白露型姉妹が退室したあと、いつも通り大淀がやって来た。
「大淀、市長を迎える準備は進んでいるか?」
「応接室に盗聴器を仕掛けてあります。記録の方も問題ありません。それと提督にはこれを。」
大淀が手渡して来たものを確認すると・・・
「ボイスレコーダーか・・・こんな希少品よく手に入ったな。」
機械類を始め工業製品はかなりの希少品だ。深海棲艦の襲撃で、海沿いの工場地帯は軒並み大打撃を受け、海外との貿易も出来ない為に原料や部品等も入って来ない。幸い鉄やボーキサイト等は手に入りやすいので、複雑でないものならば生産も始まっているようだが、電子機器が生産されるのはまだまだ先だろう。
「前任者のタンスを調べていた北上さんが発見したものです。動作は問題ありませんが、データは何も入っておらず、汚職の証拠は掴めませんでした。」
「いや、これだけ便利な品を見つけたのだ、お手柄だな。他には何か見つかったか?」
「ほとんど調査を終えていますが、目ぼしい物は無さそうですね。」
やはり私室の方も証拠隠滅されているようだ。まあ資金の帳簿が見つかったことで満足しておこう。
「分かった。市長が来るまでもう少し時間があるから、もう一組くらい面談しておきたい。ちょうど先程話題に上がった北上と大井を呼んでくれるか?」
「分かりました、すぐに連絡します。それでは私は失礼します。」
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会議室にやって来た北上と大井に椅子を勧め、面談を始める。北上はあまり緊張していないように見えるが、大井に関しては冷静にこちらを見据えて、表情からは何を考えているのかが読み取れない。
「では改めて、この鎮守府に着任した葛原だ。宜しく頼む。」
「重雷装巡洋艦の北上だよ~よろしく~」
「同じく重雷装巡洋艦の大井です。宜しくお願いしますね。」
「まずは北上、先程希少なボイスレコーダーを見つけてくれたそうだな。良くやってくれた。」
そう伝えると少し照れたのか、頬を掻きながら目線を反らす。
「いや~引き出し全部出して確認してたんだけどね、調べ終わって引き出しを戻してたら、なんか出てきたんだよ。よく分かんないけど運が良かったのかな?」
つまりタンスに細工をしていたものを、偶然条件を満たしたってところか。
「運が良かったにしろお手柄だ。ありがとう。」
「あ~いいってもう。ほら、話進めようよ。」
照れる北上に思わずクスリときてしまう。大井も先程までとは違い、なんだか誇らしそうな感じだ。
「では聞いていくが、二人は特殊な重雷装巡洋艦とのことだが、前任者からはどんな扱いを受けていたんだ?」
「う~ん、なんか置物扱い?基本放置みたいな?」
「あ~それはなんと言うか、雑な感じだな。」
「まあね~私と大井っちって特殊じゃん。魚雷の火力が自慢だけど紙装甲だし。軽巡洋艦みたいに水上機飛ばして哨戒も出来ないし、潜水艦対策にも使えないし。だから戦闘にも哨戒や遠征にも呼ばれない感じ?」
前任者は重巡洋艦ですら運用出来ない無能だったからな、特殊な重雷装巡洋艦なんて使えるはずがないか・・・
「それは宝の持ち腐れだな・・・」
「だよね~北上さんこれでもやる時はやる娘だからねぇ~」
「だが前任者にとって使えないなら、何かしら酷い扱いを受けていたのではないのか?」
「そりゃご飯が食べれなかったり、部屋に何にもなかったりはしたけど、それは皆一緒じゃん。お客さんの接待とかさせられなかったし、なんか提督にもほとんど呼ばれなかったから。本当に置物扱いだね。」
一応特殊な艦娘だし、島風や雪風みたいな扱いだったのだろうか?
「大井はどうだった?」
「そうですね・・・そこまで悪くなかったと思いますよ?北上さんの言う通り食事等は最悪でしたが、北上さんを危ない戦場に行かせず、私と北上さんをずっと同じ部屋にいさせてくれましたから。けれど私と北上さんの処女を奪ったので、死んで当然だと思いますけど。」
怖!!完全に目が据わってやがる・・・北上と大井の仲が良いのは有名だが、これは恐怖を感じてしまうレベルだ。例え艦娘が人間に危害を加えない存在だと分かっていても、刺されてもおかしくないと思ってしまう。
「まあまあ、大井っち落ち着いて。私はそこまで気に病んでないからさぁ。」
「北上さんがそう言うなら・・・」
北上に宥められるとすぐに落ち着くようだが、大井は北上が付いていないとすぐに暴走してしまいそうだな。
「以前の扱いについては分かった。それでは要望などはあるか?」
「北上さんと私を離ればなれにしないこと、北上さんに危険な真似をさせないこと、北上さんに手を出さないこと。これを守って欲しいです。」
なんと言うかもう大井の性格はよく分かった。北上第一主義とでも言うべきか・・・北上も若干引いてるぞ・・・
「あー、北上は何か要望はあるか?」
「う~ん、北上さんもやっぱり艦娘だからねぇ。ずっと置物扱いは嫌かな。やっぱり戦場で活躍してこその軍艦ってのもあるから。でも出撃するなら大井っちと一緒が良いな。」
少し寂しそうに、少し申し訳なさそうに語る北上だが、戦う意思があるなら問題ない。
「分かった。戦う気概があるなら、活躍する舞台を整えるのが提督の仕事だ。前任者には無理でも私ならお前達を活躍させられる。」
「いいねぇ、しびれるねぇ。それならスーパー北上さまの凄さを見せてあげるよ。大井っちもそれで良いでしょ?」
「はい!北上さんがそう言うなら!」
北上も大井も良い笑顔だ。若干大井の笑顔には怖いものを感じるが、そこは見なかったことにしよう。
「ではこれから宜しく頼む。面談は以上だ。そろそろ市長が来る時間だから、部屋に戻って待機していてくれ。」
「りょ~か~い。そいつは駆逐艦達を虐めてたみたいだし、ギッタギッタにしてやってよね。」
「今日は情報を探る程度だと思うが、しっかり追い詰めてやるさ。」
ニヤリと笑って部屋を出ていく北上と、丁寧に一礼して出ていく大井。北上の期待を裏切らないように頑張るとするか。大井が怖いし。
緩い北上さんとヤバい大井っち。この二人はわりと通常に近い感じになりました。前任者が無能で助かったぜ。
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!