疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 お気に入り登録3千人突破しました。ここまで多くの方に読んで頂けるとは、最初の頃は想像してませんでした。今後も応援宜しくお願い致します。
 Ifストーリーのほうも好評でしたので、また何か書くかもしれません。


41話(面談 鳳翔)

 さて一航戦と五航戦の面談が終わったので、残る空母は唯一の軽空母鳳翔だけか。鳳翔に関してはほとんど情報が無い。重巡洋艦が戦艦の出来損ないなんて言われていたように、軽空母も空母の出来損なんて言われていたのではないだろうか?しかしそれなりに練度が高めなのも気になるところだ。まあ、ここで考えていても仕方がない。大淀に呼び出して貰って面談をするか。

 

――――――――――――――――――

 

コンコンコン

 

「提督、鳳翔です。」

 

「入れ。」

 

 鳳翔は丁寧な所作で入室し、席を勧めると静かに腰を下ろした。表情も穏やかな感じで、はっきり言って何を考えているのか全く分からない。

 

「では改めて、新しくこの鎮守府に着任した葛原だ。宜しく頼む。」

 

「はい、航空母艦鳳翔です。不束者ですが、よろしくお願いいたします。」

 

 丁寧にお辞儀する姿からは余裕を感じる。これならば回りくどいことはせずに、素直に質問しても問題ないか?

 

「さっそくだが前任者の時代では、どういった扱いを受けていたのだ?」

 

「そう・・・ですね。やはり私は旧型の空母ですので、戦力としては少し物足りないです。なのであまり戦闘には参加させては貰えませんでした。ですので艦娘寮で皆さんのお世話をすることが多かったでしょうか。」

 

 やはり戦闘には参加していなかったか。しかし軽空母は通常の空母よりも燃費がかなり良いし、水上機よりも通常の艦載機のほうが、行動範囲も広く索敵能力に優れるので、哨戒任務にはかなりの適性があると思うのだが。

 

「戦闘をほとんどしていないわりには、練度が高めなのはどういう事なんだ?」

 

「それは在籍年数が長いですから。私はこの鎮守府が出来たばかりの頃、なので前の方のさらに前の提督の頃から在籍しております。」

 

 淡々と語る鳳翔だが、前任者のさらに前の時代から生きていたのか。一応着任前に見た資料で確認したはずだが、前任者の汚職の印象が強くて、あまり記憶に残っていなかった。

 

「ほう、そこまで昔の話は他の艦娘からは聞いたことが無いな。」

 

「その時代から生き残っているのは私だけですから・・・皆さん私を置いて沈んでしまいましたので・・・」

 

 少し俯きながら語るが、確かにあの悪環境なら納得だ。むしろ鳳翔が生き残っている事が奇跡だろう。

 

「ちなみにその最初の提督はどんな方だった?」

 

「そうですね・・・良くも悪くも普通の方でしょうか?悪事を働くような方ではありませんでしたが、特別な功績を上げた事はありません。しかし艦娘からは好かれていましたよ。ですが6年前の深海棲艦の襲撃で亡くなられて・・・その時にも多くの仲間が沈んでしまいました。その後鎮守府復興の為に大森提督が着任されました。」

 

 なるほど、この鎮守府は一度襲撃で壊滅寸前までいってしまったのか・・・

 

「6年前にそこまでの被害を受けていたのか、そう考えるとこの街の復興速度はかなり早かったのだな。」

 

「いえ、当時の襲撃では街はそこまで被害を受けていませんので。深海棲艦はまず鎮守府を狙います。なので鎮守府が攻撃を受けている時に、呉鎮守府からの応援が到着して撃退に成功しました。ですが失ったものは多かったです・・・」

 

 それで呉鎮守府の傘下の大森提督が着任した訳か・・・それにしても提督が殺されたタイミングで応援が到着するのは、少し怪しい話だと思うのは疑い過ぎだろうか?

 

「そこからの大森提督の時代は苦しく悲しい時代でした・・・戦争で沈むのは悲しいことですが、私達艦娘は軍艦ですので仕方ないことだと思います。しかし虐待やお金儲けの道具として使われるのはとても傷つく事ですし、傷ついた娘達を見るのはとても辛かったです・・・」

 

 流石に過去を語るのは辛いのか、淡々と語っていた鳳翔だが、感情を抑えきれなかったようで、少し涙を流している。少し無遠慮に踏み込み過ぎてしまったか・・・

 

「辛い話をさせてしまったか・・・今後は私が艦娘達の待遇を改善することは保証する。戦争である以上犠牲が出る事は避けられないだろうが、それ以外の事から守れるように努力しよう。」

 

「ありがとうございます。少しずつですが、この鎮守府にも活気が出てきましたので、私も少し嬉しいです。今後とも宜しくお願いいたします。」

 

 丁寧な所作で頭を下げる姿は美しさを感じてしまう。少しは心の余裕を取り戻して貰えたかな?

 

「それでは改めて今後の話がしたい。現状では鳳翔は唯一の軽空母だ。先程戦力としては物足りないと言っていたが、戦争は正面からの戦いが全てではない。私としては哨戒任務で活躍して貰いたいと思っているがどうだろう?」

 

「ええ、ご命令とあれば喜んで。しかし私の航行速度はそれほど速くありませんので・・・そこはご注意下さい。」

 

「了解した。深入りさせないように気を付けよう。では他に要望はあるか?これは軍務に限った話ではない。例えば夕立はご褒美に甘いものが欲しいと言っていたし、暁はシャンプーハットが必要だと言っていたな。」

 

 鳳翔はその例えに暖かな微笑みを浮かべると、少し考え込んでから顔を上げて、真っ直ぐ自分の目を見てくる。

 

「それでは居酒屋の経営を許可して頂きたいです。もちろん軍務の合間の時間で構いませんので。」

 

「居酒屋だと?」

 

「はい、最初の提督の時代にやっていた事なのです。艦娘の皆さんが安心して楽しめる場所を提供するのが、なによりの喜びでした。簡単なお料理とお酒が楽しめる場所で、辛い戦いを乗り越える力になればとの思いから始めた事です。もちろん提督もよく利用されて、艦娘達との絆を深めておりました。」

 

「なるほど、戦争で溜まったストレスを軽減する為に有効かもしれないな。羽目を外し過ぎなければ、適度な飲酒も悪くはない。ただそうなるとそれなりの設備と場所が必要だから、準備には時間がかかるか・・・」

 

 そう言うと鳳翔はかなり嬉しそうに微笑む、それだけ鳳翔にとって大事な場所だったのだろう。

 

「ありがとうございます。もちろんすぐにとは言いません。これは趣味のお話ですから、軍務に影響を与えてしまうのは心苦しいですから。」

 

「ふっ、私が良い案だと判断したのだ。それをズルズルと先延ばしにするほど、私は怠惰ではないつもりだぞ?」

 

「それは頼もしいお言葉です。では期待してお待ちしております。」

 

「では面談は以上だ。演習も頑張ってくれ。」

 

「はい、お任せ下さい。」

 

 鳳翔は朗らかに微笑んで退室していった。これならば運用にも支障は無いだろう。それにしても居酒屋か。これは意外な要望が出たものだ。

 

――――――――――――――――――

 

 鳳翔が退室した後すぐに大淀が入って来たが、なんだか深刻そうな雰囲気だ。

 

「何があった?」

 

「呉鎮守府の久藤提督からお電話です。」

 

 ついに厄介な相手が動き始めたか・・・




 今回は鳳翔さんのお話でした。やはり鳳翔さんは母親感に溢れているよ。

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

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  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!
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