「提督、お客様をお連れ致しました。」
「入れ。」
応接室で待っていると加賀から声をかけられたので、入室の許可を出すと北条が執事を連れて入って来た。少し茶色っぽい髪を腰の辺りまで伸ばして姿勢も良くて顔立ちも良い為、艦娘達と比べても劣りはしないだろう。
「おーほっほっほっ!数日ぶりですわね葛原!提督になったと聞きましたが調子はどうですの?」
高笑いと共に上から目線で話しかけてくる。本当にこの性格さえなければなぁ・・・
「はぁ・・・厄介事が多すぎて困っているところだな。それで何の用なんだ?」
対面のソファーに腰かける北条とその背後に控える執事の・・・確か本郷さんだったか?そして加賀は自分の背後に控えてくれるようだ。
「ため息をついてばかりだと幸せが逃げてしまいますわよ?昼間に織田の奴が貴方の着任祝いをしたと聞きまして、負けてはいられないと思って直接伺って差し上げましたの。」
「は?織田から連絡があったのは昼前だぞ?その短時間でここまで来たのか?」
「ええ、プライベートジェットがあればすぐですもの。おーほっほっほっ!!」
相変わらず無茶苦茶な奴だ。深海棲艦の襲撃で空港も大打撃を受けた為、日本の航空機関はほとんど使えない状態だ。一応空港の滑走路自体の整備は出来ているところもあるし、国内であれば一応制空権は確保しているので、使えない訳ではないのだが・・・まさか北条がプライベートジェットまで所有していたとはな・・・
「プライベートジェットまで持ってるとは思わなかったな・・・それもお前のところで作ったのか?」
「ええ、正確に言えば深海棲艦に破壊された航空機から部品を集めて、再構築したものですわ!もちろんそれを行う技術があってこそですけれど。」
「流石は北条工業と言ったところか。」
北条の実家の北条工業は深海棲艦の襲撃後に急速に力を伸ばして来た会社だ。以前は中規模の金属加工工場だったそうだが、『技術の再生』を社是として深海棲艦の襲撃で失われた技術を再び使えるようにする活動をしている。深海棲艦の襲撃で職を失った技術者を職種に関わらず受け入れたり、会社そのものを吸収合併することで、様々な分野に手を出す事を可能としている。今の日本の再建に最も貢献している民間企業と言っても過言ではない。妖精さんの謎の力に頼りきった鎮守府のようなものではなく、人間本来の技術を使うことで安定して大規模な生産が可能になるのが魅力だろう。
「おーほっほっほっ!北条工業の素晴らしさを理解して頂けたかしら?そんな会社の後押しを受けている私が提督としての才能も持つのですよ?それはもう提督のトップに立つべき存在になるでしょう?ですから今のうちに私の傘下に入る事をオススメしますわ。」
「またその話か・・・何度も誰かの傘下に入るつもりは無いと言ったはずだ・・・」
正直に言えば北条工業の後ろ楯は魅力的な存在かもしれない。しかし提督として各方面に敵を作ってしまっているのに、さらに北条工業内部での権力争いにまで参戦するのは無理難題だろう。あれだけ大きな企業なら久藤提督や鶴野提督と繋がっている者達も当然居るだろうからな。
「相変わらずつれないですわね・・・私は貴方の提督としての才能をかなり評価してますのに。まあ、良いですわ。今日は同期の提督就任のお祝いに来たのですから、細かい事は置いておきましょう。どうせいずれは私の傘下に入るでしょうし。」
「はぁ・・・まあ、そういう事にしておいてくれ・・・」
北条の頭の中では自分が傘下に加わる事は決定事項のようだ・・・これだから我が儘なお嬢様は困る。
「そう暗い顔をするものではありませんわ!着任祝いとしていくつか貴方にプレゼントを持って来ていますのよ?本郷!」
「はい、お嬢様。こちらを。」
本郷さんがテーブルの上に大きめのカバンを置いたが、果たして中から何が出てくるのやら?
「まずはこれ、カメラですわ!聞いた話ですと貴方は鎮守府の捜査も任されているそうですわね。ですから捜査にはカメラが必要だと思いましたの!それからこっちはボイスレコーダーですわ!貴方には敵も多いみたいですし、こういうのも役に立つと思いますの!どうです?私の心遣いに感謝なさい?おーほっほっほっ!!」
確かに希少品でありがたい物だが、両方とも手に入った後に持ってくるタイミングの悪さ・・・どうせくれるのであれば、自分が向こうを出る時に渡して貰えればと思ってしまうのは贅沢だろうか?いや、他人の善意からの贈り物にケチをつけるのは良くないか・・・
「あ、ああ。助かる。」
「それと最後にスタンガンですわ!貴方は本当に敵が多いですから、これでバチバチやっちゃいなさい!」
ほほう、ずいぶんと過激な事を言うものだ。後ろの加賀が若干引いてる気がする。一応士官学校で柔道等の武道は習ったが、自衛手段は多いほうが良い。
「ほほう、自衛の為の道具はありがたい。いざという時は自分の身は自分で守らなければならないからな。」
あくまでも自衛の為の道具ということを主張しながらスタンガンを受け取る。あくまでも自衛の手段の一つだ。これで敵対する奴等を襲うなんてのは無しだ。
「そうでしょう!そうでしょう!もっと感謝しても宜しくてよ?おーほっほっほっ!!」
ああ・・・本当にこの性格さえなければ素直に感謝するのだがなぁ・・・悪意が無いので対応に困る奴なんだよなぁ・・・
「わかったわかった、また何か困った事があれば声をかけるかもしれないから、宜しく頼むな。」
「ええ、任せなさい!未来の傘下の者には寛大な心を持っていますもの!おーほっほっほっ!」
面倒な性格だが北条工業の技術力は本物だからなぁ、関係は維持しておいたほうが良いので困ったものだ。
「お嬢様、そろそろ次の予定の時間が迫っております。」
「あら?もうそんな時間ですの?では葛原、私はこれで失礼致しますわ。将来の為にしっかりと艦娘を鍛え上げて、立派な艦隊を作りなさい!良いわね?」
「ああ、言われるまでもない。加賀、二人を送ってくれ。」
「はい、お任せ下さい。」
今までずっと黙って控えていた加賀に二人を送って貰う。加賀は本当に真面目で任務に忠実なので、艦娘の中でも一番軍人向きの性格なのではないかと思う。何はともあれ色々と贈り物を貰えたのはありがたい。カメラもボイスレコーダーも2台あって困るものでは無いからな。・・・そう言えばカメラの現像はどうすれば良いのだろうか?青葉のカメラのように妖精さんに頼めたら楽なんだが、せめてこの街に現像できる場所があれば助かるのだが・・・
ふぅ・・・ついつい暴走させてしまった。艦娘が暴走させられない分、オリキャラには暴れて貰いたいものです。
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!