疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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1日が長い・・・でもまだまだ描写したいことがあるから困る・・・


4話

 主要な艦娘達に指示を出した後に待って居たのは電話地獄だった。大淀が用意した関係者のリストをもとに着任の挨拶をしていく。気楽だったのは最初に連絡をした仕入れ業者くらいなもので、前任者が必要としなかった艦娘の分の食料や備品等が売れるとあってすごく張りきっていた。納品に関しても「夕食までには間に合わせてみせますよ」とやる気満々だったので好印象だ。

 後は軍関係者なのだが・・・今回着任した「北九州」という土地は非常に厄介な場所だ。地理的な話であれば本州と九州の境目と言えば簡単だろう。大本営のある横須賀から遠いことは自分にとってはメリットだが、4大鎮守府の佐世保と呉の中間あたりにある為、両方から干渉を受けることとなる。日本海から東シナ海へ続くルートが目の前にあり、日本海側から瀬戸内海や太平洋へ抜ける海峡もあるので、日本海側防衛の要である4大鎮守の舞鶴からも影響を受ける最悪の場所だ。さらには近隣の鎮守府にも挨拶をしなくてはならなかったため、全てを終える頃にはストレスで吐きそうだった。

 周囲の鎮守府の提督達は小物ばかりだったので適当に流しておいたが、流石に4大鎮守府の主は格が違った。

 まず一番近かった佐世保の提督だが、西の英雄と呼ばれるガッチガチの武闘派だ。艦娘は兵器だと主張する派閥の筆頭で、艦娘の扱いが酷いと大本営の奴らは言っていた。しかし学生時代に集めた情報では艦隊指揮については苛烈な印象だが、それ以外に関してはむしろ待遇は良さそうだった。電話では手短に「戦果を上げろ、クズどもとは付き合うな」とだけ言って電話を切られた。話が短いのは好印象だ。

 次に呉の提督にはヤクザのボスって表現が一番近いだろうか?近隣の提督達を傘下に入れた汚職集団の頭で大本営のほうにも強い影響力を持っており、かなりやりたい放題やっているらしい。その代わり実力は本物で傘下共々国土防衛に大きく貢献している。電話では「上手くやりたければ俺の下に付け、下に付きたく無いならそれでも構わないが、余計な詮索はしないほうが身のためだぞ」と脅してきた。脅されると反抗したくなるが力を付けるまでは無謀なことは出来ないか・・・

 さらに厄介なのは舞鶴の提督だろう。こいつは呉の提督と権力争いをしているらしく、本人の陰険な性格もあって正直一番関わりたくない奴だ。電話では長々と遠回しに脅してきた挙げ句「前任者の汚職の証拠を徹底的に調べあげ報告しろ。そうすればお前のようなカスでも傘下に入れてやろう」とかほざきやがった。こいつの傘下だけは絶対にないな。

 最後の大本営を代表して横須賀の提督と話をしたが、相変わらず脳内がお花畑でうんざりしてしまう。この人は艦娘の人権を主張する派閥のトップで、艦娘と人間が皆で協力して深海棲艦の脅威に対抗しようという考えの人だ。キラキラと理想を語るのが大好きな人だが、政治関係には疎く足元の大本営での汚職にすら気が付けてない人だ。しかし艦娘の練度や艦隊指揮については圧倒的で、東の英雄と呼ばれるのも納得出来る。電話ではこちらの反応が無くても熱く語り続けたので、精神的な疲労では一番かもしれない。

 

 

「なんとか終わった・・・」

 

「お疲れ様です提督。コーヒーでもいかがですか?」

 

「ああ、頼む」

 

 大淀にそう伝えると大淀は手際よくコーヒーの準備をしてくれる。秘書がいるというのも悪くないな。

 

「提督、砂糖とミルクはどうされますか?」

 

「甘ったるい理想論で脳が犯されそうなんだ、ブラックですっきりさせたい」

 

「・・・それは本当にお疲れ様です」

 

 苦笑いしながら差し出されたコーヒーを一口頂く。コーヒーは甘いほうが好きなのだが、今日に限ってはブラックの苦みが心地良い。

 

「ふぅ・・・美味いな

 さて、かなり時間を浪費してしまったが、他の作業の進捗はどうなっている?」

 

「まず私ですが艦娘の資料のまとめは完了しております。同時に過去の戦闘の記録もまとめてありますので参考までにお目通しください。

 次に明石さんですが、間宮さんがまとめた食材の発注は終えたそうです。また長門さんと協力して足りない備品のリストを作成中とのことです。

 最後に長門さんですが軽巡と駆逐艦で哨戒組と遠征組を編成し、遠征先の候補地を選定したとのことです。なので後は提督の指示があればいつでも行ける状態です。そして各艦娘寮を回って必要な備品のリストを作成しているところです。」

 

 ・・・想像以上に優秀だ。指示されたことだけではなく、必要なことを考えて動けるのは凄く助かる。

 

「了解した。哨戒に関しては明日から始められるように準備を進めてくれ。遠征は状況を見てから決める。ちなみに必要な備品とはどんなものがあるか聞いているか?」

 

「ッ!その・・・艦娘寮にはほとんど備品が無い状況でして・・・駆逐艦の子達などは布団すらなく床で寝ている状態です。ですからせめて布団くらいは支給して頂けないでしょうか?」

 

 大淀は若干震えながらそう答えた。前任者の時ではその程度の要求すら出来ない有り様だったのか・・・

 

「明石に人数分の布団を早急に発注するように伝えろ、その他の備品については引き続きリストを準備するように。」

 

「はい、ありがとうございます。」

 

 大淀も提案が通ったことに安堵しているようだ。自分も知らないうちに艦娘を虐待してしまうところだったので、内心ほっとしている。艦娘達もブラックの常識に染められているだろうから、意識の改善も今後の課題だろう。

 

「ん・・・提督今連絡が入りまして、食材を運ぶトラックが到着したようです。それと配送業者の代表の方が一緒に来られており、直接挨拶をさせて欲しいとのことですがいかがしましょう?」

 

「わかった、ここにお通ししてくれ。挨拶ついでに布団に関しても交渉してみよう。」

 

「ハッ!!すぐにお連れ致します。」

 

 敬礼をして退室していく大淀を見送って、彼女がまとめた艦娘の資料に目を通し始める。やることは山積みなのだ。同時にどんどん処理していかないと全く追い付かないな・・・

 




 実は行き当たりばったりで書き進めているため、最初は鎮守府の場所を明確に決めるつもりはなかったりする。

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!

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