疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 今回は久しぶりにドロドロ成分多めな気がします。


47話

「あの~司令官、どうしてあの廃工場は調べないのでしょうか?」

 

 鎮守府への帰り道で青葉がおずおずと尋ねてきた。

 

「あそこはただの入り口に過ぎないからだな。徹底的に調べれば何かしら痕跡が出るかも知れないが、それをするには人員も時間も足りない。他にやるべきことも多いからな。」

 

「で、でもそれだと売られた艦娘達の足取りを追えないのでは?」

 

「その為の調査を戻ってからやる予定だ。大淀に頼んだ轟沈の記録と資金の帳簿を照らし合わせれば、確証が得られると思っている。後は平川市長をどうやって上手く動かすかだな。」

 

 はっきり言って久藤提督が動く以上、平川市長が逆らうとは思えないが、何かしら誤魔化そうとしてくるだろう。その時に誰が売られたか分かりませんでは話にならない。

 

「うぅ・・・なんだかよく分かりませんが、司令官がしっかり考えて下さってるのですね・・・青葉は大人しくしておきます・・・」

 

 艦娘達は純粋な者が多い。軍艦として戦略については理解しているが、人間の嘘や暗い部分には疎い印象だ。これだけ仲間が売られた状況で、不信感を抱かずに轟沈したという話を信じていたくらいだからな。まあ、そんな所は艦娘の仕事ではなく人間である自分の仕事だろう。

 

「得意分野が違うだけだから、そうやって落ち込む事は無い。それに艦娘側から見た視点は私には無いものだから、今後も気になった事があれば教えて欲しい。それがヒントになることもある。」

 

「恐縮です。それでは気になっていたことなのですが・・・」

 

 お、さっそく聞きたいことがあるのか、その好奇心は調査にうってつけだな。

 

「艦娘が別の人に売られたのでしたら、何故存在出来るのでしょうか?」

 

「・・・どういうことだ?」

 

「あ、いえ、司令官はご存知無いかもしれませんが、提督の指揮下にいない艦娘は徐々に力を失って、最後には消えてしまうのですよ。ですから他所の鎮守府に移籍とかなら問題無いのですが、市長さんは普通の人ですよね?」

 

 言われてみればおかしな話だな・・・提督の居ない鎮守府の艦娘が力を失って消えてしまうのは知っていた。そのせいで急遽自分がこの鎮守府に送られたのだ。

 

「青葉、もし提督の指揮下から外れた艦娘が居たとして、消えてしまうまでどれくらい耐えられると思う?」

 

「えっと・・・前の司令官が亡くなって司令官が来るまでにだいたい一週間でしたが、その程度なら問題なかったですね。ですが力を失い始めたら加速度的に症状が進みますので・・・3週間くらいが限度なのではないですか?試す気にはなりませんし、個人差もあるとは思いますが・・・」

 

 3週間か・・・あまり悠長にしていられない案件かもしれないな・・・

 

「その話の根拠はなんだ?」

 

「えっと・・・艦娘の本能的な話なので、何故分かるのかと言われても困りますし・・・3週間って話も確証があるわけでは無いので・・・すみません。」

 

「いや、謝る必要は無い。むしろ本能的な話は私の知らないことだから、教えてくれて感謝する。」

 

「恐縮です。」

 

 さてどう考えるべきか・・・期間については曖昧だが、目安として3週間と考えよう。それならば3週間以内に11人も売られたって状況なのか?もしそうであれば、時間を稼がれてしまうと艦娘の消失が起こってしまうだろう。しかしそんな使い捨てるようなやり方をするだろうか?いくら前任者が不要と判断した者達だとしても、使い捨てにするほど資材は潤沢だったのだろうか?そんな雑な使われ方にしては艤装をきちんと保管しておくのも不思議だ。・・・ん?艤装の保管?

 

「なぁ青葉、もしかしたら艦娘達は売られたと考えるよりも、長期間貸し出されていると考えたほうが良いかもしれないな。」

 

「と言うと?」

 

「鎮守府に所属したままで、任務として相手の家に長期間行かせるんだ。そして定期的にこの地下通路を使って鎮守府に帰って来ることで、鎮守府に所属しているという体裁を整えていたのではないか?」

 

「な、なるほど・・・でも鎮守府内に戻って来たなら姉妹艦に無事を伝えたりは・・・」 

 

「提督の権限で全ての通信機能を遮断しろとか命令したのではないか?」

 

「それなら可能かもしれません・・・」

 

 だんだんと前任者のやり口が見えてきたな。こうなると整備についても気になるところだ。

 

「確認だが、艦娘が怪我をした場合は入渠しなければ治らないはずだよな?」

 

「いえ、自然治癒はしませんが、小破以下の損害なら明石さんが修理することも可能ですよ?」

 

 その手もあったか・・・しかし明石が全く知らない様子だったから明石に修理させていた線は薄いだろう。

 

「前任者の時代で入渠施設付近に近づかないように命令された事はあったか?」

 

「それは無いですが・・・基本的に用事が無い時は部屋で待機するように言われてましたよ。それなりに自由に動けたのは秘書艦の大淀さんと、夜戦を任されてた川内さんくらいだと思います。明石さんは工廠に部屋があるので、あの区画から出る事も無いかと思います。」

 

 そう言われれば着任初日に案内を受けた時、大淀以外の全ての艦娘が部屋で待機していたな。つまりあれが日常の状態だったのか・・・

 

「それならば大淀と川内に気を付ければ、こっそりと入渠施設を利用させることも可能だな。」

 

「そうですね。なんだか一気に話が進んでしまいましたね。」

 

 ふと青葉を見ると難しい顔で唸っていた。艦娘達が苦手な分野の話なのによく付き合ってくれたものだ。

 

「仮説としては十分に可能性が高い話だ。青葉のおかげでここまで話が見えてきたのだ。ありがとう。」

 

「恐縮です!お役に立てて嬉しいです!」

 

 さてと、後はこの話の裏取りと平川市長との交渉かな?




 今回は青葉と共に事件の考察回でした。とりあえずばらまいた伏線を回収していく作業。矛盾が出ないか不安になりながら頑張ってます。

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

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  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!
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