朝食時に大淀に声をかけて、朝礼をするので広場に集合させるように伝えて、今日も朝礼を始める。3日目ともなると多少は慣れるようで、自分も艦娘達も過度な緊張がなくなっている気がする。
「総員、提督に敬礼!!」
「おはよう諸君。今日は演習を始めようと思う。今日の演習は各自の性能試験をする予定だ。航行速度や砲撃精度などを測定し、今後の演習方針を決めるためのものだと思ってくれ。この演習は長門に監督を任せる。また面談の続きも行うので、呼ばれた者は会議室に来るように。次に哨戒任務だが天龍を旗艦として第6駆逐隊に任せるので、出撃準備を整えたら出てくれ。何か質問がある者はいるか?・・・いないようならばこれで解散とする。大淀・長門・明石はこの後会議室に来るように。では解散!」
「提督に敬礼!!」
敬礼に返礼して広場を後にする。とりあえずは演習の内容を細かく決めておくか。
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会議室に大淀・長門・明石を集めて打ち合わせを始める。
「大淀はいつも通り秘書艦としてサポートしてもらう。昨日の調査の続きや面談等も行うので、そのサポートも任せる。」
「はい、お任せ下さい。」
「長門には演習の監督をしてもらい、明石には演習に必要な機材の準備をしてもらう。演習の内容は朝礼でも伝えたが、各自の性能試験をしてもらう。航行速度・障害物を避けながらの航行・砲撃精度・雷撃精度・防空射撃をしてもらう。空母達には航行系を終わらせたら防空射撃の補助に回して欲しい。それと午前中に空母達の面談をする予定なので上手く交代で回すように。大丈夫か?」
長門は少し考えこんでいたが、顔を上げた。
「ふむ、それなりに時間がかかりそうな内容だ。それならば何人かに監督を手伝って貰い、何種目か同時に進行したほうが良さそうだ。それで構わないか?」
「ああ、そうしてくれ。人選は長門に任せるが、長門も含めて監督をする者も性能試験が出来るようにしてくれ。」
「承知した。」
「明石の方は大丈夫か?」
しかし明石はちょっと苦い顔をしていた。
「えっとですね・・・前の提督の時に演習は資材の無駄とかで滅多にやらなかったもので・・・機材はあるのですが、メンテナンスに多少時間がかかるかもです。なので夕張さんを補佐にして貰えませんか?」
「分かった。では夕張はそちらの作業に専念させてくれ。それでは長門と明石は演習の準備に取り掛かってくれ。あと赤城と加賀は面談をしたいので、大淀から連絡して欲しい。」
「「「はい!」」」
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コンコンコン
「失礼します。」
「入れ。」
数分後赤城と加賀が会議室にやって来た。既に何人かの艦娘と面談をしているからか、二人からは怯えなどを感じない。これは良い傾向だな。二人に椅子を勧めて面談が出来るようにする。
「では改めて、新しくこの鎮守府に着任した葛原だ。宜しく頼む。」
「一航戦の赤城です。こちらこそ宜しくお願いします。」
「同じく一航戦の加賀です。宜しくお願いします。」
赤城は少し笑顔で挨拶してきて、わりと好意的なようだ。加賀は凛としているが冷たい印象は受けず、堂々とした佇まいは頼もしさを感じる。
「まず昨日の戦闘では良くやってくれた。敵空母を完全に抑え込んだ上で、敵艦隊に多大なダメージを与えてくれたお陰で、こちらの損害は軽微なものだった。」
「ありがとうございます。ですが相手の空母は一隻でしたので、当然の事をしたまでです。」
「それはそうだが、当たり前の事をきちんと出来るのは大事な事だ。特にこの鎮守府では前任者がやりたい放題していたから、いきなりの実戦で不安だったからな。」
やはりこの話には思うところがあるのか、赤城は若干暗い顔をしたが、すぐに顔を上げて真っ直ぐ見据えてくる。
「確かに環境は急に変わりましたが、良い方に変わっていますので。駆逐艦の娘達を盾にして使い潰すのは辛かったです。ですから水雷戦隊の皆にかけて下さった『空母の盾ではなく戦力として呼んだ』という言葉は、私達も凄く嬉しかったです。」
「なるほど。しかし駆逐艦を盾として使わないからには、安易に敵を近付かせないような立ち回りや、敵の砲撃の避け方を覚えて貰う必要がある。そこはしっかり訓練してもらうからな?」
「はい!一航戦の誇りにかけて必ず会得してみせます!」
自信に満ちた良い表情だ。これなら今後も期待出来そうだな。
「加賀は何か伝えておきたいことはあるか?」
「いえ、特にないです。艦隊指揮は的確でしたし、私達の待遇を改善して頂きました。無理矢理夜の相手をさせられたと言う話も聞きません。提督として理想的だと思いますので、今後も貴方の元で戦いたいです。」
「ほう、かなりの好評価だな。ここの艦娘達は少なからず提督という存在に悪感情を持っていると考えていたのだが・・・」
「そういう娘も多いと思いますが、私は私の目で見て判断します。前の提督は貴方の評価には関係ありません。」
ほう、これはかなり冷静に判断しているようだな。あれだけ悪環境に居た上で、ここまで割り切るのはなかなか難しいものだろう。
「そうですよ、提督は美味しいご飯を提供して下さるのですから、悪い人じゃないです!」
やはり赤城は食いしん坊なのか・・・いや、多少食費が嵩む程度なら、きっちり戦果を上げるのであれば気にする事でもないな。
「赤城さん・・・流石にご飯だけで判断するのは軽率ですよ。」
「加賀さんだって私に負けないくらい食べてたじゃないですか!」
「ですが私はそれだけで良い提督と判断したりはしていません。」
「まあそのくらいにしておけ。兵士の食事を確保するのは上官の務めだ。その代わりきちんと食べて調子を整えておけよ?」
「「はい、一航戦の誇りにかけて!」」
これは頼もしい奴らだ。今後の活躍に期待しておこう。
「他に何か言っておきたい事はあるか?」
そう聞くと、赤城がまた暗い表情をして語り始める。
「では最後に・・・五航戦の娘達・・・特に瑞鶴さんは前任者に酷い扱いを受けていました。なので彼女達が立ち直れるように配慮して頂きたいです。それまでは私達が戦場を支えますので。」
「長門からも聞いたが、酷い状態なのか?」
「はい・・・瑞鶴さんはかなり反抗的でしたので、前の提督に目をつけられてしまって・・・」
「分かった。配慮するように気をつけよう。ではこれで面談は終わりにする。今後の活躍に期待している。以上だ。」
「「はい、一航戦の誇りにかけて!」」
二人揃って頼もしい限りだ、安心して戦場に送れる空母が居る事は、作戦立案の大きな助けになることだろう。
次は五航戦の出番です。へい大将!ドロドロ感増し増しで!
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!