疑心暗鬼提督のブラック鎮守府再建   作:ライadgj1248

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 ほのぼの回のお食事回の前にもう一つ戦後処理のお話です。


70話

 金剛姉妹との話を終えて執務室に戻って一息つく。今回はそれなりに大きな戦いをしたので、明日は掃討戦をしてあの資材溜まり周辺を安全にしておきたいものだな。しかしまずは大淀と共に今日の戦闘結果のまとめを進めていくのが先だ。鎮守府の資金の多くは大本営から支給されるもので、鎮守府の規模によって変わる維持費と、深海棲艦を倒す事で貰える討伐報酬がある。後はその他副業で稼ぐ提督もいるが・・・早い所討伐報酬が貰えるように、書類はさっさと提出するに限る。

 

コンコンコン

 

「提督、暁よ。」

 

「天龍もいるぜ。」

 

「入れ。」

 

 暁が一枚の紙を持って執務室へとやって来た。遠征の結果の報告だろう。いっぱい資材を持って帰ったと言っていたから楽しみだな。天龍は今回の戦闘の報告だろうか?

 

「資材の計量が終わったわ。明石さんからこの書類を渡して欲しいって頼まれたの。」

 

「ありがとう、確認させて貰おう。」

 

 暁から書類を受け取って確認すると、想定以上の結果だった。高速修復材5個に燃料と弾薬を満載だ。燃料と弾薬優先とは言ったが、余ったスペースに鋼材やボーキサイトを載せて来ると思っていた。しかしこの量ならば燃料と弾薬だけで一杯になったのだろう。

 

「どうやらかなりの量があったようだな。よくやった。」

 

「当然よ!だって暁はレディだもの。それにあそこにいた深海棲艦を皆が倒してくれたおかげだもの。」

 

「それもそうだな。」

 

「でもあれだけ資材があるなら、長門鎮守府の人と喧嘩する必要はなかったかも知れないわ。」

 

「・・・そんなに多かったのか?」

 

「ええ、あそこは宝の山みたいだったわ。たぶん長門鎮守府が持って行ってもまだ少し残るんじゃないかしら?」

 

「そこまでか・・・」

 

「提督?」

 

 暁が不思議そうに首を傾げているが、これは思ったよりも厄介な話かも知れない。

 

「ああ、いや、大丈夫だ。それより入渠は済ませたのか?8時から美味しい食事が待ってるぞ?」

 

「それはとっても楽しみね。じゃあこれで失礼します。」

 

 ぺこりとお辞儀をしてルンルン気分で執務室を出ていくのを見送って、少しため息をついた。

 

「なんだよ提督、資材が多かったのがそんなに嫌なのかよ?まあ、長門鎮守府の奴らに資材をやるのは癪かも知れねぇがよ。」

 

「いや、そこは全く気にしていない。自分達の分が確保出来るならば後の事は知ったことではないからな。問題は資材が多すぎるほうだ。」

 

「は?どういう事だよ?」

 

 天龍は訳が分からないと言った表情だが、これにはきちんとした根拠がある話だ。

 

「大淀、あの資材溜まりは特別溜まるのが早かった訳では無いよな?」

 

「ええ、ごく一般的な資材溜まりでしたが、深海棲艦が拠点としていたのであれば、多いのは当然では無いのですか?」

 

「あのサイズの集団にしては多すぎる。今回は輸送ワ級も確認していないのにこの量だ。しかも今回の敵のトップは空母ヲ級だろう。」

 

「それがなんだよ?」

 

「深海棲艦の知能の話だ。基本的に深海棲艦は知能が低いが、上位の個体になればそれなりの知能を得る。そして下位の個体は上位の個体の命令に従い、群れを形成する性質がある。」

 

「それはまあ・・・知ってるけどよ。」

 

「今回相手にしたヲ級くらいならば3艦隊程度が管理出来る限界だろう。歴戦個体のflagship とかならば話は変わるが、今回の相手は普通のヲ級だ。」

 

「ああもう!だからなんだってんだよ!!」

 

 天龍がしびれを切らすが、これは前提条件だ。

 

「だが今回見つかった資材の量を考えれば、3艦隊で必要な量を遥かに超えている。それに輸送ワ級も確認出来ていないのだ。つまり・・・」

 

「な、なんだよ・・・」

 

「あれは敵の本隊ではなく、侵略の為の前線拠点だったと考えるべきだ。もちろん今回戦った相手よりも多く、上位種が率いる群れが存在するだろう。前線拠点を構築するという軍事的な行動をするならば、それ相応に上位の個体だな。」

 

「マジかよ・・・」

 

 流石に好戦的な天龍でも焦る話か。今回の戦いでも鎮守府の戦力の大半を使い、多少の損害は受けている。それなのにさらに多い敵で、しかも上位種が率いるのであればより困難なものになる。本能任せで攻撃してくる下位の深海棲艦よりも、能力が高く戦略的な戦い方が出来る上位種のほうが、圧倒的に恐ろしい相手だ。はっきり言って戦って勝てるとは思えない。

 

「幸い今回敵の侵攻拠点を潰した事で、敵の侵攻は遅れる事になる。早目に見つけて対処出来たのは運が良い。大淀、あの資材溜まりの奥に上位種が控えて居るかも知れないと、大本営に連絡をしておいてくれ。後は長門・博多・佐世保あたりには個別で注意を呼び掛けて欲しい。そうすれば何かしら動きがあるかも知れない。」

 

「分かりました。すぐに連絡します。」

 

「なら俺達はどうすんだよ?」

 

「今日はこれ以上の行動は避けた方が良いからゆっくり休め。今後の方針は、明日資材溜まり周辺の様子を見てから決める。明日からもハードな戦いになる可能性もあるから、今日の疲れを残すなよ?」

 

「了解だぜ。っと、今日の報告をしに来たんだったな。大淀には伝えているが、今日は金剛達が活躍してくれたから、俺達の隊は被害が少ないぜ。けど敵水雷戦隊の足止めにしろ、その後の殲滅戦にしろ駆逐艦の奴らはかなり頑張ってた。後でしっかり褒めてやってくれ。特に春雨は凄かった!練度に差がある島風を押さえて、今日の一番だったぜ!!」

 

 ほほう、白露型姉妹の中では夕立が一番性能が良かったが、今回は春雨が上回ったか。戦場での戦果はその日の調子や相手の動きにも左右されるから、性能が戦果に直結する訳ではないか。

 

「分かった。後でしっかり褒めておくとする。天龍もご苦労だった。」

 

「おう!次の戦いも任せておきな!!」

 

 頼もしい言葉を残して天龍が執務室から去って行く。なかなか水雷戦隊の旗艦として様になっているではないか。今後の成長が楽しみだな。




 やったね、不穏な空気が漂ってきたよ!!

もうすぐ一周年と言う事で久しぶりにアンケートをしたいと思います。この作品のキャラでの人気投票的なやつです。是非ご参加下さい。

  • 主人公葛原提督率いる問題児四天王
  • 大淀
  • 長門・陸奥
  • 第七駆逐隊
  • 川内・神通
  • 明石・夕張・間宮・鳳翔
  • 第六駆逐隊
  • 北上&大井
  • 青葉&衣笠
  • 金剛姉妹
  • 伊19・伊168
  • 赤城&加賀
  • 翔鶴&瑞鶴
  • 白露型姉妹
  • 島風&雪風
  • 天龍&龍田
  • 龍驤・五十鈴・球磨・摩耶・高雄
  • 朝潮・木曾・陽炎・不知火
  • 叢雲ちゃん率いる横須賀艦隊
  • 俺の嫁が出てねぇぞ!!早よ出せや!!
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