疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建

24話

　日々増えていくUAとお気に入り数を見て、いつもニヤニヤしています。また感想を貰える方々に励まされ、厳しいツッコミに怯えながらも楽しんでおります。あと誤字修正をして下さる方々にも感謝しております。

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　榛名との面談では少し熱くなって、秘密を喋り過ぎた気もするが、あの榛名の様子を見る限り、間違った選択だとは思えない。榛名を足掛かりにして、他の金剛姉妹からも信頼を得たいものだ。

コンコンコン

「失礼します。」

　相変わらず良いタイミングで大淀が来たな。いや、艦娘達が面談が終わった後に大淀に電信で報告しているのだな。それならばいつも面談後に大淀が来るのも当然だな。だが今回は大淀だけでなく、かなり上機嫌な天龍も一緒だった。

「よぉ提督！お目当てのやつがあったぜ！」

　そう言って天龍は一冊の本を手渡してくる。やはり石像を叩き壊させて正解だったな。

「良くやった天龍。中身は確認したのか？」

「あー、俺はそういう細かいのはわかんねぇよ。調べたりするのは大淀の仕事だろ？」

「私が見たところ資金の帳簿でした。これは汚職の証拠としてかなり大きなものかと。」

　それはまた大物が出てきたものだ。しかし厳重に隠していた為に証拠隠滅されず、自分の手に渡ってしまったと考えると皮肉なものだな。

「これで調査が大幅に進むだろう。感謝する。」

「俺も石像をぶっ壊せてすっきりしたぜ！ありがとな！それにしてもよくあんな所に隠してるのが分かったな？」

「別に隠してるのが分かったから、天龍に壊させた訳ではない。徹底的に調べさせたものの一つが当たっただけだ。調査ってものはそういう努力の積み重ねが重要なんだよ。」

「ふ～ん、まあそんなもんか。」

　ああ、こいつ理解してないな・・・まあ、そういうことは上の人間が考えれば良いことか。

「提督、間宮さんからもうすぐ昼食の準備が整うと連絡がありましたが、そろそろ休憩されてはいかがですか？」

「そうだな、全員に作業を一時中断し、休憩するように連絡してくれ。あと悪いが私の分の昼食はここに運んで貰えるか？この帳簿に目を通さねばならんのでな。」

「なんだよ？提督は休憩しねぇのかよ？」

　石像を壊させてから、なんだか天龍が友好的になってきているな。最初に突っ掛かって来ていたのが嘘のようだ。

「午後から市長との面会があるのでな、それまでに汚職の証拠は確認しておきたい。でなければ上手く追い詰められないだろう？」

「フフフ、サイコーだなぁ、おい。あのロリコン糞野郎をぶちのめすなら応援するぜ。」

　お互いにニヤリと笑いながら拳を軽くぶつける。最初こそ揉めたが、存外気が合う奴なのかも知れないな。

「そういう訳で大淀、頼んだぞ。」

「分かりました、すぐにご用意致します。昼食後の指示はどうされますか？」

「長門と陸奥には調査を続けさせてくれ。ただし２時半には切り上げて、各自自室で待機するように伝えて欲しい。大淀は私の補佐と市長を迎え入れる準備だな。あと川内達夜戦組は昼食後に報告に来るように伝えておいてくれ。」

「はい、お任せ下さい。」

　退室する大淀と天龍を見送って、さっそく資金の帳簿を調べてみる。

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　大淀が持って来てくれたサンドイッチを片手に帳簿を読み進めているが、汚職の証拠がどんどん出てくる。艦娘へ支払うべき給与の横領、食費や生活必需品を購入する資金も横領、市長や各組合関係からの寄付という名の賄賂などが出てきたが、特に酷いのは艦娘使用料と艦娘委譲代だろう。おそらく性接待と人身売買のことだが、それで荒稼ぎしている。そして稼いだ金は個人的な買い物と遊興費、上への賄賂や口止め料、他所の鎮守府から資材の購入等に使われていた。潤沢に使用していた資材の謎は解けたな。

　市長を脅すのであれば、やはり性接待と人身売買の件だろう。もしかしたら、売られた艦娘達を取り返すチャンスもあるかも知れないな。あとはこの情報の使い方だがこれが一番難しい。ただ大本営の憲兵隊に連絡しても、握り潰される可能性がある。前任者は呉鎮守府の傘下だから、舞鶴の提督に情報を流せば、敵対勢力のスキャンダルとして大騒ぎすると思うが、呉鎮守府からの妨害や報復などは確実だろう。市長や組合関係者がどれだけ裏で繋がっているか、探りを入れていかなければならないな。

コンコンコン

「提督、川内以下５名、報告に参りました。」

「入れ」

　何はともあれ報告を受けるのが先だな。

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　天龍の気安い悪友感が良い。そして次回は昼間で大人しくなってる夜戦忍者の登場です。