疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

5 / 240
評価やお気に入り登録されてるのを見て、ついつい調子に乗ってしまったぜ・・・


3話

 新任の提督が去った後の広場は重油のような重苦しい雰囲気だった。前任者が殺されて地獄の日々を抜け出せたと期待していたが、待っていたのは全艦解体という暗い未来だった。天龍が激情に任せて放った言葉も「知っている、理解はしている、だが命令には従え」とばっさり切り捨てられた。最後に長門が引き出した「待遇は改善する」という言葉も上から解体命令が出れば意味はない。

 

「天龍ちゃん!!なんであんな無茶をしたの!?提督に逆らったらどんな目にあうか知ってるでしょ!!」

 

「悪かったよ我慢出来なくて、でも誰かが言ってやらなきゃダメだと思ったんだよ。あいつには俺らの苦しみなんて伝わらなかったみてぇだけどな・・・」

 

「もう無茶しないでよ・・・天龍ちゃんが居なくなったら私・・・もう・・・」

 

「わかったわかったって、俺の解体が決まった訳じゃないんだから泣くなって。」

 

 そう言って龍田を宥める天龍を見て艦娘達は複雑な思いを抱く。堂々と提督に意見出来たことへの尊敬、危険な状況への心配、恐怖で動けなかった自分への失望、鎮守府の全員が解体されるかもという恐怖。様々な感情を処理しきれずに、ただただ俯くことしか出来なかった。

 

 ただ一人長門を除いては。

 

「皆顔を上げてくれ。絶望的な状況だが希望が無い訳ではない。全艦解体の話も提督は覆すつもりと言っていたし、私達の待遇も改善すると言っている。そして私が艦娘の代表として以前のような状況にならないように交渉する。だから皆は私を信じて待っていてくれ。では大淀、明石、間宮ついて来い。」

 

 そう言って堂々とした姿勢で去って行く背中は微かに震えていたが、恐怖してなお希望を求めて進む姿はまるでお伽噺の英雄のようだった。

 

――――――――――――――――――

 

 先に会議室について今後の予定について考える。とにかくやることが多いし同時に進める為には自分一人では手が足りない。だから早急にやるべきことは艦娘を掌握し、効率良く動かせるシステムの構築だろう。無駄を省き任せられる場所は部下に任せる、しかし完全な丸投げ状態にはしない。これが自分が考えられる理想の提督だ。理想は所詮理想でしかないが、だからと言って目指さない理由はない。

 

コンコンコン

 

「入れ」

 

「失礼する」

 

 考えも少しまとまったところで、呼んでおいた長門達がやって来た。席に座るように促すと、堂々とした足取りで進む長門に続いて、少し落ち着いて覚悟を決めた雰囲気の3人が後から入って来る。正直さっきの挨拶でやり過ぎたかと思っていたが、存外精神的に強い奴らなのかもしれない。

 

「ではさっそく始めよう。最初の議題は組織の構成についてだ。案としてまず大淀を秘書艦として私の補佐、主に事務関係を担当して貰う。そして長門を艦娘のまとめ役として主に軍事関係を担当して貰う。私の不在時には二人が責任者として判断することもあるだろうが任せられるか?」

 

「分かりました、精一杯務めさせて頂きます。」

 

「承知した。私に任せてくれ。」

 

「次に明石には資材の管理や外部への発注等を担当して貰う。出来るな?」

 

「はい、提督から業者の方々に挨拶をして、引き続き私が担当することを伝えて頂ければ問題ありません。」

 

「了解した、話が終わったらすぐに連絡をする。最後に間宮には食事に関することを任せる。贅沢をさせる必要はないが、きちんと食事をとることが出来る環境を整えて貰う。出来るな?」

 

「それは艦娘にも食事を提供して下さるということで宜しいでしょうか?」

 

「当然だ、私が艦娘を虐待しているなんて話になれば、上の連中がここぞとばかりに責め立ててくる。そんな隙は与えるつもりは無いからしっかりと艦娘達に食べさせろ。あと材料等の仕入れに関しては明石と相談するように。」

 

「かしこまりました。艦娘への食事の許可を頂きありがとうございます。」

 

「それでは具体的な指示に移ろう。大淀は鎮守府関係者の一覧と、この鎮守府に所属する艦娘の資料を用意しろ。長門は明日から資源回収のため遠征と近海の哨戒を始めたい。だからそのための編成と日程を組んで欲しい。明石は資源と備品の在庫確認をして帳簿を作成してくれ。今日からは資源と備品の管理は明確に記録をつけるように。間宮は取り急ぎ食材の発注をしてくれ、今日の晩飯に納入は間に合わないだろうから、何人か連れて買い出しにも行って欲しい。全員理解したか」

 

「「「「はい!!」」」」

 

「それでは執務室の修繕が終わるまでは、この会議室を臨時の執務室とする。それでは行動に移ってくれ。」

 

 4人が敬礼をして動き出したのを見て、組織として動き始めた実感が湧いてくる。ブラック鎮守府の艦娘は心を病んでいるから、まともに動けるか不安だったがなんとかなりそうだ。これなら大本営や周囲の提督がちょっかいをかけてくる前に、地盤を固めることが出来そうだ。




 長門さんカッコいいよ長門さん

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。