疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 今回は夕食です。つまりほのぼの回です。今回はちょっとギャグ要素多目かも?


54話(3日目夕食)

 シャワーを浴びて気分良く食堂に向かうと、艦娘達は既に食事を始めていた。いつも通り反応しようとするのを手で制す。注目を集めているようなので、今のうちに声をかけておくか。

 

「食べながらで構わないから聞いてくれ。食後に重要な話をするつもりだ。だから食後はそのまま食堂に残っていてくれ。以上だ。」

 

 自分の発言を受けて艦娘達がざわめき始める。今日の演習の話だろうか?今後の予定だろうか?等の意見が飛び交う中で、明日の筆記試験の話っぽい!?と絶望感を出している者もいた。何はともあれまずは食事を済ませるとしよう。間宮の元へと向かうと、手際よく準備をしてくれた。

 

「提督、お疲れ様です。」

 

「お疲れ様。今晩のメインはオムライスか。洋食も作れるのだな。」

 

「はい、和・洋・中となんでも作れますよ。もちろん材料が手に入る物に限りますし、この人数ですのであまり凝ったものは作れませんが。」

 

「献立の組み立て等に関して私は素人だ。間宮がやり易いようにやってくれ。」

 

「はい、お任せ下さい。」

 

 間宮から食事を受け取って席を探そうとすると、すかさず青葉が近寄って来た。

 

「ささっ、司令官、こちらの席へどうぞ。今日は青葉達と食べましょう!」

 

 青葉が案内する方を見ると、こちらに手を振っている鈴谷と、我関せずと優雅に食事を楽しんでいる熊野が居た。まあ、熊野も嫌がっている訳では無いようだし、誘いに乗っておくか。

 

「分かった、一緒に食べるとしよう。」

 

 青葉がささっこちらへと、椅子を引いて青葉の正面の席へと誘導してくれる。左隣に鈴谷が居て、鈴谷の前に熊野が座って居る配置だ。手を合わせてから食事を始めると、青葉が好奇心に目を輝かせながら質問してきた。

 

「それで司令官!大事な話とは何ですか?青葉気になります!」

 

「あ、鈴谷もそれ気になる。」

 

 なるほど、それが目的だったか・・・他の艦娘達も気になるのか、少し食堂のざわめきが鎮まって聞き耳を立てているようだ。

 

「さっきも言ったが食後に艦娘達全員を集めて話をするつもりだ。大事な話だからきちんと場を設けて話すつもりだ。」

 

「ええ~そんな~あんな事言われたら気になってしまいますよ~教えて下さいよ~」

 

 はっきりと断ったがまだ食い下がってくるか、面倒な奴め・・・それならこちらにも考えがあるぞ?

 

「ふむ、青葉は食事よりも仕事の話の方が気になると?」

 

「はい!もちろん食事は楽しみですが、青葉の好奇心が疼いてしまいました!」

 

「では、先に写真の現像の件と・・・盗み聞きをしていた件について話をしようか?」

 

 そう言った途端にピタッと止まり、冷や汗を流しながら目線を逸らした。分かりやすい奴だな。

 

「あ、えっと・・・お仕事の話は後にしましょう。ええ、美味しいご飯が冷めてしまうともったいないですし。アハハ・・・」

 

「青葉・・・盗み聞きって・・・」

 

「ああ!鈴谷さん!そんな目で見ないで下さい。誤解です!いや、その、ちょ~っと気になってしまっただけで、別に盗み聞きしようなどではなくてですね!少しだけドアから離れるのが遅くなったというかなんと言うか・・・」

 

「え、それ完全にアウトじゃん・・・青葉は今晩営倉行きかぁ・・・」

 

「いやぁぁぁ!!司令官!なにとぞ、なにとぞ寛大な処置を宜しくお願い致します!あ、お疲れでしたら肩でもお揉みしましょうか?」

 

 青葉は揉み手をしながら低姿勢でご機嫌伺いをしてくる。本当に分かりやすい奴だ。

 

「食事中に肩揉みなんかされたら食べにくいだろうが・・・良いから座って食事しろ。」

 

「はい・・・分かりました・・・」

 

 とぼとぼと大人しく自分の席に座る青葉。無罪放免とはいかないが、この態度を考慮してあまり重くない罰を考えておこう。

 

「仕事の話と言えばだが、鈴谷、演習はどうだった?」

 

「あ、それそれ!鈴谷ちょー頑張ったからさぁ!鈴谷褒められて伸びるタイプだし!うーんと褒めてね!」

 

「ほう、自信有りと言ったところか。結果を見るのが楽しみだな。」

 

「あ、いや、結果は普通かもだけど・・・鈴谷こういうの初めてだし、経験なかったからやり方がよく分からなかったっていうか・・・でもでも一生懸命頑張ったからさ!」

 

 ふむ、それは一理あるな。今まで演習も実戦も経験させて貰えなかったのだ。いきなり動けるようにというのは無理があるな。

 

「そういえば、長門がやる気のある奴には計測だけでなく練習もさせたと言っていたな。」

 

「そうそう!そういうところ!鈴谷頑張ったんだから!これで熊野にゃ負けないねぇ~」

 

「はぁ・・・鈴谷、そういうことは私に勝ってから言うものではなくて?」

 

「いや!鈴谷けっこう勝ってたじゃん!」

 

「これだから鈴谷は・・・優雅さが圧倒的に欠けていましたわよ?」

 

「え!?それ関係無くない!?」

 

 その後も姦しく言い合う二人を眺めながら食事を進める。熊野も初めての演習で鈴谷と張り合っていたのなら、それなりに成果があったのだろう。

 

「あ、あの~青葉も午前中は演習頑張りましたからね?ですから温情の余地を頂ければなぁなんてですねぇ・・・」

 

 ・・・ふむ、相変わらず間宮の料理は美味いな。この料理が毎日食べられるのは大きな利点だろう。




 実は表情豊かな青葉が大好きです。
 鈴熊コンビもずれてる感じが面白いですね。

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!

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