疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建

31話(営倉調査)

　前回まではほのぼの回だったので、今回はドロドロ展開に足を踏み入れて行きましょう。

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　夕食後ゆっくり休もうかと思っていたが、平川市長から地下通路があると聞いていたのを思い出し、一人で営倉へと向かう。営倉に着くと昨夜も思ったが嫌な臭いが漂ってくる。地下である以上換気にもあまり期待出来ないので、仕方なく我慢して調査を始める。本来の営倉であれば、３畳程度の広さの部屋がいくつかある程度だが、ここの営倉はレンガで作られた９畳くらいの広い部屋が、左右に３部屋ずつ並んでいる。この規模の鎮守府だと明らかに部屋数が多いし、一度に何人か入れられそうな部屋は営倉としては不自然だ。営倉と言うよりも監獄と言われたほうがしっくりくる。だが一番不自然なのは拘束具の存在だろう。本来営倉に入れられる場合、拘束はされないのが一般的だ。もし暴れるような者でもせいぜい手錠をかけられるくらいだろう。しかしこの営倉には天井やら壁や床に鎖がついていて、酷いものは簡易的な寝台に鎖がついているものもある。悪趣味極まりない・・・

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　調査を続けると左奥の壁にレンガが押し込める場所を見つけた。押し込んだ横に手をかける場所があったので、ゆっくり引くとあまり音も立てずに隠し扉が開いていく。隠し扉の先は倉庫のような場所になっていて、拷問などに使っていたであろう道具が置いてあった。これは証拠の写真でも残しておきたいところだが、生憎カメラなどは希少品なので所持していないのが悔やまれる。深海棲艦が出現する前は普通に店で売っていたのに、こんなところでも深海棲艦が残した傷跡を感じてしまう。

　さらに調査を進めると、倉庫の奥の方に艤装が置いてあるのを発見した。流石に艤装だけでどの艦娘のものかまでは判断出来ないが、大きさからして戦艦と正規空母のものは無さそうだ。飛行甲板もあるが、おそらく軽空母のものだろう。なぜこんなところに艤装があるのかは分からないが、これも何か重要な手掛かりになるだろう。

　最後に倉庫の一番奥に扉があり、開けてみると通路がかなり奥の方まで続いていて、部屋の明かりだけでは先が見通せない。これが平川市長が言っていた地下通路だろう。ここを調べるならば明かりが必要だろうが今は準備がないし、どこまで続いているのか分からないので、また明日調べに来るとしよう。誰にも告げずに調査を始めたので、もし何かあった場合に対応が遅れてしまうかも知れないからな。

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　提督用の浴室で温まりながら、一日を振り返る。資材や資金関係などの書類は証拠隠滅をされていたが、天龍に壊させた石像から資金の帳簿が出て来て、汚職の捜査に進展があった。

　艦娘達との面談で、第六駆逐隊・金剛型姉妹・白露型姉妹・北上大井ペアと面談が出来た。軒並み協力的な感じだったが、金剛姉妹の榛名以外はかなり手がかかりそうだ。逆に榛名には過去を明かしてしまったが、そのおかげで信頼を得ることに成功した。

　平川市長との会話では、予め資金の帳簿で黒だと判明していたこともあり、上手く情報を引き出すことに成功した。あまり関わりたくない相手だが、今後も情報を搾り取る必要があるかも知れない。

　深海棲艦の襲撃は艦娘達の活躍で無事に撃滅することに成功した。艦種の偏りがあることや、練度と精神面での問題がある艦娘も居て、編成に支障が出ていたことが今後の課題だろう。

　最後の営倉の調査では、地下通路を探すだけのつもりが、思わぬ発見があったので、かなりの成果を得られたと思う。カメラさえあれば証拠としてしっかり残せるのだが、それだけが心残りだ。

　・・・カメラ・・・カメラ・・・ああ！！

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　汚職の証拠を残す為にカメラを求める提督、希少品のカメラの入手に諦めを感じるが、提督の脳裏に一人の艦娘が思い浮かぶ！そうだ！あの艦娘なら持っているかも知れない！！提督が走って向かったその先とは！？

次回「青葉激写す！！」デュエルスタンバイ！！