さっさと案内しろよ。」

 

「ええ、ではまずは執務室へ。」

 

 今のやり取りから何を読み取った?今までの会話からすると8割方どうでも良い事だとは思うが、猿田提督の事を理解出来ているわけではない。相手が馬鹿だと侮って足元を掬われるような間抜けになるのはごめんだ。よりいっそう警戒しなくてはな。




 艦これアニメは綺麗な展開で終わったので、こちらの小説はバランスをとるためにドロドロ感マシマシで行きましょう!!
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