疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

59 / 240
 皆様明けましておめでとうございます。今年も応援宜しくお願い致します。そして新年一発目からわりと重い内容となりましたので、部屋を明るくして、SAN値が削られないようにしてお読み下さい。


57話(悪雨登場)

 応接室で寝ていると、誰かが近づいて来る気配で目が覚める。最初は川内かと思ったが、川内は今一人で夜間哨戒に出ているはずだ。それに足音を殺してこちらを探るような動きをしている気がする。そしておそらく相手は艦娘では無くて人間だろう。それもかなりの手練れだ。士官学校時代は悪戯レベルの闇討ちだったので、少し脅してやれば逃げ去ったものだが、残念ながらここは鎮守府の中だ。ここまで忍び込んで来た以上、目的を果たすか明らかに失敗しない限りは逃げないだろう。とりあえず武器になりそうな物を静かに探す。まずは北条から貰ったスタンガン、これが唯一まともな武器だろう。後はペンが数本と文鎮くらいか。机もソファーも棚も武器にするには重すぎる。後は棚に入っているティーセットや本等も投げるくらいは出来るか・・・後は相手の武装次第だな・・・殺しに来たのなら拳銃やナイフくらいは持っているだろうし、盗みに来たとしても何かしら護身用の武器くらいは持つはずだ。応接室は2階なので窓から飛び降りて逃げることも可能だが、この暗さだときちんと着地が出来るか不安だ。もし着地に失敗して動けなくなればそこで終わりだ。やるしか無いな・・・

 

 静かにペンと文鎮をポケットにしまい、貰ったばかりのスタンガンのセーフティを外す。相手はまだ扉の向こう側でこちらの様子を伺っているようなので、今のうちに扉に近づいていく。可能ならば相手がドアノブを掴んだ時に、こちらからスタンガンでドアノブに電流を流して仕留めたい。それが失敗したならば、せめて電気をつけることで視界の確保くらいはしておきたいものだ。位置としてはドアノブ側の壁際で、すぐに照明の電源が入れられる場所で機会を待つ。相手も戸惑っていたようだが、ついにドアノブを掴んだようで、ゆっくりとドアノブが動いた!すかさずスタンガンをドアノブに押し付けて起動すると、バチバチッ!!っと派手な音がした。しかし相手は叫びも倒れもせずにドアを勢い良く開けて、何かを突き付けてくる!!とっさに電気をつけてその場を離れると、パスッパスッパスッ!と音が3連続で聞こえた。おそらくはサイレンサー付きの拳銃だろう。ソファーの影に隠れる前に文鎮を投げつけたが避けられて、反撃に2発撃たれたがソファーに隠れて難を逃れた。ただし当たらなかっただけで、一発はソファーを貫通しているので、このまま隠れていても撃たれるだけだ。立ち上がりながらペンをまとめて投げつけたが、相手の銃撃が太ももに当たり熱い痛みが走る。幸いかすっただけのようだが、痛みに気を取られた隙に相手は拳銃を捨ててナイフを取り出す。一方的に撃たれるよりはマシだが脅威が去った訳ではない。相手が振るうナイフの一撃目を避けたものの、足の痛みにバランスを崩してしまい倒れてしまう。そんな隙を逃す相手ではなく、馬乗りになって止めを刺しに来たのを、相手の腕を掴んでギリギリ生き残った。

 

「提督!?」

 

 暗殺者に殺されかけていると誰かの声がした。ふと視線を動かすと春雨の姿が見えた!

 

「春雨!助けてくれ!!」

 

 とりあえず叫んでみたが、正直この状況では期待出来ないだろう。普通の人間なら暗殺者に攻撃するだろうが、艦娘に人は傷つけられない。暗殺者の方も提督を殺せば、艦娘などどうとでもなると判断したのか、こちらを殺す事に集中している。

 

「え、えい!!」

 

 そんな気が抜ける声と共に馬乗りになっていた暗殺者が吹っ飛び鈍い音がした。慌てて状況の確認をすると、暗殺者を突き飛ばしたであろう姿勢の春雨と、棚にぶつかって首があり得ない方向に曲がった暗殺者がいた!!艦娘が人間に攻撃しただと!?

 

「あ・・・あ・・・私・・・そんな・・・」

 

 春雨はしばらく呆然としていたが、暗殺者を攻撃してさらには殺してしまったことを認識してしまい、頭を抱えて蹲りぶつぶつと不明瞭な独り言を呟き始める・・・

 

「落ち着け春雨!お前は私を助けてくれたのだ!お前は人を救ったんだ!!それにお前は私の命令に従っただけだ!罪は上官の私が背負う!だから落ち着いて深呼吸するんだ!!」

 

「い、いや・・・私・・・ワタシ・・・」

 

 ついに春雨が倒れてしまったので、どうするべきか判断に迷う。暗殺者の方は即死だろうから一先ず大丈夫だろうが、春雨の方が問題だ。だんだんと髪の色が薄くなっているのは、おそらく深海棲艦化が進行しているのだろう。前回は白露型姉妹が入渠施設に入れたら、元に戻ったと言っていたので、今回も試してみるべきであろうか?ならばまずは入渠施設に運ぶのが先決か?それとも白露型姉妹が声をかけ続けたからこその奇跡だろうか?それならばまずは白露型姉妹を呼ぶべきだ!そう思って会議室にあるはずの通信機を探そうとしたが、春雨がゆっくりと起き上がる。

 

「春雨!?大丈夫か!?春雨!?」

 

 起き上がった春雨の顔は青白く、髪の色も微かにピンクが残っているくらいだ・・・

 

「こんばんわ、提督。会えて嬉しいわ♪」




 予め考えていた内容とは言え、新年一発目から怖いお話でした。皆様のSAN値を心配しつつも、書きたいものは書かずにはいられないのですよ。
 SAN値が削られた方はIfの方で年末特別編を更新しているので、是非そちらのほうで回復して下さい。

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。