『こちらは長門鎮守府の遠征部隊です。資材の回収作業をするのですみやかに交代して下さい。繰り返します。こちら長門鎮守府の遠征部隊です。資材の回収作業をするのですみやかに交代して下さい。』
長門鎮守府の艦隊からの通信は、こちらに命令するような口調だった。通信を受けた艦娘達も戸惑う者や憤慨する者、無関心な者など様々な反応だった。
「ふざけんじゃねぇぞ!!俺達が戦った後からのこのこ出てきて資材を寄越せだと!?てめぇらには誇りってやつがねぇのか!?」
通信越しに天龍が怒鳴っているのが聞こえて頭が痛くなる。気持ちは分かるが無駄な行動だ。
「やめろ天龍。そこの艦娘達に言っても無駄だ。」
「はぁ!?てめぇはこれが許せるってのか!?」
「現場の艦娘達は上からの命令で動いてるだけだから、そいつらに何を言っても無駄だ。不本意な命令でも従わなくてはならないのは、お前達ならよく知っているだろう?」
「・・・そうだな。悪かったよ・・・」
「文句なら私が直接長門鎮守府の提督に言う。とりあえず現状はそのまま待機だ。こっちで話をつけるまでは資材確保の為の場所を譲る必要は無いし、こちらから何も言う必要は無い。暁達が到着したらすぐに資材の積み込みをさせてくれ。全員で積めるだけ積んだら帰還するように。赤城、頼んだぞ。」
「了解しました。」
さて、どうやって暁達が到着するまでの時間を稼ごうか?
「提督、長門鎮守府へ通信を繋げますか?」
「いや、まだかける必要は無い。しばらく放っておいたら向こうから抗議の電話をしてくるはずだから、それまでゆっくり時間を稼ぐ。」
「・・・分かりました。駆け引きとかは提督にお任せします。」
大淀は少し困ったような顔をしたが、すぐに切り替えたようだ。艦娘達からすれば人間同士の小競り合いなんて、愚かな行動にしか思えないだろう。しかし艦娘達のように素直に人間の相手をしてしまうと、相手はどこまでも増長して様々な要求をしてくるものだ。こんな茶番に付き合わされるのは腹立たしいが、悪意のある相手はきっちりと拒絶しておかないと、味を占めて何度も寄ってくるし、仲間もどんどん集めて来るので手に負えない。
「・・・提督、さっそく長門鎮守府から通信ですね。」
「仕方ないな。繋いでくれ。」
思ったよりも早くかかってきたな。これはかなり苛立っているのではないか?
「お電話代わりました。北九州鎮守府の葛原です。」
「長門鎮守府の原田だ。こちらの遠征部隊が資材の回収作業に行ったのだが、貴様の艦隊が資材溜まりで妨害していると報告があった。いったいどういうつもりだ?」
「妨害とは人聞き悪いですね。我々は資材溜まりを占拠していた深海棲艦を撃破しました。提督の規約では資材溜まりを占拠する深海棲艦を撃破した場合、その資材溜まりで資源を回収する優先権を得られるはずです。ですので我々の行動には正当性があります。」
「私は敵艦隊が居たなどといった報告は受けていないぞ?本当に実在していた証明はあるのか?貴様が嘘の報告をしているのではないか?」
報告を受けていないだなんて白々しい。こちらが戦闘している事を知らなければ、こんなタイミング良く遠征部隊を送ってくる訳が無いだろう。
「それでしたら後日正式な報告を大本営に送りますので、確認してはいかがですか?もしくは今すぐ確認したいのであれば、潜水艦を派遣していただいて沈んでいる深海棲艦を確認すれば良いかと。」
「チッ・・・良いからさっさと資材溜まりを明け渡せと言っているのだ!貴様は着任直後の慌ただしい時に、哨戒任務をしてやった恩を忘れたのか!?この恩知らずめ!!」
ついに難癖をつけるのを諦めて、強引に話を進めようとしてきたか。そんなものでどうにかなると本気で思っているのだろうな。
「ほう?もちろん覚えていますよ。着任直後の夜に夜戦をしたことは、つい最近の出来事ですからしっかり覚えていますが?」
「ふん、博多鎮守府の方が手を抜いて深海棲艦に抜かれたのだろう。私には関係無い話だ。というかさっきからなんだその態度は?新人のくせにやけに反抗的な態度ではないか?新人は黙って先輩の指示通りに動いていれば良いのだ!!そういう常識をしらないから、貴様はどの陣営にも入れない爪弾き者なのだ!!」
ずいぶんな物言いだな。こんなクズが1つの鎮守府を管理しているのだから困ったものだ。しかもおそらくこいつが特殊な奴ではなく、よくいる提督の一人なので頭が痛くなる。
「はぁ・・・少なくとも私は敬意を払うべき相手にはきちんと対応しますが?まああなたには縁の無い話かも知れませんが。」
「なんだと貴様ぁ!!貴様なんかよりも遥かに実績のある先輩に対してなんという物言いだ!!私の後ろにはあの鶴野提督がいるのだぞ!?鶴野提督の不興を買って、ただで済むと思っているのか!?」
「はっはっはっはっ」
「貴様ぁ!!何がおかしい!?」
こいつも平川市長と同様に、虎の威を借る狐、ただの小物同士だとこうも似るものなのだろうか?
「これは失礼しました。いきなり面白い冗談を言われるのでつい笑ってしまいました。」
「人を馬鹿にするのも大概にしておけ!!」
「馬鹿にしているのはそちらでしょう?鶴野提督の不興を買ってしまうですか?何を今更言っているのですか?少しでも交渉をするつもりがあるならば、相手を調べるくらいはしてはどうですか?鶴野提督の不興なんて一年前には買ってます。」
「貴様ぁ!!」
そこからしばらく原田提督が喚いていたが、とりあえず受話器を机に置いて一息つく。それなりに時間を稼げたと思うのだがなぁ。
「提督、暁さん達が資材溜まりに到着したようです。」
「ならば早急に資材を回収して撤収しろ。もし高速修復材があれば最優先に回収しろ。あと資材は燃料と弾薬は多めに欲しいところだな。」
「分かりました、そう伝えます。」
暁達が到着したのであればもうこれ以上付き合ってやる必要は無いな。
「聞いているのか貴様!?」
「ああ、失礼。部下から報告を受けていたもので。もうすぐ私達の部隊は資材の回収が終わりますので、その後はご自由にされて下さい。ではこれ以上の会話は無意味ですので、これで失礼します。」
「なんだと!?ふざけ
ふぅ・・・やっとやかましい怒鳴り声が聞こえなくなった。本当に人間の相手は面倒だな。
「大淀、今晩は祝勝会を開きたい。間宮には少し豪華な食事を頼んで、明石には真柴さんに連絡して何か甘味を仕入れておくように伝えてくれ。」
「それは楽しみですね。準備のほうはお任せ下さい。売られていた艦娘達の帰還のお祝いも合わせて盛大にやりましょう!」
「ああ、任せた。私は残っている書類を片付ける。」
「そう言えば執務室は使われないのですか?もう修理が完了していると思いますが?」
完全に頭から抜けてしまっていたな・・・
隣の鎮守府との関係が悪化しました。まあ、元から期待していない人だったので問題ないかと。
もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。
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主人公葛原提督率いる問題児四天王
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大淀
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長門・陸奥
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第七駆逐隊
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川内・神通
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明石・夕張・間宮・鳳翔
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第六駆逐隊
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北上&大井
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青葉&衣笠
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金剛姉妹
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伊19・伊168
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赤城&加賀
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翔鶴&瑞鶴
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白露型姉妹
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島風&雪風
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天龍&龍田
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龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
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朝潮・木曾・陽炎・不知火
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叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
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俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!