疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建

21話(面談 金剛型姉妹)

　２０話投稿直後に確認してみたら、お気に入りが９９９人で驚愕し、その勢いで現在１１００人を突破しました。皆さん応援ありがとうございます。

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「朝礼でも話をした面談をしたい。とりあえずかけてくれ。」

　あらかじめ用意していた椅子を勧めると、右から金剛・比叡・榛名・霧島の順番で座る。暁型の時も右に長女が座って、順番に並んでいたな。

「では改めて、この北九州鎮守府に着任した葛原だ、宜しく頼む。」

　少し間を空けてみたが反応無しか・・・

「一応確認のため自己紹介をしてくれるか？」

「金剛型戦艦一番艦の金剛デース。こっちから順番に比叡・榛名・霧島ネー。」

　・・・金剛以外にも喋らせるつもりだったが、なかなか難しいようだ。

「ありがとう。さっそく本題に入るが、今回は前任者の汚職の調査が目的だが、何か言っておきたいことなどはあるか？」

「無いデースね。」

　はあ・・・取りつく島もない感じか・・・よほど警戒されているようだ。

「前任者に不満などはなかったのか？」

「私達艦娘は兵器デース。前任者のことなんて話すことは無いネー。」

「・・・分かった、なら要望の方はあるか？」

「極力私達に関わらないで欲しいデース。」

　ここまで拒絶されると手がつけられないが、流石にそれは困るな・・・

「はっきり言うが、今この鎮守府に戦艦を４人も遊ばせておく余裕はない。関わるなと言うのは無理な相談だな。」

「もちろん分かってマース。出撃も演習も雑用でも、命令されれば仕事はするネー。けど必要ない時は関わらないで貰いたいデース。」

「・・・つまり徹底して兵器として扱って欲しいということか？」

「そうデース。」

　これはこれで厄介だな・・・情報を引き出せないのはともかく、艦娘自身が兵器として扱われることを望んでいようとも、外部の人間にとっては糾弾する口実になりかねない。

「集会で話したとは思うが、上の連中に責める口実を与えない為に、艦娘の待遇を改善すると約束したのは覚えているな？だから用意している食事を拒否されたり、支給した布団を使わずに床で寝たりされると困るのだが・・・そこはどう考えている？」

「Ah・・・提督は食事をするように、支給した布団を使うようにと命令しましたネ。だから命令には従ってマース。」

「分かった・・・命令に従っていて問題を起こさないのであれば、これ以上言うべきことは無い。金剛の考えは理解した。」

　そう言うと金剛は立ち上がり、他の姉妹もそれに続いて立ち上がった。

「それでは私達はこれで退席しても良いデースか？」

「金剛は退席して構わないが、他の姉妹はまだダメだ。」

「Why！？これ以上何があるのデースか！？」

　金剛はよほど姉妹達に話をさせたく無いらしく、先程までの冷淡な対応とは違い、物凄く焦っていることを隠しきれていない。

「姉妹揃っての面談とは言ったが、金剛以外は何一つ話していないからだ。これでは何を考えているかは全く伝わらない。」

「No！No！No！！私達の考えは一つネ！！私が代表で話したことが全てデース！！」

「それを判断して言葉にするのはお前ではなく、他の姉妹達だと私は考えている。」

「Shit！！ですが提督！！「あ、あの」

　金剛の言葉を遮ったのは比叡だった。金剛も驚愕のあまり比叡を振り返り唖然としている。

「私は金剛お姉様について行くと決めています。だから私の意見も金剛お姉様と同じです。」

「・・・そうか。」

「私も同じ考えですね。」

「霧島も一緒か・・・」

「私も金剛お姉様に従う、ただそれだけです。」

　比叡も霧島も目線を一切逸らさずに断言してくる。それ相応の覚悟はあるのだろう。

「はぁ・・・分かった・・・榛名はどうだ？」

「は、榛名は・・・」

　それだけ口にして榛名は俯いて黙り込んでしまった。姉妹達に便乗するかと思ったが、何か思うところがあるのか？

「Hey！提督！もう十分ネ！！話は終わりデース！！」

「はぁ・・・榛名以外は退席するように、私は榛名ともう少し話してみる。」

「榛名だけ置き去りにするなんて出来ないネ！」

　金剛が喰い下がってくるが、榛名も姉妹がいる状態では話しにくいのだろう。ここは無理にでも引いて貰うしかないな。

「金剛、比叡と霧島を連れて作業に戻れ。これは命令だ。」

「Shit！！命令なら・・・仕方ないネ・・・」

　そう言って金剛は私を睨み付けながら部屋から出ていった。比叡と霧島も榛名を気遣うような表情は見せたものの、何も言わずに金剛の後についていった。あの３人には悪いが、ようやく榛名の話を聞く準備が整ったか。

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　金剛姉妹編の前編でした。ブラック鎮守府に居た娘達なんです。ちょっと面談したくらいで心を開いてくれるほど甘くは無いですね・・・